勿爲

語止ことやめし松の片葉かきは言問ことゝはゞたかまつ浦のすなとしらな



◇短歌



 自ら詠める歌のことわりを解くはあさましけれどあへて。

 思へりしをあらはさむとて詠みし謌にあらず。ことたはぶれを爲さむとて作れるぞ、これ。

 「たかまつ浦」とあるは「高松」と「か待つ」を掛け、「すな」は「砂」と「勿爲すな」とを掛く。

 「浦」と「砂」とは緣語なり。

 「松の片葉かきは」とあるも、大祓の祝詞に見ゆるは「草の片葉」なれど、「たかまつ」と韻を同じくせむとて「松」とせり。




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