第99話わたし、魔法少女になりたいです(わたしの意志で、なりたいです)
ひとってみんなそんななの?
そういうのが好みなの?
だからいままでわたしは、ひとに好かれることがなかったの?
これからさきも、わたしはひとから愛されることはもうないの?
こんなだからわたしは、しあわせにはなれないの?
「そんなにたくさん一度に訊かないでよ。普通なら困っちゃうでしょ。でもこれはお安くてでよかったよ。だってわたしになにをどれだけ訊かれても、
前置きが長かったくせに、それじゃあ結局ふた言になっているじゃない。
「そういうところがそんなだから、わたしは結局そうなっているんだよ?」
なに、わたしのどこがなんだって言いたいの。
「そうやって
だったらなんだっていうのさ。
じゃあなに? ひとはわたしのやり方は好きじゃないの?
「そうだよ」
それじゃあわたしはひとの嫌いなことばかりしてきたってことなの?
「そうだよ」
だからいままでわたしは、ひとに嫌がられていたの?
「そうだよ」
ミドリも、そうなの?
「そうだよ」
わたしがいくつもミドリのことを、想ってたから?
「そうだよ」
それってわたしがミドリの想いを、ひとつにしなくちゃダメってことなの?
「そうだよ」
それならわたしは、ミドリの想いをどれかひとつに
「そうだよ、っと言いたいところだけど
あれ、どうしたの? 全部おんなじ言葉で答えるんじゃなかったの?
「だから、わたしのそういうところが……って。まあ、もういいや。誰もわたしも
だったら、どうするのさ。
「
「いらないものは全部棄てて、いるものをひとつだけ残すんだ。もちろんなにを残してなにを棄てるか、
選ぶんじゃなくて、棄てる……。
「そう、
言われてみればそんなことを誰かに言われたようなおぼえがある気がしなくもない。
でも、おかしいな。
わたしは自分のことは自分で選んで決めてきた。
たしかにその選択肢はせまくて少なくて、なのに制限時間があったりしたけど。
それでもわたしのことだけは、わたしの目で選んでわたしの手で決めたんだ。
だけどわたしは、
そんな贅沢、したことなんかないはずだ。
だってその結果で、わたしは魔法少女になったんだもん。
「別にこんなの考えるようなことじゃないじゃない。自分にとってなにが一番大事なものか、優先順位ををつければいいだけ。そうすればこんなこと、
そんなことはわざわざ言われるまでもなく、
それでも自分にとって、なにが大事なことなのか。
なにが、わたしの一番大事なものなのか……。
「それが終われば、あとは
それは、違うよ。
それじゃ答えはあってても、大事なことが
棄てることも。
あやまることも。
そんな簡単なことじゃない。
だっていつだって、
だから、わたしが教えてあげる。
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