第116話 根回しと思い出したくないあいつらの処遇
夜明けまでがっつり指導したリカルドは餞別にと手持ちの布で簡単なマントを作って男に羽織らせ送り出すと、路地裏と札との接続を切って館を閉めた。
そしてシルキーに通信の魔道具で戻るのが遅くなるかもしれないと伝えると、誰も居なくなった占いの館で机に肘をつき、さてどうするか……と思案した。
荷物ぐらいは回収して男の手に戻したいと思うのだが、今の男の精神状態ではそれはあまり良い手ではなかった。荷物が手元に戻れば男は一応嬉しくは思うが、元パーティーメンバー達が素直に返却するとは考え難く、そんな状態で顔を合わせてしまったら絡まれるんじゃないか、また何か言われて取られるんじゃないかとそちらの不安の方が優ってしまうのだ。
(まぁなぁ……理屈が通じない相手って怖いし関わり合いになりたくないよな……)
こんな仕打ち、理不尽具合で言えば通り魔と変わらないもんなと頬杖を付きながら嘆息するリカルド。
(でもそのままっていうのもなぁ…………やっぱ回収しよう。返却は……時間を置けば問題ないってわかるかな? ある程度精神的に落ち着けば理性的に考えられたり……大丈夫そうだな)
(返却タイミングは……根回しも混みで先方に頼むか。
あとは元パーティーメンバーに二度と絡まれないようにしておきたいところだけど、やってる事は犯罪ってわけじゃないからな。どこかに突き出したところで仲間内の事だって相手にされないし……)
うーんと悩み、いっそ魔族領にでも飛ばすか?と、生ゴミを捨てる感覚で
そうと決まればさっさとやってしまおうと必要な物を準備して狐面を被り、時を止めて元パーティーメンバー達が定宿にしている宿へと転移。寝ている男達の部屋の隅にあった荷物を回収し、そしてそこに荷物そっくりなナニカを置く。それから念のため男達にもちょっとした仕掛けを施し、とある薬屋へと転移した。
転移した先はリカルドの家よりも小さなキッチンで、30手前ぐらいの麦穂色の髪の女性が寒そうに肩にケープを掛けて鍋を火にかけ中身を温めているところだった。
いきなり室内に現れるのは失礼だとリカルドも承知しているが、日が上ったこの時間帯、結構な人間が起きて朝の支度をしているので狐面を被った状態で外から戸を叩くとかなり怪しいのだ。しかも店の入り口が道に面しているため人目に付きやすい。
という事でなるべく部屋の隅、女性から離れた場所に移動してからリカルドは時を戻した。
「朝から失礼します」
「っ!?」
リカルドがそっと声を掛けると女性は驚いてお玉を持ったまま振り向いた。
「だれ?!」
「初めまして。以前こちらに料理人の方を紹介させていただきました占い師です」
大きな声を防音魔法で外に漏れないよう防ぎ、お玉から飛び散ったスープも魔法でこっそり綺麗にして、両手を上げたまま頭を下げるリカルド。
「外から戸を叩くと人目につくので、失礼を承知でこのような形を取らせていただきました」
勝手に入って申し訳ありません。と謝罪すると、女性は胸の前に構えていたお玉はそのままに、少しだけ警戒度を下げた。
「占い師……という事は、あなたもしかしてあの薬の?」
「はい。熱波病の治療薬の製法を書いた者です。その節はお世話になりました」
女性は探るようにじっとリカルドの狐のお面を見つめ——やがて溜息をつき、若干の嫌味を込めて返した。
「顔を隠す必要がある程さぞかし名のあるお方なのでしょうけれど、しがない街の薬師にとんでもない薬の製法を教えるのはやめていただけませんか。王家から通達が来た時には生きた心地がしなかったのですよ?」
現在、熱波病の新しい治療薬は
リカルドは王太子が何かの形で片をつけようとしている事までは把握していたが、それによる薬師達への影響までは知らなかった。なので女性の言葉を聞いても、何かあったのかな?程度にしか思わなかった。いつも通りの呑気さである。
ちなみに巻き込まれて製法を知ってしまった女性――ディアナは『占い師に言われて来た客から聞いた』などと到底信じて貰えないとは思ったが、隠しておく方が恐ろしいと正直に薬師ギルドの師匠経由で報告し、その結果丸三日の聞き取り調査を受けたうえ口外禁止の誓約を師匠ともども受ける羽目になった。ついでに念のためと本人は知らぬまま密かに身辺調査を受けたりもしている。
ディアナからすればリカルドに指名された事は迷惑以外の何ものでもない。患者を救う薬を渡せたのは良かったと思っているが、製法を知ってしまった事によるごたごたの心労が酷くて、その自称占い師に対してはもう関わり合いになりたくないなと思っていた。残念ながら本人に突撃されるという不幸を今味わっているわけだが。
「お手数をお掛けしたようで申し訳ありません。本日もまたお手数をお掛けする事になるかもしれず恐縮なのですが」
「え」
「まずはこちらをどうぞ」
またなの?と別の意味で警戒するディアナに気づかず、準備していたメモを取り出し差し出すリカルド。
ディアナは暫し差し出されたその紙を見つめていたが、見てしまう事のデメリットと自分の知らない薬かもしれないという好奇心とがせめぎ合い、厄介ごとかもしれないとわかっていても結局手を伸ばしてしまった。悲しいかな薬師の職業病である。
「……これ」
「熱冷ましの製法です。今主流のものよりも安価に出来ますし、胃が荒れる副作用も少なく小さな子供にも使えます」
ディアナが見る限り熱波病の薬の製法に比べればそう難しい事は無く、材料も特別なものはない。ある程度の修練を積んだ薬師であれば誰でも作成出来そうだった。
「これを作って売り出せという事ですか?」
薬効が本当であれば、普通に売り出せば熱波病の治療薬という特殊なものとは違い、誰に咎められる事なく簡単に利益が出るだろうと思うディアナ。それ故に、何故これを自分に作らせようとするのかが解せなかった。自分で作れば利益も出るだろうし、有益な薬を開発したという実績にもなる。
「いえ、それをどうするかはお任せいたします。それはこれからお願いする事の対価ですので」
「対価……?」
対価だったらもう見てしまったので絶対に引き受けねばならないという事?と、これは脅迫されているのだろうかと首を傾げるディアナ。けれど脅迫にしては
「断っていただいても構いませんが、とりあえず話だけでも聞いていただけませんか?」
拒否してもいいと言われ、ますますよくわからなくなるディアナ。それではこの占い師を名乗る男は製法を見せただけの損になってしまう。それとも見せる事自体が目的なのかしら?と考えてみるが、それもしっくりこない。
「……聞いてみない事には何も言えませんから」
迷ったが、そう悪い人では無いという己の直感を信じてディアナはどうぞと頷いた。
そうして凍死しそうになっていた冒険者の話を聞いたディアナは、まず最初にこの人本当に占い師だったのねという感想を抱いた。
熱波病の治療薬に続いてこの熱冷ましなど、本職の薬師であってもそう簡単に開発する事は出来ない。新しい薬を作るというのはとても難しいのだ。
だからこそ占い師というのは仮の姿で、どこか大きな組織――それこそ国に所属している名のある薬師だと思っていた。その立場故に自由に動く事が出来ず、しがらみのない街の薬師の自分のところへと患者を来させたのだと。
「……事情はわかりましたが、いきなりやってきて言われても普通は面倒見ますなんて即答出来ないですよ? それにこういう取引材料も最初に見せるものじゃないでしょう」
些か呆れて指摘するディアナに、それはそうなのですがとリカルドは苦笑した。
「突然お邪魔した事で精神的負担を強いている自覚はありますので、何より誠意が大事かと思いまして」
リカルドの言い分にディアナもつられて苦笑した。
話の内容が本当かどうか真偽はつかないが、少なくともこうして真面目に話をしようとする姿勢から確かに誠意は感じられるかなと。
「薬師の一人としては、偶々やってきた客の為にあっさりこんな有益な薬の製法を差し出すなんてと思ってしまいますけど」
苦笑に加えて気になっていた事をディアナが言えば、リカルドは言葉に詰まった。
リカルドからすると、ただ
その声が小さくなる様子に、一応おかしな事をしている自覚はあるみたいねとディアナはホッとした。何でも無い事だと言われたら、本職の薬師としては立つ瀬がないところだった。
「わかりました。その方については引き受けます。ですがこの薬の製法については薬師ギルドに報告させてもらいます。宜しいですか?」
日常使い出来そうな薬を個人が独占するものではありませんから。と律儀に話すディアナに、もとより深く考えず製法を差し出したリカルドはどうぞお任せしますと頷いた。
「出来れば貴方の連絡先を教えていただきたいのですが。薬で何か問題があった時、確認を取りたいので」
「ではこちらをどうぞ」
と言って札を渡すリカルド。居場所を教える訳にはいかないが、自分が渡した製法で問題が起きた場合、確かに無視するわけにもいかないかと思ってだ。
「これは……?」
「私が営んでいる占いの館に直接転送する装置です。
来店可能なタイミングでその札が光りますので、光っている状態で行きたいと念じていただければ転送します。これを連絡手段としていただけないでしょうか」
「……まぁ、わかりました」
半信半疑、普通なら承知しかねるが。というニュアンスを多分に含んだ『まぁ、わかりました』であったが、承諾して貰えたのならなんでもいいリカルド。やっぱりダメと言われない内に今回の訪問の目的だったものを取り出して、これもお願いしますと差し出した。
黒い小さな袋を差し出されたディアナは反射的にそれを受け取り、受け取ってからこれは?と疑問を返した。
「中にその方が奪われた荷物が入っています。今返すと元パーティーメンバーがまた取りに来るのではと不安がるので、落ち着いた頃に返してあげて貰えますか?」
「荷物が入ってるって……」
自分の掌に収まる小さな袋を見て、それが意味するところを悟り一瞬言葉を失うディアナ。
「それはつまり、空間魔法が付与された魔道具という事ですよね? そんな貴重なものをその元パーティーメンバーは奪ったのですか?」
それはさすがに冒険者ギルドでも問題になるのでは?と眉を顰めるディアナに、あぁ違いますとリカルドは手を振った。
「入れ物は私の私物です。使い道はありませんから、荷物の返却後はご自由にお使いください」
「ご自由に……」
「それでは私はこれで失礼します。真面目な方ですから問題を起こすような事は無いと思いますが、何かありましたらその札でお越しください。対処致しますので」
では。と目的を果たしたリカルドは頭を下げてさっさと転移で占いの館へと戻った。
残されたディアナは、思いがけず手に入ってしまった魔法の袋に暫く固まっていたが、戸口を叩く音で我に返った。
一方、館に戻ってきたリカルドは狐面を外して姿を日本版に戻し、のびーと身体を伸ばすと、朝ごっはん朝ごっはんと口ずさみながら階段を上っていった。
完全にお仕事完了、寛ぎモードである。
だがそうやってリカルドが遅ればせながら朝のルーチンをこなし朝ごはんを食べている頃、元パーティーメンバーのところではリカルドが置いた荷物のようなナニカが発動していた。
かさかさ……。と、最初に目を覚ました男はその音を聞いた。
咄嗟に枕元に置いていた剣を取って跳ね起き片膝立ちで構えるが、部屋には相部屋となったもう一人のパーティーメンバー以外誰も居ない。
不信に思いつつ寝ている仲間を起こし、ずっと聞こえている音の発信源を探して――気が付いた。床の上に無造作に放っておいた、昨日放り出した男の荷物から聞こえていた。
微かに中が動いているように見え、思わず仲間と顔を見合わせお前が開けろよと無言の応酬をした後、どちらともなく隣の部屋にいるもう二人の仲間を呼んで来た。
そしてメンバー四人が揃って荷物から間合いを取り、誰が開けるかで揉めて結局力関係の一番弱い者が渋々とにじり寄って恐る恐るその荷物袋の口を開いた。
その瞬間、そこから黒い霧が吹きあがり一瞬にして部屋に充満した。
男達は驚いてすぐさま部屋から出ようとした。が、ある筈の部屋のドアが無い。黒い霧に覆われた中で手を伸ばしても何にも触れず、そんな馬鹿なと前に進んでも壁にぶつかる事も無い。思わず二歩三歩と歩き、走り出しても黒い霧が広がるばかりで何かにぶつかる事が無かった。
一人が走れば他の者も取り残されたくなくて慌てて走り出す。そんな男達の後ろで地面から亡者が次から次へと這い出ていた。
一人が呻き声に気づいて後ろを見て悲鳴を上げ、先を走る男達もその悲鳴で後ろを見て、がっつり亡者を目にしてしまって完全に理性を無くした。
それぞれがそれぞれ、己が助かる事だけを本能的に選んでがむしゃらに走った。しかし身体のいたるところが腐り落ちている亡者は男達に追いつくと、男達の足や腕を掴んで呻き声をあげながら恨みつらみを吐き出した。
なぜあんな場所に置いていった。なぜあの時助けてくれなかった。なぜ約束を破った。なぜあんな仕打ちを。
聞き覚えのあるその声に男達はハッとして亡者の顔を見て、ひきつけのような息が漏れた。腐り落ちかけたその顔は、かつて自分達が使い潰した者達の顔だった。
そこからはもう阿鼻叫喚。助けてくれ、赦してくれ、俺がやった事じゃない、あいつがやれって言ったんだと、泣き叫びながら必死に亡者を引き剥がそうと藻掻くが、次から次へと涌いて出る亡者に飲み込まれていった。
尚、これは全て夢である。
現実では荷物の口を開いたところで男達は夢に囚われ、その場で倒れている。
リカルドは己がされて嫌な心霊現象で男達に精神的楔を打ち込む事にしたのだ。人にされて嫌な事をしていくイイ性格の
ちなみに、きちんと楔になるよう男達が共通して恐怖を覚えるという条件で幻覚内容を検索したので、選定したリカルドもそこそこのダメージを喰らったのはご愛敬。
夢の中で亡者達に絞殺されそうになったところで男達は現実に戻され、かはっと息を吐き、咳き込むようにして身体を起こした。
どうにか息が整ったところで夢だと気づいた男達はホッとして――お互いの首にはっきりと残っている手の跡を見てザッと蒼褪めた。そして反射的に荷物の方に目を向けた瞬間、その荷物はどろりとヘドロのように溶けて形を無くし、黒い霞となって男達の方へと漂い――男達は叫び声をあげて部屋から我先にと駆け出した。宿屋の従業員が驚いて声を掛けるのも無視して押しのけ、そのまま宿を飛び出し向かった先は教会だ。
まぁ残念ながら教会に駆け込んだところでリカルドが仕掛けたのは精神魔法を組み合わせた幻術。呪術でも死霊術でもないので、解く対象が無い。
一応、念のためとして一定の条件下で発動する仕掛けも仕込まれているが、それも今の段階では呪いにも何にもなっていない状態なので、例え鑑定をされてもわからないようになっている。
教会としては何も無いのでどうぞお帰りくださいとしか言えないわけだが、あの男達がそれを素直に聞き入れる可能性というのは低く、教会騎士に捕まり警邏へ引き渡されるのはほぼ決まっている未来である。
その後は脳裏に刻まれた亡者の姿に悩まされる事になり、不眠によるパフォーマンスの低下、精神の不安定からくる連携の悪化でパーティー解散の可能性が高くなってくる。ただし、可能性が高いだけで必ずそうなるというわけでもなく、その辺は男達次第なところがあるのだが、まぁ少なくとも薬師として再起しようとしている男を邪魔する余裕は無い事だけは確かだった。
リカルドはいつも通り朝ごはんを終えて樹が出掛けるのを見送り、さあ今日はどうするかなーとのんびり居間のソファに寝転がった。
と、気配を感じてすぐに身体を起こし地下の占いの館へと転移した。
「魔力が足りなくなったか?」
リカルドが足元の影へと声を掛ければ、そこから蝙蝠が一体現れ、パタパタとテーブルの上に降りた。
〝ええそれもあります〟
「何かあったのか」
〝暇すぎて死にそうです〟
じゃ死んどけよ。と身も蓋も無く思う塩対応のリカルド。
監視要員であるクロが居ないといろいろ困るのはわかっているが、それでもクロにやられた嫌がらせを未だ忘れていない女々しいリカルドである。
しかも魂のラインでその辺の感情が駄々洩れなまま思うのだから、クロの方も蝙蝠の身体を震わせて笑った。
〝というのは冗談で、もうそろそろ決着がつきます〟
「……つくのか。決着」
吸血鬼と天使族の全面戦争は、なんだかんだで始まってからもうひと月程経とうとしている。それだけやれば確かに決着がつくのかも知れないが、出来ればつかないで欲しかった……と、椅子に座り込むリカルド。
〝どちらが勝つのかお聞きにはならないので?〟
「天使族だろ?
〝まぁそうですね。あれからいい勝負に持ち込んではいたのですが……そろそろ始祖が貪られるでしょう〟
「貪られ……?」
不穏な言葉に、こと天使族に関しては比喩ではなく直喩の可能性が高い言葉に、嫌な予感がするリカルド。
〝喰らっておりますよ。
リカルドは天使族が作り出した人体の部品と臓物の地獄絵図がフラッシュバックして、思わず口元を押さえた。
「……なんだってそんな事を」
〝
「……
〝
それで本当に力が増せばやる意味もあるでしょうが増えているようにも見えませんし、相手が弱かろうが強かろうが貪っておりますので。と補足するクロに、頼むからその辺の詳しい話をするのはやめてくれとリカルドは首を振った。
〝あと数日もすれば私を除く吸血鬼は全て消滅するでしょう〟
「そうなったら止めてくれよ」
〝そのつもりではありますが、考えてみるとずっと私が相手をしているというのもつまらないんですよね〟
蝙蝠の小さな口で何かを企むように笑みを浮かべるクロ。
〝天使族、あれを自由にする許可をいただけませんか?〟
「何をする気だ何を」
絶対碌な事を考えてないぞコイツと警戒するリカルドに、クロは大した事じゃありませんと器用に蝙蝠の姿で肩を竦めた。
〝せっかくなので吸血鬼にしてみようかと思いまして〟
「……天使族を?」
〝ええ〟
「出来るのか? っていうか、出来るなら始祖がやってそうなものじゃないか?」
〝いいえ。始祖は人間の貴族でしたから、ああいう野蛮な相手を仲間にしようとは思わないのですよ〟
「やられかけてるのに?」
〝美的感覚が何よりも優先されるので〟
真祖(始祖が吸血鬼化した相手)は全て貴族の出ですし、その見た目も始祖好みでしたから。と話すクロに、その始祖って奴は馬鹿じゃなかろうかと思うリカルド。
何にせよ今は天使族の処遇についてだと思考を戻す。
「まぁ出来るなら……」
やってもいいけど。と言い掛けて、いや待て。本当にいいのか?とリカルドは踏み留まった。
一度吸血鬼化すると完全に元に戻す事は難しい。念のため
魔族領側ではちょっと影響がありそうな気配もあったが、虹龍がいるおかげでこちらに波及する事はなさそうだった。
じゃあまぁいいかなと思うリカルド。
「
〝ではそのように〟
あ、魔力の供給お願いしますね。と言って影に消えたクロに、はいはいとリカルドも魔族領へと飛んで潜んでいるクロ(本体)の頭を掴んで魔力を補充すると、さっさと家へと戻った。
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