第26話
麗奈にホテルに連れ込まれた零。彼女の怪力で関節まで決められては何も抵抗できない。そのまま部屋に連れてこられた。そして、そのままベットに縛りつけられた。
「これでもう逃げられない。抵抗もできない。私の勝ち確定イベントね」
「何でこんな事になっているんですか? 抱きしめてキスして終わりの約束でしたよね?」
「その約束は遅れたから無しよ。遅れた利息で獣のようなセックスになりました。約束だったゴールデンウィークはもうとっくに過ぎているのよ」
「だからって会ったばかりでこんな事間違っている!」
「そんなの気にならなくなるわ。私は名器らしいの。試した事はないのだけれど。代々そうだからきっと私も。天国のような快楽を与えてあげる。気絶する程のね。大丈夫。今日は安全日だから。あなたの白い物で私の中を満たして」
「断る」
「どうして? 私が処女だからいけないの?」
「処女の行動とセリフじゃない!」
「大丈夫。未経験でも知識は十分よ。イメージトレーニングも長い緑の野菜でバッチリ」
「そんな処女は嫌だー!」
「やっぱり処女は嫌なのね」
「いや、そういうのではなくて。寧ろ光栄というか、責任感じてより大切にすると言うか。とにかく処女は素晴らしいものではあってもダメじゃものじゃない。は! しまった!」
「うふふ。なら、何の問題もないわね。頂きます」
「ちょっとまった!」
鈴原零が麗奈に襲われるその瞬間わしが登場。麗奈が驚いて固まっている。
「誰よ。あなた。まるで神様のようなオーラを出しているわね」
「だってわし、神じゃもん。やはりオーラが見えるようだな」
「その神様が何の御用かしら? 私は今から好きな男を魅惑の私の体で虜にしようとしているのだけれど」
「それが問題なのじゃ。お主の持っている聖なるオーラは処女限定の能力。失ってもらっては困る。浄化のスキルは聖なるオーラ限定の技じゃし」
「あらそう。それで私が何を浄化しろと? 悪霊ならもう100体以上浄化して十分に世界に貢献していると思うのだけれど?」
「この世界ではなく、異世界を救ってほしいのじゃ。邪悪なモンスターの浄化で肉を食べられるようにする事で大勢の食料不足を解消できる。そこで縛られてもがいている鈴原零くんも既に幸運の勇者として立派に働きてくれている」
「この私が異世界に!? あはは。私に何のメリットがあるのですか?」
「それは、あれじゃ、困った人を救った時に得られる多幸感かの。人は誰かの為に。人はお互いに支えあって生きているのだ。1人の幸福よりも、沢山の幸福の方が満足感も達成感も上がるじゃろ? 聖女として皆を救ってくれ」
「そんな事に興味はないわね。私だけが幸せならそれでいい。私は零くんを手に入れて幸せになるのよ。私達は運命の相手。名前にも繋がりがある。零と麗奈。レイレイコンビ」
麗奈はわしの説得にも全く耳を貸さないようだ。困っていると、ずっと黙っていた零が口を開いた。
「麗奈さんが異世界に来てくれるなら、俺がガチャを麗ちゃんの代わりに引いてあげますよ」
「なんですって!? あなたの強運が私の物に!? これで世界ランキング1位も夢じゃないわ!」
「異世界に行きますか? 週に1回でもいいです。毎週土曜か、日曜。これなら文句もないでしょう。これでガチャで大量のSSSランクのキャラをゲットできる」
「じゃあ、証拠を見せてよ」
「俺の幸運は既に知ってる筈です。手足の拘束を解いてくれたら証拠を見せますよ」
「せっかくのチャンスだけれど仕方ないわね。今度は逃がさない。私の体に溺れるのよ」
「それは異世界を救ってからにしましょう。ご褒美として」
「そんなのでやる気を出させたつもりかしら? 確かにやる気出てきたわね。とりあえず、ガチャを引いて。将来の報酬はいいとして、今は今の報酬よ」
「スマホ貸して下さい」
「ええ。期待してるわ。とりあえず、1000万使ってガチャを回して」
「これは交換条件。その条件は甘すぎる。1回異世界に行く事に10万ぶんのガチャこれが条件です」
「随分と足元見るじゃない。報酬を少しずつ与えて先延ばしにするなんて」
「俺の幸運を手に入れるのは楽じゃないんですよ」
「く、立場が完全に逆転したわね。早くガチャを引いて。10万円ぶんでいいわ」
それから麗奈は零の背後に回り込んでスマホの画面を凝視する。胸が大き過ぎて零の背中に押し潰されている。
「凄い! 初めから10枚抜き! こういうカラクリだったのね。黄色いオーラが爆発的に高まった所でガチャを引く。やはり超能力でキャラを沢山ゲットしていたのね。私達は絶対運命の相手よ」
「それは少し前に他の女性にも言われました」
「誰よ。その女。殺すわ」
「その女性は上司の娘で親友でとても大切で大好きで愛してて毎日離れたくない存在です」
「なにそれ! ほぼ決まりじゃないの! 私は?」
「あなたは清らかなのに淫らで気性が荒く欲が強くて最近荒れている」
「何それ私の惨敗じゃないの! これが浮気の正体だったのね」
「そもそも俺達は付き合っていなかった」
「抱きしめてキスするだけでも付き合ってるようなものじゃない」
「それは向こうの彼女ともう経験済みです。遅かったんですよ。全てが」
「これから私はどうしろと?」
「それは異世界での活躍で彼女を抜くしかないですね。殺すのではなく、実力で完敗させるのです。そうすれば俺は麗奈さんに惚れ直す事でしょう。運命の相手はどちらか直接競って決めて下さい」
「私、やるわ! 異世界で活躍してその女を蹴落として零くんを再び手に入れる」
「その意気込みですよ。麗奈さん」
「もう麗ちゃんとは呼んでくれないんだ」
「はい。麗奈さん。あなたの活躍に期待しています」
「わかったわ。見てなさい。本気の私の力を。数々の部活を助っ人として救ったのは伊達じゃないのよ。異世界ごとき私が丸ごと救ってあげるわ。そして零。あなたを手に入れる。そして子供を産んで世界一の金持ちに伸し上がる」
「麗奈さんと組めばそれも可能かも知れませんね。頑張りましょう」
「ええ、愛してるわ」
「俺は他の女性を愛してます」
「絶対振り向かせる」
鈴原零はわしが困難だった麗奈の説得を見事に成功させた。こうして、3人となった勇者パーティーだが、マキと麗奈が上手くやって行けるか心配だ。
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