第四回 さらに、酒
① タイトル画面
T『その八 父と五男』
② 藤原家・表(夜)
──仰角で。
温かな門灯に照らされている表札『藤
原』。簡素な生垣の中に、座敷Aの灯
りが見えている。
将之の声「……神のめぐみを思へ世の人」
③ 同・一階座敷A(夜)
真之の合掌のUP。
一同の声「ごちそうさま」
食器を重ねて、片づけている一同。
将之「真之」
真之「(将之に)はい」
④ 同・一階座敷C(夜)
──仰角で。
見えている前庭。夜空に月。
将之「(OFF)つきあえ」
× × ×
京都・伏見の地酒(一升瓶)。一本一
本のUPの上に、それぞれタイトル。一
升瓶Eから映すスピードが速くなって、
一升瓶A、ラベル『富翁』。
T『北川本家』
一升瓶B、ラベル『匠』。
T『京姫酒造』
一升瓶C、ラベル『金鵄正宗』。
T『キンシ正宗』
一升瓶D、ラベル『英勲』。
T『齊藤酒造』
一升瓶E、ラベル『招徳』。
T『招徳酒造』
一升瓶F、ラベル『松竹梅』。
T『宝酒造』
一升瓶G、ラベル『富祝』。
T『豊澤本店』
一升瓶H、『慶長』。
──────────────────────
T『平和酒造』
一升瓶I、ラベル『月の桂』。
T『増田徳兵衛商店』
一升瓶J、ラベル『桃の滴』。
T『松本酒造』
一升瓶K、ラベル『鷹取』。
T『山本勲蔵商店』
一升瓶L、ラベル『神聖』。
T『山本本家』
一升瓶M、ラベル『美山』。
T『共同酒造』
一升瓶N、ラベル『世界鷹』。
T『小山本家』
一升瓶O、ラベル『坤滴』。
T『東山酒造』
一升瓶P、ラベル『蒼空』。
T『藤岡酒造』
一升瓶Q、ラベル『明君』。
T『松山酒造』
真之の手に一升瓶、ラベル『伏見の地
酒』。T『伏見銘酒共同組合』。
真之「(嬉しそうに)どれにする?」
T『京都・伏見の酒造りは、弥生時代
からの伝統産業です』
向かい合って座っている将之と真之。
共に、寝間着浴衣姿。将之、座布団に
座敷Cにずらっと並んだ一升瓶。前述
の他、『黄桜』『玉乃光』『鶴正宗』
『都鶴』『城陽』の一升瓶(ラベル)
が見えている。将之と真之の間に見え
ている襖。開け放たれて、外(廊下)
に敦之と和之。共に、寝間着浴衣姿。
唖然と(中を)見ている。
『月桂冠』の一升瓶を持っている将之。
じっと一升瓶を見ている。顔を上げる。
と、
将之「真之」
真之「はい」
将之「体は大切にしろ」
──────────────────────
真之「ありがとうございます」
⑤ 同・一階廊下(夜)
座敷Cを見ている敦之と和之。
敦之「あいつ、どんだけ飲むんだよ」
和之「笊が笊を
その手前、脱衣所から出て来る仁之。
風呂上がりで寝間着浴衣姿。
仁之「(頭を掻いて)ナオの奴」
⑥ 同・一階座敷C(夜)
夜空に月。見えている前庭。その手前、
座敷Cで差し合っている将之と真之。
ずらっと並んでいる一升瓶。
仁之の声「一升までは
第四回『さらに、酒』終
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