独特の世界に浸れるんです。
最初に読んだときに面白いなって思って、思い出したのは「魔女と傭兵」というネット小説でした。(「魔女と傭兵」は文末に。をつけない独特の小説です)
小説って、文字だけで何かを表現する芸術だなって思うんです。文字を並べて、視覚的な印象で「作品の世界観や空気」を伝えるというか。
その点で、この作品ってすごく芸術的で特別だなって思いました。
文字の配置がおしゃれなポスター見てるみたいで、セリフが頭にスッと入ってきてね。
セリフの後に、その世界観を表す単語がぽこんって置いてあって、また頭に入ってくるの。
堅苦しい読書とはちょっと違う感じで、私はおしゃれな絵画とか雑誌を眺めてるような感覚で読んで。
画面に並んでいる文字が気持ちいいな〜、今、面白い世界を見つめてるなって思ってるんです。
この感覚、わかる人いると思う。
眺めていて、おしゃれな気分になるんです。
世の中って、文章はこう書かないといけませんとか、創作の世界でもルールがいっぱい。
でも、ここに世界でたったひとつの宝石みたいな、光かがやく世界があって、すごくたまたま私はこの空気に出会えたんだなって思ったの。
この人にしか描けない世界がここにあるんだって思って。
こういうのを芸術っていうんだって感じた。
そんな、好きだなと思った特別な気持ちを、言葉として残したいなと思いました。