おまけ 設定集③
ギフト解説 - 3
第3話〜第4話に出てきた
例によって読み飛ばしても本文の読解に影響はありません。
こういうのお好きな方はどうぞ!
◎
自分の身体に薄い防護膜を纏う、という
ゲーム風に表現すると、物理攻撃と魔法攻撃をある程度軽減するバリア。
防護膜よりも弱い攻撃は無効化され、防護膜よりも強い攻撃は防護膜分だけ軽減される。
鍛えれば防御力そのものが上がるが、限界値が低めなためあらゆる攻撃を防げるほどのものにはならない。また物理防御と魔法防御は均等に上がっていき、どちらか一方を集中的に鍛えるということもできない。
ただしアカシアはこのルールを、発想の転換と凄まじい修練により克服した。
「片方をわざと下げることでその分をもう片方に足す」ことに成功したのだった。
(『物理100:魔法100』を『合計値200』と解釈し『物理10:魔法190』にする、といった感じ)
修練や事故などによって
しかし大概は他の人間には再現できず、当人きりのものとなる。
◎
体外に流出した血液を操る力。
(同じものを数百年前に一度、ツバキと同じ鬼人族の女性が持っていたと伝えられている)
魔術で似たようなことができそうだが、できない。
特異性として以下のようなものがある。
・自分の血液を使用すること
原料が自身の身体の一部であり、元手が必要ない。
また魔力によって作られたものではないため、対魔術防御が効かない。
・血液操作には魔力も必要なく、操作も自在である
己の意思のみで動かせる。
また射程距離も長く、およそ100
(ただし本人が100
・操作対象とした血液は成分が固定される
正確には、
こうなると他の液体に混じらないし、蒸発や凝固しない。
ただし逆に、自分の体内に再び戻すこともできない。
これは明確な弱点であり、大量に武器としてしまうと使用者が出血多量で死ぬ危険がある。
この
『血液一滴で敵の急所を遠距離から破壊する』という運用をすればほとんど対抗策はなく、上記の弱点も心配ない。
またわざわざ弾丸のように射出する必要もない。ゼロ距離であっても破壊力を持たせられるため、もはや狙撃ですらなく『血液一滴が遠距離からこっそり忍び寄ってきて耳から侵入し脳を掻き回す』みたいな、えげつない暗殺ができる。
ただしツバキは性格的に、このような運用をすることは決してない。彼女がこの
それでもこの朱い雪の散る
◎鑑定 -
よくあるやつ!
対象に魔力を流すことでそのものの状態を把握できる、というもの。
(さすがに物の名前や品質が文字となって見えるみたいなことはない)
その性能は、本人の知識と経験によって大きく差が出る。
たとえば鉱石ひとつとってみても、金属にろくに触れたことのない鑑定持ちにとっては「なんか硬そうな石」程度しかわからないが、あらゆる鉱物、金属に精通した鑑定持ちが見れば「鉄鉱石の中に良質な
真価を発揮するにはとにかく本人があらゆるものを見る、触れる、体験する……という行為が必要だが、それらの経験を積めば積むほど、商売においても迷宮探索においてもこの上なく心強い味方となるだろう。
ただしもちろん経験の積み重ねによる熟練度の上がり方は万人で一定という訳ではない。同じ『鑑定』持ちでも、勘のいい者と悪い者とでは効率がまったく異なる。
作中に登場したケイズはかなり才能がある方だった。
ラタトゥスも言うに及ばず。
ケイズは本人の努力を顧みられず、ただ
ラタトゥスは仲間から、
他者の可能性を
◎
魔術を行使できるいわゆる「魔術系
たとえば火炎魔術であれば、
(また、それを踏まえた上で、魔術を主体とした戦闘を行う者を『魔道士』と呼ぶ)
『
・炎、氷、雷という三属性を
・『魔導』領域の高さで操れる
という
※複数属性を扱える魔術系
(『火炎魔導』が
ただし
数ある
たとえば『火炎魔導』の
なので彼らは、八つの階位に体系化された汎用魔術を『再現』することで、
これを先人の叡智を利用するととるか、可能性を狭めているととるかは人によるだろう。
ただ人は制限を課されてこそその中で工夫を重ね、上の領域に至れることもある。
アンデンサスは既存の汎用魔術を用い、魔力効率と手数を重視した。結果、千年に一度の大魔導士と称されるに至った。
◎
『魔力増幅』などに代表される魔力系
倍率としては常人の数千〜数万倍と言われている(元々、
また、保有量だけではなく消費した際の回復量も増大する。「MP量は数千倍だけど0から満タンになるまでの所要時間は同じ」という感じ。
この特性故に、魔術士として見た場合「魔力切れ」という概念から完全に解き放たれる。また魔力量が多いことによるリスクも特にない。
唯一最大の欠点として、あくまで魔力量が桁違いなだけで魔術の行使自体に影響はない、ということが挙げられる。
あくまで「魔力量」にかかわる
◎
特定の事象、一帯などを
端的にいうと、疑似的な巻き戻し。
ただ、事象としては実際に時間が戻っている訳ではない。正確に表現するならば「記憶した状態からなにか変化があった場合、対象を『記憶した状態』に再変化させている」というべきであろう。
つまり時間が戻っているのではなく「超高速で過去と同じものへと進んで」いる。
(「未来を過去と同じ状態に確定させる」と言い換えてもいい)
故に維持する力——「恒常化」と呼ばれる。
一見万能に見えるが、実はそこまででもない。
まず、本人に限らず対象が即死、もしくは脳の記憶領域が損傷すると効果は発揮されない。
記憶も巻き戻らない。
記憶までもが元に戻った場合、世界に対する認識が破綻を来たし『恒常性』という概念からほど遠い結果となるため……ではないか、と、キッフスは考えている(これは「脳の記憶領域が損傷すると効果が発揮されない」理由でもある)。
また復元に際しては使い手の意思が必要なので、一瞬で意識を刈り取られた場合などもなす術がない。
(たとえばレリックの『収納』を相手にした場合、いかなる状況であろうともキッフスは負ける)
戦闘で運用するなら「初見の相手に対して(即死だけには気を付けつつ)出方を窺い、ひと通り相手の手札を見た後で味方に反撃してもらう」……という方法が最適解となる。つまり第4話の戦い方である。
ちなみにキッフスとネシアシリィはこれを利用して常に衣服と身体を清潔に保っている(よく見るクリーンの魔法だ!)。迷宮に引きこもり半月着替えずお風呂に入らなくてもまるで平気。ネシアシリィのドレスはいつも新品同様にぱりっとふわっとしている。
◎
『糸』状の繊維物質を創生する能力。
繊維物質は蚕糸と蜘蛛糸の中間、いいとこ取りのような性質を持つ。
色は白。吸湿性と放湿性に富み、同じ細さの鉄よりも強靭で、弾性に長けて強い粘着性も持つ。
更には使用者の意思で瞬時に「溶かす」(消失させる)こともできる。
この『糸』で作られた繭は、通気に優れる一方で水は通さず、かつ熱も遮断するため非常に安全かつ快適。
破壊もやすやすとはできず、物理、魔術問わず大半の攻撃から身を守ることができる。
一方で拘束に使う際には高い粘着性が効果を発揮する。どこにでも絡まり、どこにでもくっ付き、そして半端なことでは切れない。
更に(身体から分離させない限り)糸そのものに知覚能力を持たせることもできる。
つまりネシアシリィの視界外、遠くの場所であっても周囲の環境や位置を把握でき、操作の正確性を失わない。
伸ばすことのできる最大距離はおよそ二万
伸ばした先で枝分かれさせたりなども可能。
一方、殺傷能力はないに等しい。顔をぐるぐる巻きにして窒息死させるなどの戦い方がないではないが、半端に巻いたのでは呼吸が止められないためけっこう大変な作業となる。
また明確な弱点として、酸(溶けてしまう)、気体状の毒物(素通りする)、高威力攻撃(耐久力以上に殴られたら終わり)などがある。
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