第8話 Let It Be -最終話


 晴天の陽射しが眩しい中、明るい声で挨拶をしながら大野の肩を叩いたのは、美智子だった。

「おはよう」

「おう」

いつもと変わらない学生服姿の美智子に、大野は何の屈託もなく答えてくれた。

「元気?」

「おい、一応俺は先輩だぜ。タメ口はやめろよ」

「いいじゃない。気にしない気にしない」

「しょーがねえやつだな」

「そう、しょーがないやつ」

「どうした、なんかハイじゃねえか」

「そう?こんなもんよ、あたしは」

大野は美智子の姿を一瞥すると、あきれたように言った。

「いい加減、制服変えようと思わないのかよ」

「まぁ、もうそろそろ」

「変えるのか?」

「目下、思案中」

「へぇ~、どうした心境の変化だ。男でもできたのか?」

「バーカ。そんなじゃないよ。ただ、どっちが、アタシにとって、アタシのやりたいことなのかな、って思っただけ」

「なんだそりゃ?」

「なんなんだろうね」

澄ました顔で歩く美智子に、大野は何となく安心した。美智子は、同級生の三島を見つけて大きく手を振って挨拶をしている。

「おはよう!」

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グリーンスクール - Let It Be 辻澤 あきら @AkiLaTsuJi

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