映画「インセプション」や「パプリカ」のように、読者は入れ子構造になったさまざまな世界をさまようことになります。
主人子は攻略対象の女の子といい感じになるたびに別の夢に起こされてしまう日々を繰り返し、やがて本当に守りたいと心から思える女の子に出会うのです。ですが、そのことを自覚した瞬間、彼女は病に倒れ、自分自身は別の世界へと移ってしまいます。果たして、主人公は彼女を救うルートに戻れるのでしょうか?
別の世界に潜っていくたびに現実が何なのかわからなくなっていく感覚がとても楽しい小説です。それぞれの物語も面白いですが、素行の悪い40代・無職となった主人公が周囲の人々から受け入れられるようになるまでを描いたストーリーは白眉。
ただ最終的に言いたいことは、女の子を部屋に上げる前に、エロゲは片付けておいてくれ! ってことです。