第27話
麗奈が異世界の仲間に加わった。これは非常に大きい。少々聖女の性格としては難があるが、まあ、何とかなるじゃろう。
「うふふ。たかが10万円で102万ぶんのレアキャラが出たわ。零くん貴方の超能力は最高ね」
「そんな事はない。戦闘にはあまり役に立たない能力ですよ」
「いいじゃない。私が代わりに戦ってあげる。この聖なる剣でね」
そう言うと麗奈は白銀色に輝く剣を出した。かなりの上級魔法なのだが、人間界で出せるとなると霊力依存らしい。カレンや零と同じように。
霊力依存は強い。鍛えれば伸びていき、魔力のように他人から奪わなければならない訳ではない。
魔力の利点は、相手から奪うので、強敵を倒せば一気に伸びる事が可能という事と、生命力も微量ながら奪うので、身体能力も強化する事が出来るのだ。
「む、私の霊力に釣られて今日も奴らが来たようね」
「来たって誰が?」
「悪霊よ。今日は怨霊もいるようね。長い夜になりそう。エッチはお預けね。私としても学んだテクニックを試しておきたかったのだけれど。前戯だけで処女さえ守れば大丈夫。そう本で読んだわ」
「怨霊って相当ヤバいじゃないですか! 人間界ではオーラが見えるだけですよ。俺は!」
「霊力があるじゃない。とてつもない量の。それを1ヶ所に集中しなさい。そうすれば倒せないけれど自分の身は守れる。あなたを守って戦う余裕はない。そうしないと私が死ぬわ」
「守って下さいよ! 悪霊とか怨霊とか怖すぎです。映画も怖すぎてトラウマに!」
「男の癖にだらしないわね。仕方ない。私の後ろにいなさい。カッコ悪い」
「はい!」
「どうやら来たようね。囲まれてるわ。見える?」
「ええ、見えますよ。漏らしそうです」
「漏らすな! 軽蔑させるな! 男らしくしてやがれ!」
「そんなの無理です。こんな事初めてなんで」
「あー情けない。それでもち○ぽついてるのかよ!」
悪霊が10体怨霊が1体。零と麗奈は囲まれた。弱い零に悪霊が殺到した。
「その体をくれー! こんな強い霊力は初めてだー」
「俺のもんだー!」
「いえ、わたしがもらう」
「やめろ来るなー!」
零の体が青く輝くとそのオーラが爆発した。それに巻き込まれて襲いかかった悪霊が消滅した。
「や、やったのか? 足がガクガクする」
零の力を見て、ボスの怨霊が口を開いた。
「この男に悪霊が寄りつかなかった理由がわかった。圧倒的に強力な守護霊の存在もあるが、それよりも強大過ぎる霊能力。戦う前から負けるとわかっていて襲うバカもいまい。その3人を除いてな。退くぞ! 聖女を殺すのは今日は辞めだ。化物が2人もいては無理だ」
「は! 仰せのままに!」
こうして怨霊達が帰って行った。
「逃げるなてめえら! お前らから零を守って恩に着せる作戦が台無しだよ! 待てこら!」
よかった。助かった。今日はもう早めに寝よう。いや、寝れるかな。怖くて寝れなそう。また怨霊が寝てる隙に来るかも知れない。
「あの、麗奈さんもしも俺が1人になったらさっきの奴らまた来ますよね?」
「たぶん来るわね」
「そんなの仕方ないじゃない。男なら自分で何とかしなさい」
「そんな冷たい事言わずに」
「ん、だったら、1人にならなければいいじゃない。一緒に寝る? ホテルは朝まで取ってあるし」
「はい!」
零は恐怖で我を忘れている。麗奈が救いの神に見えている。彼の意外な弱点。それは幽霊。普通に戦えば勝てる相手なのになんとも情けない。その晩、零は帰ると脅されて、麗奈のなすがままにおもちゃにされた。零の精力はゼロになり、麗奈の性テクニックはレベルが5も上がった。
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