第四話 "八尺様"

八尺様

ある村に封印されていた身長が八尺(240cm)ある女性の怪異。

八尺様に魅入られると数日の間に取り殺されると言われている。

人により八尺様の見え方は違うらしいが、身長と帽子が同じらしい。

きっと私の友人は八尺様に魅入られたのだろう。

そして次は私の番だ。

私1人では八尺様をどうにかすることなんてできない。

どうしようか...

私は解決策を考えた。

そして明日学校の近くの神社に行くことにした。そこで相談すれば何とかしてくれるのではないかと希望を抱いて。

翌日

私は学校を終え、神社へ向かうことにした。

また八尺様が近くにいるのではないかと思い怯えながら向かっていた。

とりあえずは見ていない。でもきっと魅入られているのだろう。

そんなことを考えてるうちに神社についた。

緊張しながら神社へ足を踏み入れる。

「ごめんください」

「おや、子供がこんな所へどうした」

神社の中からおじさんが出てきました。

きっと神社の方でしょう。

「実は最近ここら辺で身長が高く、帽子をかぶった女性を見たのです。見た目が八尺様に似ていて...もしかしたら魅入られたかもと思い訪れました」

「なに...?ここら辺に八尺様が...?確かに八尺様の特徴に当てはまっているな。しっかり見たのか?見られていたか?」

「はい、見たし、見られていました」

「最近似たような話を聞いたりは?」

「友人が見たと言っていました。その友人は...死にました」

「...うむ、八尺様で間違えないだろう。そこで待っていろ」

するとそのおじさんは神社の中へ入っていった。

待っていると「入れ」と言われたので入ることに。

「見たのはいつだ?」

「昨日です」

「では取り殺されるのも時間の問題だな、今日は外へ出るな。ここに泊めてやる」

「は....はい」

思ったより大事になっていて若干動揺してるのは内緒。

それより泊まってどうにかなるのか?

「泊まるだけで祓うことが出来るんですか?」

「いや、それだけでは祓うことは出来ん。この札を持っておけ」

そう言われよく分からないことが沢山書かれた御札を貰った。

「ずっとポケットにでもしまっておけ。そして今夜私は違う部屋にいる。一切お前の事を呼ばん。もし呼ばれたとしても絶対に返事をしたり外に出たりするな。いいな?」

「はい」

「朝9時になったら外に出ろ。それまでは出るな」

そうして私は1日神社に泊まることになった。

「それでは私は違う部屋に行く。行ったことしっかり守れよ。」

「分かりました。おやすみなさい。」

そして私は狭い部屋に入れられた。

塩が沢山置いてあり、御札も貼ってある。

ほんとに大事になったなと思った。

寝たくても緊張して、怖くて寝れない。

無理矢理でも寝ようと思い目を閉じた

「お前さん」

...うーん...なにか聞こえた...?

「一度外に来い」

...あのおじさんの声?

でも私の事呼ばないって言ってた...よね。そして部屋から出るな、返事をするなと。

本物だったらどうしようと思いながら私は無視を貫き通した。

その後また呼ばれたりノックされたりしたが無視をし、目を閉じた(

今は8時55分だ。

部屋を出る約束の時間まであと5分。

私は途端に怖くなり、ポケットに入れてた御札を取りだした。

だがその御札は真っ黒に変色していた。

気味悪いと思ったが握っておくことにした。

そして9時。部屋を出ることにした。

「...おはようございます」

「!!お前さん!無事だったか!」

「ええ、どうにか。夜中あなたの声で呼ばれたのですがあなたでしたか?」

「いや私はその時寝ていた。きっと御札のせいで入れないから八尺様が外に誘き寄せようとしたのだろう」

「そうなんですか...出なくてよかった...あとこの御札」

「...効果が完全に切れているな。きっと夜中の間護ってくれていたのだろう。もう大丈夫だと思うが一応新しいものを持っていけ」

「その...色々ありがとうございました」

「ああ、また何かあったらこい。お前さんはそういうものに好かれる体質かもしれん。」

「もしそうだったら嫌ですね」

などと笑い、雑談をしてから私は神社を出た。

とても気持ちいい天気だった。

今日は土曜日。

このまま少し遊んでから帰ろうと思った。

夕方

色んなところを回って歩いた。

八尺様はもう見なかった。きっと本当に祓うことが出来たのだろう。嬉しい。

存分に遊んで疲れたので帰ってゆっくりしよう。

私は家の方面へ向かう電車に乗るため駅に向かった。

そのまま普通にいつも通り電車に乗った。

乗っている間この数日間は大変だったななどと考えていた。

友人が亡くなったのは悲しいに決まってる。

一緒に帰ったりしていた親友なのだから。

でも、きっと敵討ちは出来たかな。

天国で見守っててね。

心の中で言った。

家に帰ったら泣いてしまうだろう。

それにしても



電車が止まらない、おかしい。

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実話怪談体験録 りあな @Riana_F

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