第10話 ステータス(前編)


 ここで10人全てが出揃ったわけだが、、、

一人一人キャラが濃すぎはしないか?俺が霞んで見えるんだけど、、、


 「わぁ〜!!ヴァン!!この人たちキャラ濃いね!!みんなと遊ぶの楽しみだなあ〜」


 ……ほんと呑気でいいよな〜こいつは、、、


 「で、誰から自己紹介する?」


 まあ、ぼちぼち始めないと収集がつかなくなりそうだし、俺から……


 「わたくしはアナフィですわ!才能は水魔法・小ですわ!」


 大声で言い放ったのは、アナフィという茶髪のお嬢様(仮)。……ちょっと待てよ、、?水魔法・小って、、魔導・小ではなく、、?


 魔法の才能は、才能こそに段階はあれど、各属性魔法のみの才能などはなかったはずで、どの魔法の才能の持ち主でも、そして仮に魔法の才能が無くても、全属性使えるのが当たり前になっていた。この言い分だとアナフィは、水魔法しか使えないことになる。それはどのくらいのハンデか。考えなくてもわかる。


 周りを見渡すと、俺と同じようなことを思ってる人はいるようだが、なんともない反応をしてる人もいて半々と言ったところだろうか。……なぜ、半々?


 「みんな驚くかと思いましたけど、何人かは平然としてらっしゃるんですわね。なら、まあそういうことなんでしょうね」


 ……ああ、なるほど。


 「ああ、俺はディック。才能は飛剣・小だ。そこのアナフィと同じ飛剣しか使えない、クズ剣士だよ。そんでそこにいる妹が…」


 「こんにちは。私はそこにいるディックの妹でカレンと申します。才能は物体創造・小です。世間の創造と違って、両手で収まるくらいの小さな物しか作れない。残念な才能です。。」


 ……兄は剣士なら誰でも使えるという飛剣のみしか使えないというディック。身体はしっかりしていて、見事な肉体美だ。日頃から鍛えてるのは見てとれた。


 妹のカレンのほうは、創造の才能持ち自体が少なく、もちろん作るものには色々は制限はあるが、期待されていい才能のはずだ。

 だがそれは創造のある程度の万能性にあって、手のひらサイズのものしか作れないとしたらいくら熟練度をあげても大した物は作れないだろう、ということか。


 「はいはーい!僕はフラン!!才能は短剣術・小だよ!!こんなにみんな小の集まりなんて、ケルベロスのみんなは何を考えてるんだろうね!?」


 フランは短剣術か。。短剣を使用する技ならなんでもできるのだろうが、小。この小というのが問題だ。


 今4人の持ってる才能、水魔法、飛剣、創造、短剣術、いずれも小だった。才能の本にある通り、才能は成長する。なので使い続ければある程度の強さはつけられるものだ。


 しかし、稀に才能の後についてる小の文字。これは大、中、小とあるわけではなく、小だけが確認されており、それも10万人に1人ほどの確率らしい。この世の人口が何人かはわからないが、それほどまでの希少さ故、全てが明らかになったわけではないが、、、

 この小の字がついてる才能は伸びしろがほとんど無いのだ。使い続けてもある程度の強さになると何かの壁に阻まれたように、成長が止まる。それもほかの最低な才能持ちの半分ほどの強さで。


 それが理由で小の才能持ちの人間はその才能を使うことはない。人はみんな才能を複数持っているので、他の才能を生かしてその先生きていくのだ。


 だから、この4人も他の才能が立派なものなのだろう。


 「フラン、ディック、カレン、アナフィ。君たちの他の才能は?」



「ん?そんなの(ないよ?(ないぞ?(ないですわよ?(ないですよ?」



 …………オーマイガー。。。

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才能なし判定された少年が世界を制す @asahiraito2563

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