おまけ 設定集⑤
世界設定 - 2
今回はストーリーの舞台である『天蓋都市ヘヴンデリート』についてです。
これまで本文中では必要に応じて描写するのみでしたので、全景がどうなっているのかという整理を兼ねて。
ネタバレというほどのネタバレはありませんが、各話の登場人物などについて言及している箇所がありますのでご注意ください。
イラストなしの文章のみですがご容赦を。
◎外観について
上空から見ると円形の都市であり、それが五つの区画に分かれている。
(中央区、北区、東区、西区、南区)
大通りが十字に走っており、それが区分けの目安。
各区の特徴は以下。
◎中央区
商店街と繁華街が一緒になった区画。
・商店街
服飾店や雑貨店など、市民たちの日常生活を支える商店群が軒を連ねている。
武具などの冒険者用品店もあるがあくまで小さめの支店で、本店は別の場所(南区。後述)に置かれている。
・繁華街
飲食店や酒場などが並ぶ。また中央広場の目抜き通りには昼になると屋台が出店され、軽食が提供される。
(ただし色街は南区まで足を運ばなければならない。健全なまちづくり)
・中央広場
市民たちの憩いの場。
第6話の舞台となった場所。
◎北区
行政区。
議事堂、役所、裁判所、衛兵詰所、図書館など、都市の自治運営に必要な組織の本部施設が集中している。
また離宮(王族の住居)と貴族の屋敷があるのもここ。
・離宮と貴族屋敷
一般人の立ち入りが制限されている唯一のエリア。
北区でも最も奥まった場所にあるが、建物がでかいため他の区画からもよく見える。特に離宮はランドマークのひとつ。
セラやイェムロワは普段ここで暮らしている。
◎東区
商業・工業区。
商工ギルド本部のある場所。
様々な商会の事務所が立ち並ぶとともに、工業施設が多くある。
(魔道具を始めとした様々な工業製品はここで作られ、中央区の店に並ぶ)
物流のターミナルとなっているのもここ。
◎西区
主に一般市民のための住宅街。
孤児院、教会、病院などもここにある。
(孤児院は第2話、教会は第5話で言及)
北区〜中央区に近いエリアほど
逆に南区に近付くにつれ家賃は安くなるが、治安もやや悪化する。
(とはいえ同時代の他都市と比べると貧富の差はかなり少ない方で、スラム街もなく貧民などもほとんどいない)
・孤児院
表通りからは少し外れた南区寄りの場所にある。
貴族や冒険者、出身者の支援が
現在、エステス(第2話参照)がここで暮らしている。
またネネもここの出身で、毎月それなりの額を寄付しているらしい。
・教会
北区寄りの場所にある。
ニーナ(第5話参照)たちは普段ここにいる。
・病院
中央区寄り、大通り沿いにある。
救護院や民間治療で手に負えない患者はここ。
◎南区
主に冒険者のための区画。
冒険者ギルド本部をはじめとして、迷宮探索と冒険者の生活のための各種施設が存在する。
区画内にある主要な施設と地理は以下。
・冒険者ギルド本部
南区の入り口、中央区に面した場所にある。
営業時間は朝8時〜夜8時。
建物としてはかなり大きく、ランドマークとして、また迷宮を擁する都市として、様々な意味でヘヴンデリートの顔である。
ロビーでは軽食が提供されるがあくまでついでであり、別に飲食店ではない。軽食は広場を挟んだ向かい側のレストランから仕入れている。
・救護院
一般市民と冒険者の両方が利用するため、やや西区寄りの場所にある。
応急手当を目的とした施設。国と冒険者ギルドとの共同経営。病院で大掛かりな治療を行う必要のない怪我人が利用する。
第1話で登場したアマリアが労役を行っているのがここ。
ちなみに救護院周辺には職業安定所などの各種福祉施設も軒を連ねている。
・冒険者用品店
物流の関係上、東区(商工業区)に面した一帯に多くある。
取り扱うのは武器、防具、魔道具、採取用具、野営用具、携帯食料、
レリックが『防護壁』を注文しているのは元冒険者のドワーフが個人経営する小さな防具屋(そのうち登場するかも)。
・宿屋
南区の中央、南北を貫く大通り沿いに軒を連ねている。
利用するのは旅人、行商人、観光客、街にやってきたばかりの冒険者など。
冒険者が宿屋に長期滞在することはない。腰を据えて迷宮探索をする者は借家なり
・冒険者の住宅街
宿屋の周辺、つまり南区の中央部分一帯にある。
大通りを挟んで西側はどちらかといえば高級住宅地で、大きめの一軒家が多い。借家ではなく建て売りもあり、ある程度羽振りのいい冒険者はここに住む。
対して東側は
「西に引っ越す」という言葉は、冒険者にとって成功の隠語でもある。
・色街
大通りの東側、つまり冒険者用住宅地の奥にある。
(ヘヴンデリート全体から見ると南東部)
酒場、賭博場、娼館などが立ち並ぶエリア。
冒険者だけではなく一般市民も利用するので治安はそんなに悪くない。
子供は行ってはいけない。
◎迷宮への入り口について
『
ヘヴンデリート全域に十数カ所が設置されている。
(南区に集中してはいるが、他の区にも最低二カ所ずつは存在する)
すべてにおいて衛兵が24時間態勢で監視しており、門を通るには冒険者証が必要。
「獣の肉を採取するならここ」「薬草摘みならここ」「上層中辺へ一気に降りるならここ」みたいに、各所ごとの特徴がある。
◎その他、備考
用途に応じて区画分けされているが、各区において厳格な立ち入り制限がなされている訳ではない。たとえば一般住民も南区の色街に行ったりするし、西区に居を構える冒険者もいる。通勤の便を優先して住居を選ぶ者もおり、鍛冶職人が南区に家を持っている、みたいなことも多い。
離宮と貴族屋敷以外は誰がどこに立ち入っても、どこに住んでも、なんの仕事をしても自由である。
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第7話は明日から更新となります。
引き続きよろしくお願いします!
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