第7話

昼食を食べ、映画を一緒に観た。

映画はいかにもカップルが観そうな、感動ラブストーリー系だった。

映画館の暗さと椅子と椅子の距離に心臓が高鳴る。


その後はショッピングモールをふらつき、天気も良かったので近くの公園に行きベンチに腰掛けた。


「初めて遊んだのに美緒といると楽しいし、落ち着く」


「私も楽しかった」


今日のデートの話をしながら、自然と好きなタイプや恋話になっていった。


「そういえば、前の彼女とはいつ頃まで付き合っていたの?」


以前、優香里に長く付き合っていた彼女がいた、と聞いたことが気になっていた。


「あーうん、去年までかな。」


あまり話したくないのか、少し言葉を濁す。


「長かったの?」


「2年半くらいかな」


「そうなんだぁ…」

少し躊躇って

「何で別れちゃったか聞いても大丈夫?」


「んー…なんだろ、向こうから言われたんだよね。高校も違くなったし、すれ違いかな」


「そっかぁ」

と相槌を打ちながら話を聞いていた。


表情が寂しげだ。

涼くんはその彼女のことがきっと大好きだったのだろう。

彼女と別れてくれて嬉しいけど、彼女のことを思い出させてしまったという複雑な感情が湧き上がる。

まだ未練があるのかな、そんな事を思っていると


「まぁ、でも昔の彼女とはこの先も関わる事はないから安心してよ!

平行線みたいな関係だから」


そう言われて、手を握られた。


「これから、もっと美緒のこと知っていきたいからまた遊んでくれる?」


大きな瞳で見つめられる。


「うん」


そう照れながら返事をし、その日は駅まで送ってもらって解散した。

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平行線の彼方 @chocolateparfait

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