ep04*
到着したエレベーターに乗り込む。
ガランとしたエレベーター。いつもは満員なのに、ここまでガランとしたのは初めてだ。
…そういえば、渡されてた紙をよく見てなかったな。
渡された紙を取り出す。
折り畳まれた状態のその紙は白く。
パソコンで書かれた内容の文字は本当に住所らしい内容だった。
私はこのまま知らない人の言うことを聞き、この住所に行ってもいいのか。何か危険なことがあるんじゃないか。
冷静になって考えると恐怖心しかなかった。
やめよう、行くのやめよう。誰だかわからない人から渡された紙に書かれた知らない場所に行くなんて危険すぎる。
目的もわからないまま行けるわけがない。
「…こっわ、そのまま急いで帰ろ…」
エレベーターのドアが開くと同時に心の声が漏れる。
そしてビルの玄関を出て、家へと向かった。
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最寄駅に着いたときだった。
「なんで!?」
今日対応した東さんがいた。
驚いて身体が静止する。そんな私に少しずつ近づいてくる。
東さんの顔は怖いほど微笑んでいて、薄暗い夜道に奇妙な雰囲気が立ち上る。
…普通に怖い。なんだろうこの人、全く読めない。何を考えているのかわからないその人は微笑みながら話しかける。
「会社までお迎えに行きましたが、帰られていたみたいだったので。メモをなくしてしまったのかと思いまして、お迎えに上がりました。」
ホラー映画よりもホラーな展開に、言葉も出ない、足も動かない。
そんな私をみて東さんはパチンと指を鳴らす。
すると車の中から出てきた大柄な男にふわりと抱き上げられ、車の中へ。
…遺書、書いてないや。やばいどうしよう。
これからどうなっちゃうの!?
和男爵 ちょん @c_lily
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