第115話 イスタンブールの日本人‥エルトゥールル号と山田虎次郎

ジェローム達は有栖や手毬たちに逢う為に移動の旅をしていたが

彼等は途中でオスマン帝国の都イスタンブール(コンスタンテンノーブル)に

辿り着いたのだった。


豊かな黒海に金角海 東と西を結ぶボスボラス海峡

交易都市でもある多くの他民族が行き交う喧騒の中 いにしえの都イスタンブール

市場の店の一つ、中村商店という看板がある。

「ムッシュ山田」「山田さん」

「おお、これはジェロームさん、ナジムさん お元気ですか?

日本語がまた上達しましたね」


「お二人とも元気そうで何よりですよ ハハッ

今日は商用ですか?いつもの日本の品物もありますけれど」

トルコ帽子を被った山田の一言

「とても楽しそうに過ごされている 貴方は此処ではとても慕われて愛されている」


いや、そんなエルトゥールル号遭難の事では 

日本人の多くの者達も心配して 私は代表で義援金を私に来て

恐れ多くも皇帝アブデュルハミト2世様の要請もあって

そうして此処に居いただけですよ とても良い処です ハハッ」


日本でも有名な海難事件『エルトゥールル号遭難事件』

日本の和歌山県でオスマン帝国の艦隊エルトゥールル号が沈み500人以上の死傷者が出てしまったのだが‥日本が生き残った彼等を救助した


人々は義援金を集め、民間人で茶道流派の跡取りだった

山田虎次郎は義援金を持ち単身、オスマン帝国へ渡航 アブデュルハミト2世に謁見

そうして今はイスタンブールに住んでいる。


「今回は急ぎの要件があって、明日の早朝に移動する予定です ムッシュ山田」

「ふむ、会いに来てくれたのですね 有難うございます」

「日本茶に和菓子もありますよ ああ、抹茶をたてましょうか

日本式の茶道でジェロームさん」


「先生」トルコ人の青年が山田に声をかける。

「おや来たねケマル」「はい、先生」


「ジェロームさん達 私は日本語や日本の文化を士官学校で教えておりまして

生徒の一人です 一緒にぜひ、お茶を‥とても優秀な素晴らしい学生です」


「ムスタファ・ケマルです よろしく」彼は微笑した。




やがて時代が変わりゆき

オスマンの皇帝アブデュルハミト2世はオスマン帝国(トルコ)は最後の皇帝となり


ムスタファ・ケマルは皇帝が去ったトルコを護り、新しいトルコの国を作り上げた

トルコの父と呼ばれる稀有な英雄です


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