第10話 常連客になっていく王太子
リカルドはソファに座っていたシルキーを見つけて即座に平身低頭謝り。気にしていないというシルキーに夜食を出してもらって礼と謝罪を交互にしながら頂いた。
〝ずっと作業をされていましたけど、ひと段落ついたのですか?〟
「うん。作り終わったから籠る事は無いよ。もう今後は仕事で魔道具作るのは止めるよ。疲れるから……」
〝お疲れ様です。今日はもう占いの方は開けずに?〟
「あぁ……そうか。そうだね。そっちも今日はお休みしよっか。もう夜中過ぎてるしね。お客さんも今日はやってないと思ってると思うし」
そう言いながら、にこやかな笑みを浮かべる王太子が意識の端にちらついたが、気づかない振りをしたリカルド。
「今日はこれ食べたら本読んだりしてダラダラしてようと思うんだ」
〝偶にはそういう日もあっていいと思いますよ〟
シルキーの優しい言葉にじーんとするリカルド。
あくせく働いていた日本の頃に聞いたら一発で惚れていただろう言葉だった。(そうだ。俺にはシルキーが居てくれるんだから何を望むっていうんだ)と、完全にシルキーを彼女を通り越して奥さん枠に勝手に据えて自分を戒めるリカルド。シルキーからすればただ主人を気遣っているだけなのだが、妖精とリッチなので問題が起きる事もない。ただリカルドが勝手に納得してやる気を出しているだけなので、平穏といえば平穏な関係だった。
自室に戻った後は話していた通り、本をぺらぺらと捲って見ていたが家に残されていた本も残りわずかになった事に気づくリカルド。
他にも何か面白そうな本がないかなと思い、夜が明けると朝食を食べてから街へとくり出した。
必要と思えば
本の保存の為にかドアは閉まっており、表に『本』の一言だけ書かれた看板が下げられている。
(開いてるんだよな?)
ノックをすべきなのか迷いつつ、ドアを小さく叩いてからそーっと開けて中を覗いて見るリカルド。
店の中は奥へと続く長細い形で、薄暗く外の光がほとんど入っていない。両サイドの壁面には天井近くまで延ばされた棚がびっしりと備え付けられており、洋書のような皮の装丁の厚い本が並んでいるのが見えた。
「入るなら入って閉めな。本が傷む」
奥で脚立のようなものに座っていた小柄な老人がリカルドを見下ろして言った。
昔は緑系統の髪色だったのだろうが、現在は真っ白になったそれを小さく後ろで縛っている。襟付きの枯葉色のシャツに黒いループタイをつけているちょっと洒落た感じの老人だった。
「すみません」
老人の洒落た姿になんだか一瞬、元の世界の古本屋に入ったような感覚を覚えながら、謝罪して中に入りドアを閉めるリカルド。閉めたところでぽかぽか陽気の外気より少し冷たい風を感じた。
「何を探してる?」
客商売をする気があるのか無いのか、脚立に座ったまま尋ねる老人にリカルドは何と言おうかと迷った。
娯楽になりそうな本をと思って探していたのだが、様子から察するにそういうものは無さそうだった。
「……どういう本があるのかと思いまして」
考えた末そんな事を言うと、老人は手にしていた本を閉じて棚に戻し脚立を降りてカウンターの向こうに回った。
「お前さん、魔導士か」
こちらを見もせず言う老人に、一瞬反応が遅れるリカルド。
「え? あぁ、ええまぁそうですね?」
「うちに魔導書は無いよ。欲しけりゃ裏の店に行きな」
裏?と思いつつ、リカルドは違う違うと手を振った。
「魔導書?を、探しているわけではなくて、単純に本を見たかっただけです」
「魔導士がただの本を?」
老人の顔には『本当に?』と書いてあり、リカルドはうんうんと頷いた。
「最近グリンモアに来たばかりで、ここにはどんな本があるんだろうと思ったんです」
「ふーん? まぁ……別にわしは構わないが……ここにあるのは見ての通り歴史書と思想家が書いた哲学書、専門書、戯曲なんかだ。あぁあとは裕福な家向けに文字の練習本なんかもあるが、そっちは関係ないだろう」
「見て回ってもいいですか?」
「回るってほど広くも無い店だが好きにしな。手をそこの魔道具に翳してからな」
老人が指さした先は、ドアの横にある嘴の長い鳥の模型のようなものだった。
鑑定してみれば、汚れを落とす魔道具のようでさっそくリカルドは両手を翳してみた。
ぽわっと小さく手が光に包まれて終わった。
なんともあっけない感じで終わったが、これでいいのだろうと足を踏み出し棚に目を走らせるリカルド。
家に置かれていた本で大分文字は読めるようになっていたので、手近なものを一冊手に取り捲ってみる。
老人は歴史書とかなんとかと言ったが、どうも歴史書というよりかは叙事詩の体で書かれているようだった。
(これはこれで娯楽になりそうだな)
「すみません、これっていくらですか?」
「3万クルだ」
「……なるほど」
30万円か。と、そっと棚に戻すリカルド。
「魔導書より安いだろうが」
パイプを咥え薄紫の不思議な煙を燻らせた老人の言葉に、怖くて魔導書の値段を聞けないリカルド。
ここは静かにそーっと撤退しようとリカルドが思った時、老人は薄い鶯色の目を細めて言った。
「保護の魔法は使えるか?」
「保護? はい。一応」
一通りの魔法は使えるリカルドが頷くと、老人はカウンターの下から古そうな革張りの本を取り出して並べた。
「これに保護を掛けるなら、好きな本を貸してやるぞ」
「……いいのですか?」
30万の本を初対面の人間に貸してもいいのだろうかとそう思ってリカルドが聞けば、老人は片頬を上げて笑った。
「値段聞いてビビって戻すような奴が持ち逃げなんかするかい」
見抜かれていたらしいと、リカルドは内心赤くなる。外見は笑みを浮かべたままだったのだが、老人には関係なかった。
「恥ずかしがってないでやるのかやらないのかどっちだ」
「……やります。やらせていただきます」
何でわかるんだろと思いつつ、リカルドは年月が経って艶の出たカウンターに近づいて並べられた本に片手を翳した。
【物体強度強化・状態維持】
全部まとめて保護魔法を二重にかけたリカルドは手を降ろして老人を見た。
「終わりました」
「………随分と念入りにかけたな」
懐から
なんだろうと疑問に思ったリカルドが鑑定してみると、片眼鏡は鑑定の魔道具だった。但し、鑑定出来るのは物体のみで人に対しては使えないものだった。
(そういえば俺って鑑定されたらリッチって出ちゃうよな……)
今更そんな事に気づくリカルド。
たらーと冷や汗(妄想)を垂らし、時を止めて確認した。
その結果、人物を鑑定する場合対象と自分のステータスを比較して勝っている場合にしかうまく見れない事がわかった。リカルドの場合、格だけは歴戦のリッチなのでほぼほぼ見破られる可能性はない。
(良かった……っていうか自分で鑑定持ってて気づかないとか、俺も相当抜けてたな)
時間を戻すと、老人は片眼鏡をカウンターの下に戻して別の黒い布袋を取り出すとリカルドが見ていた本を指さした。
「ほら持ってこい」
「あ、はい」
言われるまま本をそっと取り出して老人に手渡すと、老人はそれを黒い布袋に入れてリカルドに差し出した。
「期限は五日だ。その時また保護魔法をかけるなら別の本を貸してやる」
「ありがとうございます」
ちょっと恐々30万の本を受け取って、リカルドは礼を言って家路へとついた。
ちなみに保護魔法というのは魔導士の中でも中級クラスから使える魔法で、出来次第では結構な高額で対応する内容だ。そして本の貸し出しは保証金を含めても1000クル程度。ぼったくられるリッチは世界広しといえどリカルド一人だろう。
そうとは知らないリカルドはほくほくで家路へとついて、昼食を食べながらシルキーにこんな事があったんだよ~と楽しく話をしていた。シルキーも商売に関しては詳しくないので〝そうなんですね〟といつも通りの微笑み対応。
平和な日常にリカルドはご機嫌で夜まで本を読みふけり、意外と面白くて完全にのめりこんで最後には「エーリク?! 何故お前が……!」とブルータスお前もか的なセリフを口にするまで嵌った。
(なんてこった。エーリクお前、異母兄だったのかよ……乳兄弟と見せかけてのそんな設定ありかよ……しかも裏切りが結局ルーカスのためってお前漢過ぎるだろうがよぅ……)
とある王国の王子の物語で、幼い頃から乳兄弟として育った相手が実は異母兄で王位簒奪のために他国へと渡り唆して軍を送り込んできた。だがそれは王国に蔓延る叛意を持つ者達を炙り出し旗頭となる自分を含めて根こそぎ滅ぼすための布石だった。
という内容のものを読んでいたリカルド。
豊かな情景描写と細かな心理描写に人間であったなら盛大な洪水にまみれて居たところだが、幸いにしてリッチ。いつもの微笑みのまま黙々と夕飯まで読みふけり、夕飯を終えても読みふけり。
そして真夜中に差し掛かって、はっとした。
(店、開けなきゃ……)
ついにルーカスがエーリクと一対一で対峙するクライマックスに入っていた本を手放すのにかなりの意志の力を必要としながら、なんとか部屋から出て地下に降り占い部屋を整える。
それからグリンモア版リカルドに久々になって一呼吸置き、先ほどまでどっぷりつかっていた兄弟愛というか友情というか主従の絆というか、そういう熱いものを一旦沈める。それから路地裏と繋げ札の転送機能を稼働させた。
「やあ主。昨日はどうしたんだい?」
即座にやってきたのは案の定というか、王太子だった。
毎度の事で定型文は言わせてもらえず、勧める前に目の前に座る王太子に悟りを開きそうになるリカルド。
「少々取り込んでおりまして。昨日は休業しておりました」
「ふぅん? それ、私の婚約者殿の依頼と関係あるのかな?」
あぁ、あの侯爵令嬢はちゃんと話したんだなとリカルドはホッとした。
「そうですね。それに取り掛かっておりました」
「明日には用意出来るんだっけ?」
「いえ、予備日を設けていましたが幸い昨日の内に用意出来ました」
「…ちょっと見せてもらってもいい?」
リカルドは後ろから取り出す振りをして空間の狭間から杯を取り出し王太子の前に出した。
「……失礼するよ」
王太子に似つかわしくない無骨な皮手袋をすると片眼鏡を掛けて杯を見て、それから手に取った。
鑑定で見れば皮手袋の方は呪い避けの守護があり曰く付きのアイテムを触る時に用いるもので、片眼鏡は本屋で見かけたものの上位版だった。上位版といっても結局物しか見れないので意識から外すリカルドだったが、鑑定そのものが希少なスキルなので物しか見れないとあったとしても神級クラスの物を鑑定出来る王太子の片眼鏡は国宝級の代物だった。
ちなみにリカルドがギフトとして貰った鑑定は、この世界の中では最高レベルの能力を持っており、リカルドのステータスと相まって見れない相手はいない程高性能となっている。全く有効活用されていないが。
真剣な顔をして杯をひっくり返したり回してみたりしていた王太子は、溜息を一つついてテーブルの上に杯を戻した。
「これを8000クルね……。ねえ主、さすがにこれが8000っていうのは無いよ」
ないないと首を横に振る王太子に、今更ながら確かになぁと思うリカルド。
依頼を受けた時は用意出来るか出来ないかという視点でしか確認していなかったが、実際取りに行ってこの値段はないだろうなと思っていた。
(もうちょっと危険手当がいるよな)
危険手当どころではないのだが、うーんと考えるリカルドは額の桁をそもそも勘違いしていた。
「これ、間違いなく『血脈の証』だね。北の魔法王国であるディアードの国宝なんだけど、なんでここにあるのかな?」
国宝?となるより前に、盗んでないし!と思うリカルド。
「お言葉ですが、それは正真正銘私が作成したものです。盗品などではありません」
苦手な血を浴びてまで作ったのにと、ちょっとぷんすかしながらリカルドが言えば、王太子は皮手袋を外した手を額に当てて俯いてしまった。
「最近疲れているのかな……主が作ったと言った?」
「お疲れでしたか。であればお帰りになってゆっくり休まれた方がいいですよ」
慈愛の笑みを浮かべて言うリカルドに、王太子は少しだけ引きつった笑いを浮かべた。
「主って伝説の大賢者なの?」
「いいえ。私はしがない占い師です」
伝説の大賢者って何なんだと思いつつ、穏やかに返すリカルド。
「……困ったな。これ、要らないって言ったらどうするの?」
「どうもしませんよ」
「誰かに売るの?」
「いえ。特にその予定はありません」
「何故8000なんて値段で売ろうとしたんだい? あ、婚約者殿に惚れた?」
スっといきなり瞳孔が開いた王太子に、(だからこええよ!)とリカルドは内心叫ぶ。
「いいえ。そのぐらいの手間賃かと思っていただけです。
実際はもう少し上の値段だったと今は理解していますよ」
王太子は、あーこいつ理解してねぇわ、という顔をして上を向いた。
「主、君って意外と天然なのかな……どこの世で国宝級のものが8000そこらで取引出来るんだい。そんな取引出来るところがあったら教えて欲しいよ」
あぁここだったね。と、最後に嫌味をさらっと言われてリカルドは沈黙した。
そういや国宝だと言ったな、と思い出して時を止める。
今更、本当に今更だが自分が作成した物体の価値というか価格というか、そういうものを確認して目玉が飛び出るかと思うリカルド。
(さ……最低価格が、数百億……円じゃなくて、クルだから……数千億円……)
桁が違い過ぎてプルプルするリッチが出来上がってしまった。水色の不定形生物なら可愛いかもしれないが、リッチでは可愛くなかった。
(え、まじで? これがそんなにすんの? それ8000で売ろうとしてたの? 馬鹿じゃね?)
どう言い繕っても馬鹿だった。
(そりゃお前……王太子も困惑するわ……何か裏があると思うわ……うわー……どうしよ……)
ちょっとどうしようかと考えて、言い逃れする案を見つけてから時を戻した。
「そもそもここの占いの値段設定もおかしいんだよね。
客の私が言う事じゃないけど、安すぎるんだよ。内容に対してね。
留学をしたときに占いというものをいくつかやったことがあるけど、主程具体的な事を言う相手なんて一人もいなかったよ。それが主ときたらずばずば詳細を言ってくるし、うちの国土を熟知しているかのような事も仄めかすだろう? 下手な人間に見つかったら危ないよ?」
ねちねち言われる未来は見えていたが敢えて内容までは確認していなかったリカルド。ここに来てこういう方向からのねちねちだったのかと理解した。
「あぁでも主なら平気か。希少な空間魔法の使い手だし、回復魔法も補助魔法も得意。おまけにこんな国宝級の魔道具すら手間賃8000で作っちゃうんだから……ね、本当は婚約者殿に惚れたとかじゃないの? そう考えないと8000ってあり得ないんだけど」
(だからいちいち瞳孔開いてくるなよ……何でそんなパカパカ開くんだよ。お前の瞳孔ガバガバなの?)
こっちのねちねちもあるのかと嫌になるリカルド。
「お相手の方は大変美しいお嬢さんですが、私には大事な人がいますから」
むろんシルキーである。今のところリカルドの安らぎはシルキーで支えられていると言っても過言ではない。
真面目に言うリカルドに王太子は少し驚いた顔をして、束の間言葉を失った。
「……あぁごめん。ちょっと、本当に驚いた。
主も普通の人間だったんだね。あんまりにも浮世離れしているから少し疑ってたんだ。人間に化けた何かかもって」
リカルドはヒヤッとした。もちろん顔には出ないが。
そして何気ない風を装って自分の方へと戻されていた杯を手にとり、王太子の前へともう一度置いた。
「主?」
「確かに、私は世俗に疎いところがあります。それは否定できません。
これもお相手の方の苦悩が解けるならと思っただけで作成しました。それが世情にどのような効果を与えるのかまでは考えが至りませんでした」
本当に。何か作るならもっとちゃんとそれがどんな物なのか、あと値段も調べてから作ると、リカルドは心に誓った。
「これはこのまま私が持っているよりも、お客様に保管していただいた方が良さそうです」
「……それは私に譲ると言ってるの?」
「世情に疎い私が持っていて問題を起こすより、お客様にお持ちいただいた方が使われる道具も喜ぶでしょう」
「……主は本当にお金に興味が無いんだね」
(あるよ。あるけどお前、数千億円って意味がわからんわ。もうちょい数百万とか、数千万、頑張って一億とかだったらまだ宝くじって思えるけど、そこから先は頭がついていかないって)
根っからの庶民であるリカルドに数千億円という数字は天文学的過ぎて大金という認識というより、得体のしれない金塊的なものに感じられてしまった。
そしてそもそも8000でと最初に言った手前もあるので、そこからやっぱ数百億クルで。と簡単に手のひら返しは出来ない小心者だった。
「でもこれを譲り受けるとなると、いくら非公式とはいえ何かないと私の立場というものがねぇ……」
呟く王太子に、王太子だからこそ
「では今後、私が困った時に一度だけ助力をするという事でどうでしょうか」
「なにそれ。主が困っているとこなんて想像出来ないんだけど。むしろ主が困っている事で私が助けになるような事があるのか疑わしいね」
まじで面倒臭いなと思うリカルド。
いちいちこのぐらいの事で
「……わかったよ。これは私がきちんと管理させてもらう。あーどうしよう。宝物庫で管理するにしてもおいそれと管理簿に記載出来ない代物なんだけどな…まぁいざとなったらあっちの方の外交の切り札にすればいいか」
なにやらぶつぶつ言っているが、リカルドは努めて聞き流した。あっちの方がどっちの方なのかとか考えない。平穏無事に、それが一番だと穏やかな表情で全てスルーした。
「そうそう。婚約者殿には、害虫対策に取り組んでもらう事にしたよ」
スルーの姿勢だったので、一瞬遅れてリカルドは反応した。
「害虫対策?」
「ほら、主が今年は出る可能性があるって言っただろう? それの対策で成果を上げれば婚約者殿の箔がつくからね」
(血縁関係の証明は諦めて他で価値をつけようとしているって事かな?)
「さて、今日の用事は終わったんだけど……」
「ご相談は特にないという事でしょうか」
婚約者の件だけでここに来たのかと、何度目かわからないげんなりした気持ちになるリカルド。
「うーん。あり大抵に言うとそうなんだけど……
あ、そうだ。ねえ主、私の運勢を占ってくれる?」
珍しく占いの館っぽい事を言う王太子に、ちょっとリカルドは笑いそうになった。
(なにもせずに帰ると俺がお金を受け取らないって可能性を考えたのかな?)
「仕事、恋愛、金銭、健康、どのような運勢を占いましょう」
「そうだね。仕事にしようか」
わかりましたとリカルドは占いをする振りをして時を止め、王太子の少し先の未来を覗いていった。
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