何故か周りからの当たりがきついけど、隣の席の佐藤さんだけは俺に甘々です。

第2話 大親友(？)小竹心

ノータイムで自宅に帰って一息ついた頃、部屋のチャイムが鳴った。このタイミングでくるってことは………

「夏樹！お腹空いた」

「またお前か」

「君の大親友の小竹だよー！」

「俺たちいつから友達になったんだ、？」

「え、ちょ、何その反応、俺たち友達ですらない……ってか！？」

「ご飯が目当てなくせに」

「たしかによぉ、お前のご飯は美味しいけどよ。でも俺はお前のことも―――――――すきだぜ」

このやたら体格も声も大きくて、いかにも球技をやっていそうな人は小竹心（こたけしん）。一応友達だ。

何かにつけて絡んでくるのが少し鬱陶しいが、なんだかんだ一緒にいてくれるから感謝している。

「とりあえず入れよ」

「かなしいかな……俺の渾身の告白をガン無視することないだろ」

「小竹は飯が食べたいんだろ。今日は丁度いいからな」

「そういえば、妹さんはなんで居ないんだ？」

「友達とご飯だそうだ」

「なるほどな、会う度ゴミを見るような目で俺を見てくれるのを。今日も期待したのにな」

「やっぱり、気持ち悪いから。帰ってくれないか？」

「うそです、ごめんなさい。ご飯食べさせてください」

小竹は目をうるうるとさせ、お腹を空かした大型犬のような表情で。俺を見る。

「これからもお前を妹に近付けさせないよう、気をつけなきゃな」

今度は明らかにしゅんとした、悲しいのかな。そんな顔をしても俺の考えは変わらないぞ。

「……夏樹って本当妹さんのこと大好きだよな」

「俺は、嫌われているけどな」

「そうか？俺には真依ちゃんも。お前のことが大好きなようにしか、見えないけどな」

「まさか」

「ほら、今流行りのツンデレていうやつよ。現に俺が来る時はいつも『兄さんに何してんですか』『また兄さんとの時間を邪魔する気ですか』『おい、大型犬。早く帰ってねろ』ってよく怒られるぞ」

小竹は嬉々として話しているが、どんどん小竹に対して辛辣になってないか。

てか真依も小竹のことは大型犬に見えるんだな、久々に妙な親近感を感じる。やっぱり血の繋がった兄妹だもんな。

「……それはほんとに真依か？俺と居る時は話もしてくれないぞ。あとツンデレなんて三次元には存在しない。ほら出来たから、机に運んでくれ」

誰だって好きな人には好かれたい。好意は本来見返りがないと成立しないのだ、好きな人に素直になれないなんて小学生までの話だろう。

「温め直してくれたのか？お前のきんぴらごぼうと肉じゃがは特に美味いから、食えるのが楽しみだ」

「妹のために沢山練習したからな」

「このシスコンがよ！」

「冷めるから、無駄口叩いてないで。さっさと食うぞ」

「……すまん」

「「いただきます」」

その日は自称大親友（？）の小竹と2人で。

食卓を囲んで、夕食を済ました。