ぶどうスカッシュ
@honeyapple
部活終わり
冬が終わり、春がきた。
体育館に響き渡る、シューズの音。
きらきら輝く先輩たちに憧れて入部したバレー部も3年目。
隣のコートではバスケット部がウォーミングアップしている。
−吉沢先輩、、、
いつも誰よりも早くコートにきて自主練してた先輩はもう卒業してしまった。
密かにわたしも自主練ということにして、先輩のシュートを横目で見るために早く体育館に来る習慣は変わらない。
もう先輩はいないのに。
先輩の真剣な眼差し、息遣い、目を瞑ると浮かぶ。
ある日、部活終わりに、体育館裏にある自販機にいくと先輩がいた。
「いつも誰よりも早くきてバレーの練習してるよな。お疲れ様。」
といってニカッと笑う先輩。
恥ずかしくてハイ!しか言えなかったわたしに吉沢先輩はぶどうスカッシュを買ってくれた。
憧れの先輩としゃべれたことが嬉しくて
さっきまであんなに暑くて喉が渇いてたのに
嘘のように喉を通らない。
もったいなくって、まだ先輩の横にいたくて
ちびちび飲むわたし。
もう先輩は卒業してしまっていないけど
ぶどうスカッシュを飲めば
なんだか頑張れる気がする。
もう春だ。
ぶどうスカッシュ @honeyapple
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます