第106話 謝罪訪問(2回目)

「で、と」


 魔道具を仕舞ったリカルドは時を止め、今度はルゼの様子を確認した。

 今は依頼を終えアドーシャ側の関所の手前にあるセルラーという町に向かっている最中のようで、移動時間短縮のために近道の山道をパーティーメンバーと共に歩いているところだった。

 なるべくならルゼだけに話をしたいところなのだが、少し先を調べてみても常にメンバーで固まって行動しているため一人になるタイミングが見受けられず(トイレでは少し離れるもののその時にどうも〜と顔を出すのはさすがにマナー的にどうよと思われ)、じゃあもうメンバーに見られてもいいから早くやってしまおうとリカルドは謝罪訪問をする事に決めた。


 よいしょとベッドから立ち上がってグリンモア版の姿を取り、狐の仮面を被ってついでに魔導士風のマントを作って羽織ると、彼らが歩いている少し前方へと転移して時を戻した。

 

 最初にリカルドの姿に気づいたのは先頭を歩いている剣士風の男だ。

 金茶の髪を後ろで縛った二十代そこらと思われる男は足を止め警戒するように剣の柄に手をかけ、もう一方の手で後ろの仲間を止めるように斜め後ろに伸ばした。

 手ぶらの魔導士が一人山道に居るというのはおかしいし、その相手が面妖な仮面を被っていれば警戒するのは当然である。

 リカルドもそこは理解しているので両手を上げて敵意が無い事を示した。


「突然押しかけて申し訳ありません。グリンモアで占いの館を営んでいる者ですが、そちらにおられるルゼさんに話があって参りました」

「ルゼに?」


 すこしザラついた声の剣士風の男は、リカルドに意識を向けたまま視線を後ろへとずらした。その視線の先には、元々大きな目をさらに大きくしているルゼの姿があった。


「お久しぶりですルゼさん。約束を破ってしまい申し訳ありませんでした」


 そう言って頭を下げたリカルドにルゼは、あ……と声を出して、そしてそれ以上言葉が出なかった。

 その内心を一言で表すなら、びっくり、だ。

 見限られていたんじゃなかったのか?とか、ラドと連絡を取ってからまだ一日と経っていないのにとか、そういう疑問はあるにはあったが、それよりも自分との約束を破ったというの事で魔神(違う)という遙か上の存在が(どちらかというと上というより墓の下にいそうな存在だが)頭を下げた事に驚いていた。


「本当だぞ。約束しといて破るとかどうなんだよ、ルゼはずっと待ってたんだぞ」


 そしてフリーズしたルゼに代わって、リカルドの狐面姿を見た事があったアイルが約束の相手だと気づいて不満を全面に出し文句を言った。


「っ! 別に俺は——」


 生来の性格から反射的に待ってない!と言おうとしたルゼだが、その前にアイルがその細い肩に腕を回して言葉を封じた。


「なぁルゼ、約束破られたんだから何か要求したらどうだ?」

「……は?」

「こういう時に要求しなくちゃ損だろ?」


 あくどい笑みを浮かべて唆すアイルに、魔神(違う)相手に要求するなど考えてもみなかったルゼは言葉を失くした。

 

 ちなみに全部リカルドに丸聞こえである。ハインツお宅のお弟子さんしっかりしてますね、と内心半笑いだった。


「要求って……そんな」

「もっと力が欲しいとか言ってたじゃん。そしたらすごい魔法教えてもらえばいいだろ?」

「それは……もう教わってる。俺が出来ないだけで……」


 ルゼは小さな声で悔しそうに首を振った。

 幾ら練習をしても前回の訓練で明示された二十もの魔法の同時使用は難易度が高く、絶対にものにしてやると意気込んでやればやる程どんどん数は減っていってしまい、最初に出来ていた十が今では頑張っても六、七がやっとな状態だった(それでも一般的には十分凄い)。だからこそ出来の悪い自分の事をどこかで見ていて、見込みが無いと見限られたのではないかとルゼは思ってしまったのだ。


 落ち込むように顔を伏せるルゼに、あぁもうとアイルはルゼを放して今度はリカルドの方に近づいた。

 あぁ自主練が上手くいってない感じなのかと事情を察していたリカルドは近づくアイルに気づいて何でしょうかと首を傾げ、だが無言で腕を掴まれ数歩先へと連れて行かれ、戸惑っている他のメンバーと少し離れたところで襟元をぐいっと引っ張られた。


「あいつプライド高くて言わないと思うけど、あんたが来ない事をかなり気にしてたんだからな? それこそ依頼を受けてる最中も集中力を欠いてヘマしそうになるし。だから貴重だったけどコレまで使ったんだぞ」


 と言って顔を寄せたアイルが仲間に見えないように懐から取り出したのは、なんだかリカルドには見覚えのある小瓶だった。


 ちなみに身を屈めるように顔を突き合わせている二人の後方では、視線を上げたルゼがアイルの傍若無人な所業に気づいて咄嗟に一歩踏み出し、そのまま固まっていた。

 リカルドの正体を知っている(と思っている)ルゼからすると、そんな襟元掴むとかなにしてくれてんのお前!?とアイルを止めたいのだが、今までの自分もそういう事を平気でしていたので止めるのも不自然な気がして動くに動けず、というジレンマ状態だ。

 そしてそんなルゼのジレンマなど気づきもしない二人のこそこそ話は続く。


「安らぎの雫って言うの、あんた知ってる? 精神を安定させる薬なんだけど」

「……えぇ、まぁ」


 知ってるか知らないかで言えば、とてもよく知っている作成者リカルド


「これ聖樹から零れる雫を使ってるすげぇ貴重な薬なんだよ。おいそれと手に入るようなもんじゃないの。それを使わせたって事、わかる?」


 仰々しく、そして恩着せがましく言ってくるアイルだが、リカルドとしては一発芸で大量に入手した素材で作る品の一つなので何とも返答がし難かった。


「これに値するだけの事をあいつに返してやれる? それなら俺は何も言わないでやるよ」


 リカルドの服から手を離し、腕を組んで斜に構えたアイルにリカルドは考えた。

 それに値するだけの事=聖樹に宿る精霊に素材を貰う方法=一発芸。と瞬間的に浮かんだ式をいやいや違う違うと打ち消す。さすがにここで一発芸をすればよいという理論展開が無いのはリカルドもわかる。

 そしてアイルがアイルなりに自分より年下のメンバーの肩を持って行動しているのもわかるので(あれだけ大好きなハインツに使う筈のものをルゼに使っている時点で相当心配したのが透けて見えるし、使った対価を自分ではなくルゼに返せと言っている事からもルゼへの思いやりを感じた)、リカルドは頷いた。


「約束を破ったお詫びは必要だと私も思っています」

「あ、言ったな?

 ルゼ! 良かったな! なんでも一つ言う事聞くって!」

「あ、いえ、何でもは——」


 そこまでは言ってないと待ったをかけるリカルドをアイルは睨んだ。


「何だよ。詫びはするって言っただろ? それとも違うのか?」

「いえ、それはそうですが」

「だったら潔く――」

「――アイル! お前は黙ってろ、これは俺とこいつの問題だ!」


 さすがにこれ以上喧嘩を売るのは不味いとジレンマを振り切ったルゼ。駆け寄ってアイルの襟を掴み止めようとした。が、悲しいかな純粋な魔導士であるルゼは剣士であるアイルに力で勝てない。掴んだ手を逆に掴まれて反論された。


「なんだよ、お前が何も言わないから代わりに話してやってんじゃん」

「う、うるさいな! 俺にだっていろいろ都合があるんだよ!」

「都合? 都合ってなんだよ」

「もう何でもいいだろ! いいから黙ってろよ!」

「なんだよ、お前やっぱこの間からおかしいぞ」

「いいよもうおかしくて!!」


 マジで黙れよこの派手頭!と思うルゼ。

 お前はこの目の前の存在がどんなものかわかってないからそんな態度が取れるんだよ!と言いたいが、本人を目の前にして魔神なんだよ(違う)とは言えないし、酒が入ればぺろっとしゃべってしまいかねないアイルになんて口が裂けても言えないと喉の奥に真実(誤認)を押し込めて大きな目で必死に、黙れ!と訴えるルゼ。


 そんな目の前で繰り広げられるルゼの必死の訴えを、あーこのぐらいの年頃って横から口出しされるのが嫌だもんねぇと見ていたリカルド。呑気である。


「あの、あちらの方々が困っておられると思うので、ひとまず歩きながら話しませんか?」


 とりあえずいつまでも二人のじゃれあいを見ているわけにもいかないかと、社会人としてその場に足止めしてしまった事を残り二人のメンバーにすみませんと謝りそう提案した。


「わかった! そうしよう!」


 アイルに余計な事を言われてなるものかという勢いでルゼが真っ先に同意し、あぁまぁいいけどとアイルも同意して、残る二人も顔を見合わせ、しかしどうしたものかと悩むように無言になった。


「大丈夫だって、こいつラドの知り合いだから」

「ラドバウトの?」


 気楽な調子で言ったアイルの言葉に剣士風の男が反応した。


「そ。口止めされてるから詳しい事は言えないけど、ちょっと世話になった事があるんだよ。こんな変な仮面付けてて見た目は怪しいけど」

「口止めってお前……その時点でこっちは怪しむって」


 呆れた口調で剣士風の男は言い、どうする?ともう一人の大柄な男に視線を向けた。


「まぁ、ラドバウトの知り合いだって言うならいいんじゃないか? それに言っても魔導士一人だ。この距離なら何も出来ないだろ」

「あー……それもそうか」


 何も出来ないのはこっちだよ!と思うのはルゼ一人。

 内心ハラハラしながら、表面上はむっつりした顔でリカルドが機嫌を損ねて無いか窺っているが、リカルドの方はやっとすっぽかされた怒りが出て来たのかな?とそのむっつり顔を見ながら思っていた。


「じゃあアイル、先頭を任せた。その次に俺が入る。あんたはその後にルゼとついて来てくれ」

「わかりました」

「ドーナは後ろを頼むな」

「あぁ」


 指示を受けてリカルドは頷き、ルゼと仲良く歩く事になった。

 ちなみにこのアドーシャ王国は冬になってもグリンモアより雪が積もらない。なので、冬山ではあるが落ち葉が積もった秋の山のような道だ。

 そこを先頭にアイルが、その次に剣士風の男、その後ろにルゼとリカルドが続いて最後に大柄な男という順番で進む。


「先ほどの話の続きですが、何でもというのはさすがに承諾しかねますが、何か希望があればそれを伺おうと思っています」


 歩き始めて早速、何かありますか?と尋ねるリカルドにルゼは足を動かしながら急いで考えた。まごまごしていたら何となくこの場から消えてしまうような、そんな気がした。

 そして一番に思い浮かんだのは魔法の同時使用を初めて教えて貰った時の感覚だった。今までの自分では有り得ない正確な魔力の動きコントロール。あの鮮烈な感覚をもう一度掴みたかった。


「……じゃ、もう一度あれやって」

「あれ?」

「魔法の同時使用。俺の魔力でやっただろ」


 一生懸命ぶっきらぼうに言うルゼに、あぁと手を打つリカルド。


「それはお詫びじゃなくてもやりますよ。必要な訓練の一環ですから」


 感覚を掴ませるにはそれが手っ取り早いので、いくらでもと返すリカルドに、本当に!?と嬉しさが出そうになって慌てて頬の内側を噛みどうにかやり過ごすルゼ。


「他にありますか?」

「………」


 希望を聞かれると、じゃあ全ての魔法を教えてくれと言いたくなるが、さすがにそれは望み過ぎだろうかと逡巡した。


「……なんで来なかったんだ」


 そうして迷っているうちにルゼの口から零れたのはそんな言葉だった。


「っ! 違う、別に俺は気にしてないからな! 別に! 勘違いするなよ!」


 ハッとして慌てて言うルゼだが、後ろで聞いていた大柄な男も前で聞いていた剣士風の男も、いやどう見ても(聞いても)気にしてる反応だろそれはと内心突っ込んだ。

 もちろんリカルドも同じ事を思ったわけで、ここまで不安にさせてしまった申し訳なさもあって真面目に返答した。


「……ヒルデリアの方で魔族の侵攻があったのはご存知ですか?」

「そんなの当たり前だろ。俺達のクランからも半分以上向かったんだ」


 だからこっちの依頼を受ける奴が居なくてあちこち行かされてるんだと顔を顰めるルゼに、そうでしたねとリカルドは頷いた。


「訳あって私もそちらのサポートをしておりました。当日もどうしてもその場から動けず(龍の胃の中で身を潜めていた)。事前に行くのが難しいと連絡をする余裕はあったのですが……失念しておりました。本当に申し訳ありません」


 一切弁明なしにもう一度謝罪するリカルド。

 その姿に、ルゼは――なんだか泣きそうになってしまった。

 忘れられていたという事が悲しかったわけではない。そうではなく、自分の事を下等な存在所詮人間と侮る事なく一つの個として認識し、正面から相手をしてくれているのがその姿から感じられたからだ。たぶん、自分は見捨てられる事はないんだろうと、そんな風に思えるものがそこにあった。


「別に……俺は気にしてないって言ってるだろ」


 視線を外してぶっきらぼうに言うルゼに、許してくれたのかな?と窺うリカルド。


「……な、なんだよ」


 仮面の向こうからじっと見られている事に気づいて動揺するルゼに、いえとリカルドは首を振った。


「要望がすぐに思いつかなければ、思いついた時でいいのでおっしゃってください」

「………わかった」


 頷く小さな頭に、とりあえず受け入れて貰えたようで良かったとリカルドはほっとした。ルゼの気性ならもう少し揉めるかと思っていたのだが、やっぱりその辺の人を見る目、観察力は俺には無いんだなぁと内心苦笑だった。


「では次の日取りはいつにしましょうか。ルゼさんの予定は決まっていますか?」

「予定は……」


 どうだっけ?と、言葉が止まるルゼ。最近リカルドの事ばかり考えていたせいでまともに仕事の情報が頭に入っていなかった。ここに来るまでも周りに合わせてただ動いていたようなもので、冒険者としては失格レベルの腑抜けっぷりだった。


「次はグリンモアの雪灯狐ヒョウルニルの討伐依頼だぞ」


 前で聞いていた剣士風の男が溜息混じりにそう言い、ルゼは少し顔を赤くして覚えてるしと唇を尖らせた。


「討伐依頼が出されている場所は国境この近くですか?」

「いや違う。グリンモアの西側、ルシェルドの街だ」


 西側……とリカルドは呟いて、それなら移動時間は結構ありそうだなと踏んだ。


「ではルゼさん、数日おきに少しずつやってみるのはどうでしょう?」

「少しずつ?」

「なかなか時間が取れなさそうですから移動の合間、夜の僅かな時間に少しずつ訓練をする形です」


 ルゼは少し考えて、日にちを決めて期間を空けられるより定期的に見てもらえるならそっちの方がいいなと思った。


「それでいいよ……別に」


 とってつけたような別にだが、本気で嫌なら多分そう言うだろうなと思ったリカルド。あとは他のメンバーにも確認がいるかと視線を向けた。


「という事で、少しお邪魔する事があると思いますが宜しいでしょうか?」


 前と後ろに声をかけるリカルドに、そういえばパーティー行動中だったと思い出すルゼ。ラドバウトと組んでいる時はルゼの背景や事情を理解してもらっていたのでそんな前置きというか相談など何もしなくても考慮して貰えていたが、今は臨時のパーティーなのでそうではない。


「ベルノ、許可して欲しい。何かあれば俺が責任を取る」


 ルゼが呼びかけた剣士風の男は、ちょっと驚いて足を止めた。

 もともとルゼが何も言わなくてもいいよと言うつもりだったのだが(ルゼのこれまでの腑抜け具合から、それが原因ならばそうした方がこの臨時のパーティーのためであると判断した)、普段何事もどうでもいいと投げやり気味のルゼがはっきりと要求してくるのは初めての事で随分と意外だった。


「一個確認していいか?」


 ラドバウトが介入していると思われる以上、他パーティーの自分が深く確認する必要はないのだが、ルゼがこうも真面目になる相手という事が気になり気づけば質問していた。


「なに?」

「お前、ザックが師匠だろ? 聞いてたらそいつを師匠にするような話に聞こえるんだがいいのか?」


 剣士風の男の質問にルゼは苦虫を噛み潰したような顔をした。


「こいつはそのザックも指導して欲しがった相手だ」

「「は?」」


 ルゼの言葉に後ろと前で声がハモり、さらに前方から笑い声がした。


「聞いた聞いた、それな。そいつの事ザックさんすげー崇拝してんの。あのザックさんがだよ? いっつも――フン。真髄を知らぬ者どもめ――みたいな事言ってる人なのにさ」


 足を止め、ザックの声真似(似てない)をしてけらけら笑うアイル。その話を聞いた大柄な男はピンと来るものがあった。


「もしかしてあんたあれか? 賢者?」


 リカルドは後ろからの問いに、あー……そういやそんな事ザックさんあの人言ってたなと思い出したが、男の言う賢者と同じ意味なのかまではわからなかったので首を振った。


「申し訳ありませんが、わかりかねます」

「もうなんでもいいだろ! 責任取るって言ってるんだから!」


 もうおしまい!こいつの事は俺が保証するからいいの!とルゼは早口で言ってリカルドを睨んだ。


「もう話は済んだだろ!」

「ええまぁ、皆さんからお許しいただけるならですが」

「ベルノ!」

「わかったわかった、許可するって。んな睨むなよ」

「ほら、これでいいだろ!」


 だからさっさと行けよと促すルゼに、なんでこんなに追い払われるんだろう?思春期だから?と内心首を捻りつつ、では失礼しますねとリカルドは言って転移でグリンモアの家へと戻った。



 一瞬にして目の前から消えたリカルドにルゼはほっと息をついた。


「別にそんな焦らなくたってお前以外にあいつを取ろうとする奴なんてここにいないだろ? ザックさんじゃあるまいし」


 ここに居る魔導士はお前だけだろと呆れるアイルに、そういう問題じゃないと睨み返してから、ルゼは大柄な男に視線を向けた。


「ドーナ。二度と詮索するなよ。それからそっちの魔導士にはあの人の事を絶対教えるな」


 小柄な身体から気迫を滲ませるルゼに大柄な男は頭を掻いた。


「いやまぁ、言ったところで変な仮面被ってるってぐらいで何の情報にもならない気がするけどな」

「それでもだ。いいから言うな」


 重ねて言うルゼに大柄な男は剣士風の男と視線を合わせて肩を竦めた。

 目の前から消えたあの魔導士が空間魔法の使い手で優れた魔導士なのだろうなというのはさほど魔法に詳しくない二人にも理解は出来た。そもそもクランの中でも指折りの魔導士であるザックが認めた相手だと言うならそれ以上の保証はない。ルゼの言葉はそんな優れた魔導士を独占したい発言にしか聞こえなかった。


 魔導士はどうしてこうも我が強い奴らが多いかねと同じ事を思いながら、ぼやぼやしてないでさっさと国境を抜けるぞと声を掛け合い、彼らは再び歩みを再開した。

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