第15話 私刑を受ける

「おらっ!」


「ぐほっ!」


 俺は腹にパンチを受けて前のめりになった。


「感謝しろよ。顔はやめてやってるんだからな」


DQNは告げてくる。


それは単に自分たちの都合じゃないですかね。顔は目立つから困るっていう。


「それで、どういうわけなんだよ? てめーみてーな、底辺のキモオタと望月さんが」


「まさか本気で付き合ってるわけじゃねーだろーな?」


 俺は悩んだ。どう答えれば良いのか。


「付き合ってるわけないよ。俺みたいな根暗野郎が望月さんみたいなお嬢様と付き合えるわけがないじゃないか」


俺は真実を告げる。何も嘘は言ってない。言う必要もない。


「本当か?」


「本当だよ」


「だったら何なんだよ、この写真は? どうしててめーみたいなキモオタが望月さんと一緒にいるんだよ。あ?」


「それは、ゲームで知り合いになってそれで友達みたいになったんだ。それで望月さんが勉強を教えてくれるって話の流れになって」


「ちっ。きっかけはなんだか知らねーけどよ、てめーみてーなキモオタが望月さんに近づいるのが許せねーんだよ」


「今回は見逃してやるけどよ。今度望月さんに近づいたらただじゃすまさねーぞ」


 何言ってるんだ。こいつらは。こいつらに何の権利があってそんな事言ってるんだ。


 こいつらは単に妬いてるんだ。自分達より格下だと思ってる俺が学園の女神様である望月凛とお近づきになっている。それが許せないんだ。


ーーその時、思わぬ人物が姿を現す。くだんの望月凛その人だ。


「団長さん!」


 凛はDQN達の前に立ちはだかる。俺を守るようにして。


「あなたたち! 団長さんに何をするつもりですか!」


凛は言い放つ。


「団長さん!?」


「な、なんでもないんですよ。望月さん。そいつとはちょっと世間話してたってだけで」


「とてもそうは思えません」


「行くか」


「あ、ああ」


凛が現れた事でバツが悪くなったDQN達はその場を去っていった。


「大丈夫!? 団長さん!?」


「ああ、大丈夫だよ」


膝をついていた俺は立ち上がる。腹が苦しいけど歩けないほどじゃなち。


「すまない望月さん。けど、これでわかっただろ? 望月さん。君と俺とじゃスクールカーストが違いすぎるんだ。俺たちが近づくのは良くないんだよ」


「そんな、団長さん頑張ろうとしてたのに。皆に認められようと勉強だって」


「それもそうだけど、まだ俺は結果を出せてない。周囲が俺たちの関係を認めてないんだ。一緒にいるのは相応しくないって。今回、俺と一緒にいた事で迷惑をかけてごめん、望月さん」


「そんな、迷惑だなんて」


「誤解は俺の方から解くよ。俺たちは別に付き合ってるわけじゃない。ただの友達だって。本当の事を告げればきっとわだかまりもなくなるよ」


学園の連中は俺と望月さんが恋人関係にあると思ってるこら騒いでいるだけだ。ただの友達関係だと理解すれば、それでもそれなりに抵抗感を覚えるが、大分マシにはなるはずだ。


「それじゃ、俺行ってくるから」


「だ、団長さん」


俺はゴシップニュースを流した新聞部へと足を運ぶのであった。

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ソシャゲをしているだけなのに、なぜか学園の女神様に崇拝されています つくも @gekigannga2

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