林の如く

三枝 優

風林火山

「どうだ、生産量は予定通りか?」

「はい、順調に生産しております」

「そうか・・これが、一つの対抗策だ。頑張ってくれ」

「了解です」


 酒の工場であったここでは、高濃度の聖水アルコールに製造を切り替えて全国に配給していたのだった。ゾン・ヴィラン・ド・サ・ガ星人と戦っている同志の元に毎日届るためだ。


「昇仙峡のほうはどうなんでしょうか?」

「あちらも頑張っているらしい。頼もしい限りだ・・」



 甲府盆地の北に位置する、風光明媚な渓谷である昇仙峡。

 ここは、水晶の聖地と呼ばれている。


 その奥にある、金櫻神社。

 高台にあり、ここから見る富士山は格別である。


 ここでは、パワーストーンである水晶を布袋に包み祈りを込めたものを量産していた。

 これも、ひそかに全国で戦う同志たちに毎日届けられている。

 ゾン・ヴィラン・ド・サ・ガ星人に対抗する武器を生産するためであった。



 ゾン・ヴィラン・ド・サ・ガ星人の侵略において、山梨は静観しているように見えた。

 だが実態は違う。


 風林火山。

 徐(しず)かなること林の如く。



 山梨県は、今日も静かに戦っていたのであった。


◇◇◇◇◇◇◇



『【爆笑】都道府県オープン参加小説2:宇宙人侵略その後、各都道府県はどうなっている。』

雨 杜和orアメたぬき 様


参加作品。


詳細は下記に。


https://kakuyomu.jp/works/16816452219500906547

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林の如く 三枝 優 @7487sakuya

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