天長節

八隅やすみあま日御子ひのみこれましゝ日をやすみせしやつこあれ



八隅知之天日御子乃阿禮坐師日乎息世子奴曾吾波



◇短歌



 讓位ありてより天長節も三度に及びぬ。

前帝の御代には降誕節に近きあたりにありしかど、

今上は紀元節に近く、いづれの

至尊かしこきあたりも、慶祝の連なるべき時宜に天降あもしけり。こゝもちむべ彌榮いやさかとぞ。

 但し、今日は俗習なる猫の日の翌日なるをもちて恐れ多しと言はゞ然るべけれど、

畏くも雲居の宸襟しんきん毫末がうまつにも惱ませらるべしとはあらじ。猫屬はむし欣喜きんきせむなほ

人皇の猫帝を兼ねさせ賜へりや否やは知らず。

 何れにても、

一天萬乘之尊あめのしたしろしめすゝめろぎれましゝ日をもちて民草をして勤務つとめに出づるを停止ちやうじせしめいこはしめ賜ふ恩寵おぼしめしを思はゞ山よりも高く海よりも深しと申すべく、誠にかたじけなし。

              臣飄乎誠惶誠恐頓首頓首死罪死罪謹言。






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