世界設定 - 1

 前話の宿業ギフト解説と同様、読まなくても本文を楽しむのに支障はないようにしています。

 お好きな方はどうぞ。



◎度量衡

・長さ、重さ

 1メートラ≒1メートル

 1キロメートラ≒1キロメートル

 1グラ≒1グラム

 1キログラ≒1キログラム


・通貨・貨幣

 単位レデッツ。

 1レデッツ≒1円くらいの感覚。

 ただしモノによっては現代日本と物価がまったく異なるものもあるので目安程度に。

 

 貨幣は硬貨のみで紙幣はない。

 すべて国営の造幣局で生産されており、硬貨には偽造対策で特殊な魔術がかけられている。

(汎用の電気魔術を軽く流すと一定周波数の音が鳴る)

 銀行や大きな商会ではこの周波数を確認できる魔道具がある。

 また、この術式が正確に動作しない硬貨はたとえ造幣局の正規品であろうと価値を失う、という法律がある。



◎魔術について

 宿業ギフトを擬似的、劣化的に再現できるようにしたものを、総称して『魔術』と呼ぶ。

 使用に際し、自然魔力マナ体内魔力オドを燃料として消費する。


・汎用魔術

 主に体内魔力オドを利用して行う魔術。

 詠唱が必要となる。

 属性や効果によって系統立てられており、それぞれの系統において第一〜第八の階位かいい分けがされている。

 フローは自然魔力マナを大量に取り込みながら使っていたが、これは本来かなりのイレギュラー。ガソリンスタンドから給油しながら車を走らせるみたいなやつであり、普通はできない。


・精霊術

 自然魔力マナを利用して行う魔術。

 詠唱が必要となる。

 体内魔力オドをほとんど消費しない一方、効果が安定しない。


・風水術

 その場にある自然現象、自然物を操る魔術。

(川の水から水球を作る、地面の土で防壁を作る……など)

 自然魔力マナ体内魔力オドで介入することで行使する。

 詠唱は必要ないが、無から生み出している訳ではないので言わば『元手』が必要となる。


・呪術

 自然魔力マナ体内魔力オドもほとんど必要としない一方、『起こした事象に必ず代償が発生する』という法則を持つ魔術。

 詠唱が必要。

 代償は即時的に現れ、効果と代償を合わせてプラスマイナスゼロとなる、というのが最大の特徴。

 が、この代償を抑え込もうとすると『負債』としてマイナスが時間とともにどんどん増大していく。更にはそのマイナスは圧縮されることで物質化、黒い粘性の液体のようなものとなり『呪いそのもの』として顕現してしまう。

 デメリットが大きすぎるためあまり使われず、おおっぴらに使っていると顔をしかめられる。中には公式に禁止している国もある。

 だが、このデメリットである『呪い』を『生める』ことこそが呪術の本質だと考える者もいる。



◎冒険者の等級

 準五級〜一級までの十段階に加え、特別な等級として『特級』がある。


・準五級

 ギルドに加入したばかりの人。

 単独もしくはパーティー問わず、上層上辺においての活動が認められる。

 逆に言えば、準五級にならなければ(ギルドに加入しなければ)迷宮に潜ることはできない。


・五級

 準五級を経てある程度の実力がついた者。

 上層上辺〜中辺においての探索活動が認められる。


・準四級

 ここから先の等級は、迷宮探索に際して法的な制限がない。

 つまりすべては自由であり自己責任となる。

(以降、功績と成果によって等級は上がっていく)

 五人以上のパーティーであれば上層中辺〜下辺の探索ができるであろう、というのが目安。

 

・四級

 上層中辺〜下辺を四人以下のパーティーでも探索できる、という目安。

 徐々に個々の戦闘能力が問われ始める。

 サポート職や十人位コモン百人位アンコモン宿業ギフト持ちはこのあたりで打ち止めになることが多い。


・準三級

 五人以上のパーティーで中層を探索可能、という目安。

 中層といっても上辺〜下辺の難易度の幅は広く、そのため等級の基準はかなり大雑把と言える。

 基準が大雑把になる理由は、中層以降では気を抜くとたとえ高い等級の冒険者であってもころっと死ぬため。

 このくらいの等級になると酒場でイキっても一般市民を黙らせることができる。

 ただし犯罪は普通に取り締まられるので、そんなイキる冒険者は少ない。

 

・三級

 四人以下のパーティーで中層を探索可能、という目安。

 準三級と比べると戦闘能力か生存能力のどちらかが抜きん出ている必要がある。


・準二級

 五人以上のパーティーで下層を探索可能、という目安。

 この等級となるには明確な基準があって、それは『下層の魔物を討伐し、素材を持ち帰る』こと。

 一応パーティー単位で倒せればいいので、サポート職の冒険者が基準を満たすこともある——ただし申告しない者も多い。

 準二級ともなると「強くて当たり前」みたいな社会認識があり、周囲のやっかみなど含めていろいろと面倒くさいので。


・二級

 四人以下のパーティーで下層を探索可能、という目安。

 ここから特定分野の能力が人外じみてくる。

 持っている宿業ギフト千人位レア以上がほとんど。

 ただ『四人以下のパーティーで下層を探索可能』といっても、実際に四人以下のパーティーで下層を探索する者はあまりいない。何故なら少人数で探索する意味がまったくないため。

 本当に四人以下のパーティーで下層を探索する(したがる)ような人間は、死ななければいずれ昇格する。


・準一級

 五人以上のパーティーで深層を探索できる冒険者。

 深層の魔物を討伐し、素材を持ち帰ってくるのが昇格の最低条件。

 更には個々の戦闘能力や宿業ギフトの性質なども加味される。

 例外なく能力は人外。

 ヘヴンデリートに五十人ほどいるとされる。

 いるとされる、というのは、二級以下と違って名声や富に興味がない、もしくはそもそも名前が知られていない者も多いため。


・一級

 四人以下のパーティーで深層を探索できる冒険者。

 本物の人外、限られた天才、或いは突出した異常者。

 ヘヴンデリートに現在五人いる。


・特級

 冒険者ギルド直属の秘匿監査員に与えられる等級。冒険者の悪事と犯罪を取り締まる役目を持つ。

 現場の判断において逮捕、殺害、拷問など、ほぼすべてを許されている。審査には人格面も含めた厳格な基準があり、実力が高いからと言ってなれる訳ではない。そもそも勧誘するのはギルド側でなるかどうか決めるのは冒険者側であり、そこも通常の等級とはまったく別。

 ヘヴンデリートに十人いる。

 一級よりも数が多いことからわかるように、人によっては必ずしも一級より強いとは限らない。ただし、なんらかの面で一級冒険者を凌駕するものは持っている。

 ひとりひとりに序列が与えられている。基準はけっこう曖昧なのだが、高いほど強いといえば強いし、偉いといえば偉い。

 普通の冒険者として活動している者には表向きの等級もある。

 たとえばレリックとフローはともに三級。



◎特級冒険者の序列表

 序列一位 ?????

 序列二位 ?????

 序列三位 ?????

 序列四位 『空亡そらなき』レリック(三級)

 序列五位 『たてしばの騎士』オズ(準一級)

 序列六位 『通連つうれん』ツバキ(準一級)

 序列七位 『御供姫けものおんな』イェムロワ(一級) 

 序列八位 『阿頼耶アラヤ

 序列九位 ?????

 序列十位 『死んだ妖精バンシィ』フロー(三級)






―――――――――――――――

 時々、エピソードの合間にこの手のやつを挟んでいこうと思います。


 次からは第3話となります。

 少し上でしれっと名前が出ている新キャラが出る話。

 引き続きよろしくお願いいたします!

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