加奈の闘病日記
私は東京のK病院に入院した。
膵臓は手術で摘出するそうだ。
その後、抗ガン剤で散らばったガンを小さくして放射線をガン細胞だけにスポット的に照射するという事だった。
検査の結果を見ながら一週間後に手術になるようだ。
抗ガン剤を飲み始めてから脱毛がすごかった。
吐き気も凄くて、全身がだるくて・・・
キツくてその度、裕二の顔がうかんできた。
・・・もう会えないだろうに・・・
一週間後、膵臓の摘出手術をして私の膵臓は無くなってしまった。
お腹には痛々しい傷痕が残り、毎日インシュリンの注射を自分でうつよう指導される。
抗ガン剤が割とよく効いて私のガンが小さくなってると言われた。
散らばったガンを放射線でスポット的に叩く治療が始まった。
入院から3か月後に受けた話しでは私の経過は良好だそうだ。
担当の看護師さんにはいつも励まされた。
吐き気が酷い時は付き添ってくれた。
私が生きられるのは彼女達がいてくれるからだと感謝しているが毎日が苦しくて感謝の言葉すらでてこない。
私は治療の毎日で、精神的にまいって周りにキツくあたる様になってしまった。
“経過は良好”イコール“裕二にまた会える”と私は安易に考えていたが・・・
例え私のガンが完治しても、毎日インシュリン注射や薬の服用、身体のダルさ、お腹のキズ。
こんな私が裕二の元に帰っても同情で見られるだけだ。
毎日、同情でみられるなんて死ぬよりヤダ。
利香にとっても裕二にとっても私はジャマな存在でしかない。
パパを通して“私が亡くなった”と裕二に伝えて貰おう。
きっとそれが一番いい事なんだ。
そんな考えに至った私だけど・・・
涙が止まらなかった。
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