第8話 ランキングの洗礼
2019年のカクヨム甲子園の応募期間は2019年7月19日(金) 17:00 から 2019年9月16日(月) 18:59まで。そして私がこのコンテストに応募したのは、締め切りの2日前。9月14日の 16:54のことでした。
この時期の応募になったのは、コンクールに挑戦すること自体に躊躇いがあったことと、学校の誰にも知られずに応募したかったということの2つが理由だったということは、前回のお話で説明した通りです。
ですが、実はもう1つ、大きな理由がありました。
それはランキング表示です。
恥ずかしながら当時の私は、このランキングが、カクヨム編集部の方々の評価に基づいているのだという勘違いをしていました。
今思えば何故そんな思い込みをしたのかわかりませんが、当時は基本的に無料小説webサイトとは無縁な生活を送っていた為、「順位=審査の結果」と思い込んでしまったのだろうと思います。
さて、エントリーの翌日から、私は暇さえあればカクヨムを訪れ、ランキングを確認するようになりました。
投稿の次の日に28位だった『残夏』は、翌日には順位を大幅に下げ、更にその翌日にも……あれよあれよと言う間に100位辺りにまで落ち込み、それ以降ランキング表示が消えるまで、ずっと同じ位置から動きませんでした。
今はもうランキングのしくみを理解しているので、そんな見た目の順位に振り回されることはありません。
けれども当時は100位以下という自分の順位を見る度にがっかりしてしまい、「応募しなきゃ良かったな」、「いっそ登録を削除しようか」と、毎日毎日、カクヨム甲子園の特設サイトを開いたり閉じたりしていました。
やがて私の心は折れ、カクヨムにアクセスすることすらしなくなりました。そして10月も後半になる頃には、中間発表の時期が過ぎたらアカウントを削除して、応募した事実ごと闇に葬ってしまおうと考えるようになりました。
季節は巡り、冬の気配を感じ始めた11月後半。
確か、中間発表の期日を2日程過ぎていたかと思います。
私は久しぶりにカクヨムにアクセスし、カクヨム甲子園の結果発表には目もくれず、そそくさとマイページにログインしました。そしてその時に見た光景──メールアドレスに続いて、パスワードを入力した瞬間に、タブレットの画面一杯に広がった灰色のアラートを、私は一生忘れることはないでしょう。
そこには運営様からの「朔(ついたち)さん宛てに送ったメールに返信が欲しい」という旨の、短くも厳めしいメッセージがありました。
慌ててPCのメーラーを立ち上げると、2箇月近く放置した受信箱には、『残夏』の中間突破を知らせるメールが何通も届いていました。私はそれらのメールの中から最新のひとつを開き、表示されたURLに飛んで、いくつかの質問に回答しました。
そして改めてカクヨム甲子園の結果発表コーナーにアクセスし、初めて、ロングストーリー部門の最終審査対象作品の中に自分の作品を発見したのでした。
今、あなたはどんな気持ちでこのエッセイを読んでいますか?
もしかしたらカクヨム甲子園2021は既に始まっていて、あなたはランキングを眺めては、肩を落としているのではありませんか?
でも大丈夫、カクヨム甲子園の審査にランキングの影響はありません。寧ろ上位ランカーは受賞しないというジンクスすらあるくらいです。つまりあの順位は、カクヨム甲子園に於いては全く意味がありません。
だから諦めずに待っていてください。
思いもよらない朗報が、あなたのメールBOXに飛び込んで来るその日まで。
次回の更新(2021/05/03/10:05)では、ランキングのしくみと、レビューコメントについて、私なりに思ったところをお話しできればと思います。
(2021/05/01/15:49 記)
(2021/05/08/11:50 改稿)
(2022/08/31/08:33 修正)
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