第8話

俺の手には、一つの手紙がある。

さっき、ツイトと名乗る謎の男が、この手紙を俺に渡してきたのだ。

なにか宛先とかが書いてあるわけではなかった。

とりあえず俺は、座れるところを見つけると、そこで手紙を開くことにした。

ちなみに、時間を止める魔法はもう解除している。

「さてと......」

俺はちょっと怖がりながらもその手紙を開けてみることにした。

「ええと......?」

その手紙の内容とはこうなっていた。


『どうやって死んだと言われていたライア様と出会ったんですか!?そ、それに、なんか仲がいい感じにも――ってそうじゃないです。ライア様には、妹が二人いるそうなんです。だから、まずはそのたちに会ってきてください。

――レンリー』


「......なるほど?」

分かったような分からないような感じになっている。

「どうしたの?」

向い側では、頬杖をついてニコニコしているライアがいた。

「あー、その、ライアってお姉さんとかっているの?」

一応本人に聞いてみようと思った。

「うん、一応いるよ」

「一応?」

おうむ返しでライアに質問をする。

「なんていうかさ、妹と言えば妹なんだけど、実の妹じゃないっていうか......」

「親戚的な感じ?」

「......そう、だね」

ちょっとあやふやな感じでそう言うライア。

まあでも、この手紙の通り、一応妹らしき人はいることは分かった。

......ライアの家に行ったとき、ライアがそんなことを言っていた気がするんだが......まあいいか。

「それで、その人たちはどこに?」

なぜライアの妹に会わないといけないのか分からないが、レンリーの言う事に従おうか。

「んー......多分、この場所にはいない気がする。別の村と言うか、町というかさ」

「この世界って、いろんな街とかで構成されてんのか?」

「うんそうだよ。あたしたちがいる街以外にも、たくさんの集落とかがあるんだー。その一つ一つの場所に女神とかがいるんだ。そしてその街全部を収めているのが、王様っていう訳さー」

「なるほど......勉強になります」

「それで、君はあたしの妹に会いたいんだよね?そんなら、さっさと行こうか」

ライアは詠唱を唱えると、別な場所へと移った。







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死んだと言われていた王となぜか出会ってしまった らかん @dipper36

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