第三話 ぽぽっ...ぽぽっぽ...

猿夢はあれ以降見ることがなかった。

安心した。次猿夢を見たら何が起こるかわからない。

いつもの日常に戻った私は友人と2人で下校をしていた。

何気ない会話をしていると友人が

「なんかね、最近変な人をよく見るんだー」

「変な人?」

「そう、すごく背が高い女性で帽子を被っててね。大きすぎて離れたところからでも目立っててよく見えるの」

(帽子を被ってる背が高い女性...?)

なんとなく聞き覚えがあったが思い出せなかった。ので

「最近引っ越してきた人とかじゃない?危なそうだったら逃げるんだよ?」

とだけ言っておいた。


数日後 学校

いつも通り学校に来た。

いつも通りの教室だがいつもと違うところが1つだけある。

一緒に帰ってる友人がいないのだ。

(体調不良でお休みかな?)

などと考えていると先生が深刻そうな顔で教室へ入ってきた。

すると先生は

「みんなにとても大事な話がある」

と真剣な声で話始めた。

「みんな驚くだろうが落ち着いて聞いてくれ。」

そして先生は言いました。

「先日___は亡くなった」

...は?

___は私の友人。

そう、一緒に帰ってる友人だ。

その日私は何も考えられなかった。

気づいたら学校が終わっていた。授業は何も頭に入っていない。

未だに何があったかわからない。

なぜ友人が亡くなるのか。

私はまだ実感が湧かなかった。

数日前までずっと元気だったのに。

私の横を歩いていたのに。

私は泣いた。

泣きながら駅へ向かっていた。

電車で登校、下校をしているので、電車には間に合わせないといけない。

少し急ごう...

泣きながら少し早歩きで歩き始めた時

「ぽぽ...ぽぽっぽ...」

...?

なにか聞こえた...?

「ぽぽぽ...」

私は声が聞こえた方に目を向けた。

するとそこには身長が2m以上あり、帽子をかぶってる女性がいた。

私のことを見ていた。

「ぽぽぽ...」

と言いながら

(あれって...前友人が言ってた人...?なんか...気味悪い...)

何となくその女性は気味が悪く私は走って駅へ向かった。

その後は特に何事も無く帰宅した。

あの女性はなんだったんだ?

あいつのせいで友人は死んだのではないか。

などと考えている中、私はあの女性に見覚え、そして聞き覚えがあった。

(...なんだっけな)

制服から着替えたりして数分が経った時

思い出した

あいつは...

いや“それ”の名前は

“八尺様”

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る