荒磯

侘しくも荒磯ありそのうらに人を波寄すと見しかどくだくるまゝ



◇短歌



 自ら詠める歌のことわりを解くあさましきわざを再び。

 「侘しくも荒磯」は「侘しくもあり」と「荒磯ありそ」とを掛く。

 「うら」は「浦」と「うら」とを。

 「人を波寄す」は「人を無み」と「波寄す」。

 萬葉の調しらべには非ずて、江戸派じみたる臭味しうみ漂へるが如きは、余の自嘲せる所也。御笑覽あれ。



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