ドラグ・ルージュ (※lily注意) (短文詩作)
春嵐
ドラグ・ルージュ
朱い目の女。
襤褸のようなものを着ている。
「あの目」
綺麗だった。
彼女と交われば、わたしの目も、あんな風に朱くなるのだろうか。
女は、誰に気にされるでもなく、とぼとぼと歩いている。買い物の類いではないらしい。
「あなた。女と交わる気はあるかしら?」
朱い目が、こちらを向く。
まなざし。
そして。
口を開いて。
「
」
何か言ったらしいが、聞こえない。音波のような、微かな音がするだけ。
「おいで。わたしのほうへ」
結局、交わってみれば。
拍子抜けの結果だった。
彼女の目が、蒼くなっただけ。
ドラグ・ルージュ (※lily注意) (短文詩作) 春嵐 @aiot3110
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます