拜大山祇御陵

 拜大山祇御陵畏作賦おほやまつみのみさゞきをおろがみかしこみてつくれるふ一首いつしゆあはせて二絶にぜつ



朝月の日向ひむかの國の神寂かむさぶ齋殿原つきどのはる

遠近をちこちに塚をまねみと塚〻つか〴〵經廻へめぐれば

とほしろき二丘ふたおかの塚ぬさ立てゝ眞榊まさかきを立て

大神おほかみ御調みつきもころゐやびたるさまにしあるを

此塚このつかたれかもやす

皇神すめかみしづまりますとふみいたしるさく見れば

かしこしや

神のみこと山津見やまつみ

大山祇おほやまつみ奧津城おくつきをろがむなへに

腹朱はらあかほゝしもくろひたきらもめぐきたりて

あり立てる木を經廻へめぐりて

此方此方こち〴〵末枝しづえひういつまはく

其樣そのさましとし見れば

さはからすきた八十烏やそがらす百烏もゝがらす寄り

五百枝千枝いほえちえ常葉ときはを振りて

かひ打羽振うちはぶ賑賑にぎ〴〵いはまつれる

此日このひこそむべ好き日なれ

雲も無く空霽渡はれわたりうら〳〵に日も照りわた

冬と言へどあたゝけき日を

いにしへの神のみこと現代うつしよ妻夫めをも鳥らも

うながけりほゝしも寄せてうらぐ日を常にもがもと

山津見やまつみ御陵みさゞき打寄うちよりて打俳うちたゝずみて

彌和いやのど彌莧いやにこゝにと時じくも久しくあらな

永遠とことばに常にありこそ常盤堅磐ときはかちは



若草の都萬つまやしろ御陵みさゞきに到るみちそもいにしへの徑


しき逢初川あひそめがはの水のつききずかふを見れど飽かぬかも



◇長歌幷短歌


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