第二章 水明

第二章 登場人物・用語集 





●水の国『アクアリオネ』/セレイア王国


 大陸の東部に位置する水源と自然の豊かな国。大国の一つであり、唯一始まりの大地をそのまま残す。首都である水麗すみれの都『リオ』と、北端の深雪みゆきの街『トカロ』、海港の街『シェナ』、栄輝えいきの街『ウィレッティア』に城を構える。


 杖の街『ラノエ』には、大陸有数の魔法学校『エルヴァ』が建ち、雄大なリーヌ川を挟んだ向かい側には、天音の神々を祀る七天音しちあまね教の総本山、四柱大聖堂の一つである『アルルレイア大聖堂』が存在する。


 北東の霧の国『ムウ』とは霧の濃い森で分かたれており、東には『天海』と呼ばれる大海原が広がる。南には南方四国の『そうの国』『晶の国』『熱の国』『鉱の国』の国々が点在し、四国独立戦争の際に水の国は助力を行ったため現在でも交流が盛んに行われている。『アルルレイア大聖堂』と『エルヴァ魔法学校』の西には、『ウトの民』が暮らす『月魄げっぱく』の国と、聖域を有する巨大なラドラト湖が広がる。

 水の国はアクアリオネ王家により治められる。王家は〈ウルエラの大刻印〉を有するが、建前上、刻印の有無は王位継承権に影響しない。当代はユノリア・セレイア・リノ・カレニア・アクアリオネが女王の座に君臨する。


●『杖の街・ラノエ』

 水の国の南西部には、周囲を険しい山々に囲まれ、ラドラト湖へと至るリーヌ川から流れ出た水が窪地にたまり、巨大な湖と離れ小島を作った地が存在する。その湖の中心に浮かぶ島が杖の街『ラノエ』であり、街全体がエルヴァ魔法学校である。そこは魔法使いのための街として知られている楽園だ。


 杖の街『ラノエ』は、リーヌ川を挟んだ向かい側の『アルルレイア大聖堂』とは長い間付き合いがある。昔から特に閉鎖的な習慣が蔓延り、外部に対して厳しい考えを持つ者が年配に多く存在するものの、今では観光事業にも手を入れているため、外部から誰でも街に入ることが可能。魔法に関する研究も盛んに行われており、研究者が居を構える区もある。

 


●『エルヴァ魔法学校』

 リーヌ川を挟む北の『アルルレイア大聖堂』と南の『エルヴァ魔法学校』は、水の国とかつての炎の国との国境付近を守る一つの砦であった。

 エルヴァは魔法師のための学び舎であり、大国の中でも特に規模の大きな学校である。

 大抵は十、十一の少年少女が入学するものの、年齢制限を明確に設けていないために、所属する者の年齢も様々だ。全寮制かつ六年制の学校だが、飛び級や途中編入をする者も多い。

 しかし、卒業するためには大陸でも最難関と言われる卒業試験に合格しなければならない。入ることは簡単だが、出ることが難しい場所として知られている。

 エルヴァに入る生徒の中には、生まれた時から(魔法が使えるため)入学が決まっている生徒もいれば、それ以外にも推薦制度や試験によって入学する生徒も一定数存在する。途中編入も可。即ち、魔力を持つものに対し、その門戸は開かれている。




◆登場人物◆


〇アズサ・リアンタ

 ミエラル村の「書庫」で暮らしていた少年。濡羽色の黒髪に翡翠色の瞳を持つ。王家の所有する〈ウルエラの大刻印〉を右手の甲に有している。母はセレイア王国の第二王女セノア・アクアリオネ、父は王国に仕える魔法師のユト・リアンタ。養父によって【魔力】が封じられていたため、魔法を使うことが苦手。


〇ユキ

 アズサが助けた少女。銀の髪に淡い空色の瞳を持つ。アズサに助けられる以前の記憶を失っているが、魔法に関する知識と腕は天才的。ウルの友だち。


〇ウル

 ユキの友達である『銀王狼』。ユキの友だち。知能が高い。


〇アシャロウ・ロヴェルディ

 エルヴァ魔法学校の学校長。年齢不詳の老爺。大きな帽子と長い顎髭とれた奇抜なマントが特徴。魔法評議会における最高魔法評議会の『第一の守人エ・プリシア』であり、最も偉大な魔法師として世に知られる。


〇イザヤ・デインヴァース

 エルヴァ魔法学校の新入生で、アズサとユキの同級生。赤毛に茶色の瞳。明るく元気な性格で、少々ふざけた言動が多い。水の国の名門デインヴァース伯爵家の三男。魔法騎士を目指している。


〇シノ・セイン

 エルヴァ魔法学校の新入生。アズサとユキの同級生であり、ユキのルームメイト。茶髪に琥珀色の瞳を持つ。落ち着いた雰囲気を持つ美人だが、表情はあまり動かない。魔法よりも剣術が得意。


〇ユリエス・パーマーソン

 エルヴァ魔法学校の新入生。ジョエスの双子の姉。


〇ジョエス・パーマーソン

 エルヴァ魔法学校の新入生。ジョエスの双子の弟。


〇ギル・ハドバーン 

 エルヴァ魔法学校の新入生。ハドバーン公爵家の次男。アズサのことを目の敵にしている。


〇カルダ・シェルヒ

 エルヴァ魔法学校の新入生。ハドバーン公爵家に仕えるシェルヒ家の長男。


〇バスティン・セント

 エルヴァ魔法学校の新入生。謎多き少年。


〇ユルケ・ハウレーヌ

 エルヴァ魔法学校の新入生。西方・砂の国『サンガトリエ』の大商家ハウレーヌ家の長男。〈ブルメデルの大刻印〉の証を首筋に持つ。


〇アルフ・ビネス

 エルヴァ魔法学校の二年生。


〇トセカ・トレニー

 エルヴァ魔法学校の三年生。出身は雷の国『カミトキ』。アズサ達新入生のことを気に掛けている。


〇ロイエ・セノル

 エルヴァ魔法学校の教師。専門は対魔法法式。若手の教師だが実力はある。


〇イシス・フリジェ

 エルヴァ魔法学校の教師。アシャロウに次いで長く学校にいる女性。専門は歴史学。


〇ラライア・パーティヤ

 エルヴァ魔法学校の教師。魔法薬学の専門。


〇ハワード・ラセイン

 エルヴァ魔法学校の教師。魔法結界術と対禁止魔法法式術が専門。


〇ハンナ・ケリス

 エルヴァ魔法学校の教師。【魔法医ラファネイ】の資格を持つ、学校の保健医。生徒からは鬼ババと恐れられている。


〇バルクス・カイレン

 水の国の元・宮廷医師の一人。天才最年少医師として知られていた。

 秘密を守る「糸」の一人として、アズサを見守っていた。アズサを助ける際に傷を負い、現在は昏睡状態。


〇アルティナ・バーランド

 【魔法医】。バルクスの古き友人で、アシャロウの教え子の一人。かつては水の国の王宮で働いていた。豪胆で背の高い女性。「糸」の一人。首都へ戻り、ユキの情報を探していたが……。


〇ゼン・バーリオ

 アズサの育ての親。王国騎士団に属する騎士の一人だが、正式な所属とその詳細は不明。最後の任務中に命を落としたようで、アズサのもとに死亡通知が届く。






*用語・登場人物等の詳細を含め、随時追加していきます。











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