第101話 手を出すのはまずいけど、さりとて放置というのも……

「ではこれで決まりだな」

「はい。足らないものはこれから取ってきます」

「どのぐらいかかる?」

「一日で――と言いたいところですが、余裕を見て二日。取れたらなるべく早く持ってきます」

「わかった。では先に今ある素材を出してくれ」

「わかりました。あ、ミスリルはこちらで練った方がいいですか? 今手持ちのものはまだ練る前のものなんですが」

「……そうだな……あの品質なら私がやるよりもいいだろう。頼む」

「了解です。では」


 リッテンマイグスの工房にて、昼に一度休憩を挟んで夕暮れ近くまで話し合い、設計を完成させたリカルドとリッテンマイグス。今後のスケジュールを確認し、今ある素材をリカルドからリッテンマイグスへと渡して別れた。

 

 リカルドは工房を出たところで夕日の橙色に染まった家々に目を向け、もうこんな時間かとマフラーを口元に寄せた。

 そして歩き出しながら、どうにか形にする事が出来た剣の設計に内心ニヤニヤしていた。

 鎧の時のように思いついた機能をどんどんつぎ込めるわけではないが、それでも作りたいと思ったものが形になったと思っている。

 途中で追加した設計も、普通なら無理だぞと言いつつリッテンマイグスは笑って請け負って、それが実際出来上がったらどうなるのかリカルドもワクワクが止まらない。

 出来上がったら戦っているところを見せて欲しいなぁと思いながら、早く足らない素材を集めてこないとと今晩巡る素材の採取場所を頭の中に思い浮かべたところで、お腹がもぞもぞと動き始めた事に気づいた。


「あ。痛みが取れたのか」


 リッテンマイグスと話し込んでいてすっかり存在を忘れていたが、薄羽狼フロウビッド過禍果実かかかじつを食べてからちょうど二日経過していた。

 道端で暴れられても困るので手を翳して眠らせ、そのまま家に戻って晩御飯(ロールキャベツに似た肉を冬野菜で巻いてものと豆を一緒に煮たもの。冬のグリンモアの定番料理の一つ)をしっかり食べた後、樹とシルキーに出掛けると言ってすぐに薄羽狼フロウビッドを連れ人里離れた草原へと転移した。


 場所はグリンモアから遠く離れた西方の国のその西端。

 グリンモアとは違い心地よい涼やかな風が吹いている月明かりの草原の中、リカルドは眠る薄羽狼フロウビッドをスリングから出しその目の前に果物を置いた。そして眠りの魔法を解いて目覚めさせるとすぐさま逃げようとしたのでバインドで捕まえた。


「とりあえずそれを食べながら聞いてくれるか?」


 視線を合わせて言えば、恐怖のためか魔力が漏れだしたのでそれを抑え込むリカルド。


「落ち着けって、そのままだとお前は自滅しちゃうんだよ。元々魔法を使う事も未熟な状態であの果実を食べたんだ。そんな状態で魔力だけ増えればどうなるかわかるか? 無駄に魔力を放出して暴走して、その力で周りも自分も傷つける。最低限その力をコントロール出来ないと生きていけないぞ」


 真面目に話しかけるリカルドに、それでも薄羽狼フロウビッドはそこが人の住む地ではなく、壁の無い自然が広がる外だと知って身体をくねらせ逃げようと藻掻いた。

 まぁそうなるよな。とリカルドは嘆息し抑えている魔力の流れを解放した。

 その途端薄羽狼フロウビッドを中心とした風が巻き起こり不可視の刃が舞い、辺りの草や花を刈り取り、そのまま薄羽狼フロウビッドの身体にも裂傷を刻み始めた。

 ゥキャン!と痛みに鳴いて混乱する薄羽狼フロウビッドの魔力の流れをもう一度抑えるリカルド。


「こういう事になるんだよ。ちゃんと力を使えていないから自分にもその力が向かうんだ」


 と言いながら目を細めて(傷とか血とか見たくない)裂傷に手を翳して治し、血で汚れた毛を綺麗にするリカルド。

 薄羽狼フロウビッドの方は何が起きたのか理解出来ていない様子で、ブルブル震えながら自分の身体とリカルドをその小さな目で見比べた。


「野に帰りたいっていうなら頑張ってその力を自分のものにしてくれ。やり方はちゃんと教えるから。だからひとまずはそれを食べて? 身体が持たないから」


 果物の前に薄羽狼フロウビッドをそっと降ろせば薄羽狼フロウビッドはまだ周りに視線を走らせて逃げようという素振りを見せた。だが、じっとリカルドが見詰めていると観念したように果物(栄養剤入り)に顔を寄せ、小さな口を開けてシャリシャリと食べ始めた。そして食べ終えると、そこからリカルドのスパルタが始まった。


 まず魔力の動かし方を覚えさせるために強制的にリカルドが薄羽狼フロウビッドの身体を乗っ取って動かした。これは呪術の傀儡の応用で、本来は本人の意識を潰すところをしっかりそのまま残して、魔力とはこう使うんだよと薄羽狼フロウビッド達がよく使う風の魔法を使って見せた。

 ちなみに、樹やクシュナ、ナクルにやったように身体に触れて魔力を操作するという事も出来るには出来るのだが、薄羽狼フロウビッドがリカルドの魔力を受け入れたがらない事が虚空検索アカシックレコードで確認されたので、反発されて時間を無駄にするぐらいならばと、やられる方に不快感があろうが体力の消耗が激しかろうが(生物として無意識に呪術に抵抗するため)習得効率がいい傀儡を選択したのだ。

 ついでに戦闘技術も覚えさせようと、そのトンボのような羽を使って空を舞わせながら時に大気を切り裂き、大地を深く刻み、かと思えば優しく身体を包んで落下の衝撃から身を守ったり、薄羽狼フロウビッドがよくやる戦法を延々とその小さな身体で繰り返して叩き込んでいった。

 そうして僅か半刻程続けただけで薄羽狼フロウビッドは己の足で立っている事も出来なくなっていた。

 完全に疲れ果て、傀儡で操っていなければパタリと倒れそうな薄羽狼フロウビッドだったが、リカルドは無情にも神酒を突っ込み飲み込ませ、体力を回復させると再び同様の作業に入った。時間を無駄にしたくないとばかりの休憩一切無しのガチの特訓(強制)である。


 朝になる頃には精神的に疲弊して傀儡が切れた瞬間意識を失った薄羽狼フロウビッド。リカルドはあと二日ぐらいやれば嫌でも覚えるかな?と考えながらスリングに入れて家へと戻った。

 そうして日課の買い出しと水やりをやって朝ご飯を食べたら樹を見送り、さて行くかと今度は素材集めに出かけた。

 場所的に腹に抱えた薄羽狼フロウビッドが窒息しそうな場所もあるのだが、そこは結界を張って空気を作りながら作業し、前回ラドバウトの鎧を作る上でほぼほぼ消費してしまった竜の血も補充。風竜と土竜に続いて火竜と水竜の血も追加で採取した。さすがに一度経験した事なので血を頭から被るという事にはならず、ちょっと火竜に溶岩溜まりに叩き落とされたりはしたが事前に熱さ対策で結界を張っていた事が幸いして何事もなかった。

 ちなみにスリングの中で寝ていた薄羽狼フロウビッドは、丁度火竜と対峙したところで目を覚ましてしまい、自分の許容量を超えた出来事に震えを通り越して失神していた。過禍果実かかかじつを食べた事に関しては自業自得だが、それ以外はリカルドに保護されたばかりにえらい目にあっている薄羽狼フロウビッドである。


 そんな薄羽狼フロウビッドの事は置いといて、途中問題が起きる事もなく(濃厚な血の匂いに軽くエア嘔吐をした事は除く)順調に素材を集めたリカルドは、日暮れの中リッテンマイグスのところへと集めた素材を持っていき、その場でミスリルを魔力で練って純度を高め魔力伝導率を上げ切ったものを渡した。それで全ての素材が揃ったので、これでひとまずリカルドは待機となる。

 魔法付与を施すための触媒を作ったりという作業もあるが、それ自体はそれほど時間が掛からないので、急ぎでやらなければならない事は特にない(剣に夢中になり過ぎてルゼの事をきれいに忘れているが)。

 これなら薄羽狼こいつに集中出来るなと、昼も夜も特訓をしようかとなかなか鬼畜な事を考えながら暗くなった道を足早に進むリカルド。

 その時、微かに女性の悲鳴が聞こえた。


(………)


 なんかここんとこ何かしらに遭遇している気がするなと思うリカルド。正直、早く家に帰って暖かいご飯を食べたい気持ちが強くて聞かなかった事にしたかった。だが聞こえてしまったものを無視するのも後々気になってしょうがないだろうなとも思い、肩を落として諦めた。

 時を止めて調べると人身売買の組織が17歳の少女を攫っている事がわかり、とりあえずその少女は自宅へと戻し、人身売買の組織に加担している男達を纏めて警邏の詰め所へと罪状付きで送った。


(しかしこの王都で人攫いって……そういやなんか最近スリも多いし治安が悪くなってないか……?)


 グリンモアの治安は、特に王都の治安は他の都市や国に比べてかなり良い部類である。だが南から戻ってからというもの、朝市で店を回ったり教会や工房へと足を運ぶ最中に今までよりも多くスリに遭っていた。基本的にリカルドはスリに遭っても放置している(突き出して時間を取られるのも面倒くさいので)のだが、王都に居を構える者として本当に治安が悪化しているとなると、よろしくない事態である。

 気になり調べてみると王都の治安は実際に数週間前に比べて悪くなっていた。

 なんで?と確認すればいろいろと要因はあったのだが、原因と言って差し支えないのがやはり魔族の侵攻だった。

 具体的に何が起きているのかと言うと、南に有能な冒険者が多数派遣された結果残った冒険者に比較的素行の悪い者が多くなってしまい、諍いや喧嘩、恫喝などの軽犯罪が増えたのだ。他にも冒険者の人手不足で護衛の人数が揃わず少なからず物流の停滞が起き僅かに物価が上昇、僅かであろうと危機感を抱いた者達の買い占めが起きた事で各国の食料事情が一時的に悪化。それに伴い魔族侵攻という知らせによって引き起こされた世情不安を後押しする形で人心が乱れ些細な事でぶつかり合う事が多くなり、その殺伐とした空気の中で犯罪組織が今が好機とばかりに活動を活発化させていたのだ。

 警邏と治安部隊も動いてはいたのだが、細かな事件の発生件数が多くてその対処に忙殺されてしまっていた。

 今は魔族侵攻が食い止められたお祝いムードで諸々の問題は改善されつつはあるが、それでも未だその影響は抜けきっておらず、南に流れた冒険者が戻る前にと犯罪組織も最後の稼ぎ時に精を出している状況であった。


 これは良くないと思うリカルド。

 改善傾向にあるとはいえ犯罪は新たな犯罪を誘引する。もし愉快犯などが現れて家に放火とかされたら……と想像して、その場合死よりも辛い目に遭わせてやろうかとまだ起きてもない事件に対して真顔で考えていた。

 ちなみに家に放火されても敷地の外縁部に施した陣に仕込んだ防衛機能が働いてほぼ被害は出ないと思われる。が、これは被害が出る出ないの問題ではなく悪意に対しては最大限の悪意を持って礼をしようという実に死霊魔導士リッチらしい思考である。


 そういえばこの治安の悪化に王太子は気づいてるのか?とついでに調べてみると、しっかりばっちり王太子は把握していた。そして今回リカルドが遭遇した人攫いの件については、本来は治安部隊(正式名称はグリンモア国軍第五師団第一、第二、第三、第四連隊。ちなみに警邏は同師団の第五、六連隊が担っている)のトップである第五師団の師団長が指揮を執り取り締まりに動くところを問題の責任者に軍のトップである軍団長を据えて裏で全ての指示を出し、関係する組織、貴族家、商人達を国境を越えて隣国アドーシャとフルエストと協力し一網打尽にする大規模な計画を立てていた。

 そんな事をするのは国民を守るという理由があるのはもちろんだが、王太子の大事な婚約者があろうことか攫われかけていた事がかなりの部分影響していた。侯爵令嬢が攫われかけた経緯は割愛するが、王家の膝元でそのような問題が起きては沽券に関わる問題でもあり、見過ごす事は出来ないと王太子は僅か五日で両国の協力を取り付け、ほぼ全ての主要な関係者を洗い出し捕縛に向けての準備を三日で済ませ、明日それが実行される手筈を整えていたのだ。

 この王太子の包囲網がどれだけきついかはリカルドは身を持って知っている。虚空検索アカシックレコードを持つリカルドでも転移出来なければ終わっていた程だ。犯罪組織に対して、ご愁傷様な事で……と思ってもない事を呟きつつ、リカルドはハタと気が付いた。


(まてよ? 一網打尽にするって事は、今ここで俺があの子を助けるのはまずいんじゃ?)


 犯人を警邏に送ったりなんかしたら、他に関わっている者達は危険を察してトカゲのしっぽを切り落とすようにして逃げ延びるだろう。


(………)


 リカルドは無言でいそいそと男達を元の位置へと戻していった。

 捕まえておいて何をやっているんだという状況なのだが、万が一自分がやったとバレて王太子に怒られるのは、特に婚約者が絡んでいる案件で怒られるのは精神的に古龍に頭から齧られるより怖いので(瞳孔パカパカで笑いながら怒るのが容易に想像ついた)極力邪魔になるような事はしたくない。

 そうして間違えてないよなと人攫い達の配置の確認を終えて、最後に少女も元に戻して――いやでもなと止まる。

 余計な事にならないよう少女をそのままにしたいところではあるが、怖い思いをさせるのはさすがに忍びない。こういう犯罪はやった方は忘れるかもしれないが、やられた方は――特に非力な女性や子供は忘れようと思っても忘れられない心の傷になる。PTSDになっても可哀想だし……と思い、リカルドは頭を掻いてその少女、薄い木の葉色の髪に明るい青緑色の目の17歳へと姿を変えて、入れ替わるように少女が居たところへと収まり時を戻した。

 ちなみに薄羽狼フロウビッドはどうしたかと言えば、幸い?というか麻袋の中に入れられていたので、傀儡で首回りに巻き付かせておけば担がれてもバレる事は無かった。

 あとは防音を掛けてシルキーに連絡を取り、本日は戻れない事、おそらく明日も戻れない事を伝えて、あぁ俺の晩ご飯と朝ご飯と昼ご飯とたぶん晩ご飯……と涙(妄想)しながら彼らのアジトへと運ばれて行った。


 運ばれた先は王都のとある商会が所有している倉庫の地下で、ジメジメした地下牢のようなそこに下は5歳くらいの女の子から上は20歳ぐらいの女性まで7人が閉じ込められていた。

 女性以外にも小さな男の子も攫われているのだが、そちらは別の監禁場所だ。リカルドが居る監禁場所には全体の三分の一が集められている。


 それにしても、とリカルドはここに入れられる時に付けられた手枷と足枷をガチャリと鳴らして身体を起こし、溜息を押し殺した。

 見回せばすぐにわかるが、攫われた者の特徴はみな見目の良い者だ。その選定基準に、いつの時代もどこの世界もこういう方向になるのかねぇと呆れが零れる。リカルドだってかわいい子とか綺麗なお姉さんとかは好きだが、だからといってこういうゲスなやり方はいただけない。やっぱりそこは嬉し恥ずかしなウフフな期間を経ていろいろ楽しみたいのであって(リカルドは二次元でしか経験していないが)、無理矢理というジャンルはほんのちょっと興味はあるが、でもやっぱり現実でやるもんじゃないと胸糞な状況に辟易した。

 既に数日閉じ込められて恐怖や絶望を目に宿してしまっている子らも居て、彼女達を魔法で眠らせるリカルド。続けて眠っている間に少しでもその心が恐怖から解放されるように各々が幸せだと感じる夢を精神魔法と幻覚魔法を使って見せた。


(人を人とも思わない奴らがこういう事をするんだろうけど……どういう神経構造になればこうなるのやら……)


 人間の場合突き詰めれば物理的に脳の回路の繋がりだとか脳内物質の生成具合だとかで決まってくると思うんだよなと、頭を生体操作すれば変わるだろうかと死霊魔導士リッチっぽい事をちらりと考え、すぐに振り払う。やるとなるとかなりの集中力を必要とするだろうし、そんな労力をこんな奴らに使うのもあほらしかった。

 そんな事よりも他の監禁されている子達も眠らせておいた方がいいだろうとちょっと転移でそちらにお邪魔して眠らせて同じように幸せな夢を見せていった。

 そうして元の監禁場所へと戻って静かな空間に一人座り、暫くして気づいた。


(……なんかこれ、俺帰っても大丈夫そうじゃない?)


 監視のためにか定期的な確認が来るが、檻を開ける事はなく変な事をしていないかの目視チェック程度なので横になって寝ている振りをしていればデコイでもバレる可能性は低い。

 一瞬もの凄く家に帰りたくなったリカルドだが、リカルドの魔法で眠りながら微笑んでいる少女の頬に泣いた跡があるのを見てしまうと、彼女達が戻れないのに自分だけ戻るというのはどうにも後ろめたく、ぬぁぁぁとなりながら帰るのを諦めた。

 暫くは晩ご飯の妄想を続けていたリカルドであるが、何もしないでいるのも暇なので薄羽狼フロウビッドを起こして、昨日である程度魔法自体には慣れただろうからと傀儡で身体を操作し、ごく小さなつむじ風をいくつも作って維持するというひたすら地味で集中力の必要な作業を続け、途中から傀儡を切って薄羽狼フロウビッド自身につむじ風の維持をさせ、粗が目立つところは矯正して魔力の操作を延々続けさせた。

 ここまでくると薄羽狼フロウビッドもリカルドに無駄に怯えたりという事はなく、ただただ早くこんな非常識で得体の知れない奴から逃れたいという姿勢で真剣に訓練に取り組んでいた。


 そんなこんなで複数の国に跨る大規模な人身売買の組織の地下牢にて、被害者の眠る部屋の中、無言のまま薄羽狼フロウビッド死霊魔導士リッチが顔を突き合わせて魔法訓練をしているという、お前らもうちょっとTPOを考えろよという絵面が出来上がったわけだが、時折やって来る監視者には幻覚魔法ですすり泣く少女の姿を見せて誤魔化し、何事もなく王太子が計画する一斉突入の時を迎えた。


 ちなみにこの突入のタイミングだが、当初は昼過ぎが予定であったところ、リカルドが助けた少女が両親に攫われかけたという証言をして警邏にその情報を提供。今まで人攫いの実行犯が失敗したケースというのが侯爵令嬢の一件のみだったので、何か内部で問題が起きている可能性があると時刻を早めて決行される事となっていた。


 そんな事情は知らないリカルドだが、とにかくグリンモアの兵と思われる緑の軍服を着た男達が入ってきた時には、ホッとしてようやく帰れると眠りの魔法を解いて存在感を消したまま自宅へと戻ったフェードアウト

 その後、リカルドと同じ場所に監禁されていた女性からもう一人居た筈だという証言が出て、第五師団が居もしない被害者を探し出すために無駄な時間を費やす事になったのだが、家で遅い朝ご飯にありついていたリカルドがそれに気づく事はなかった。

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