#2 アルバイト

「楽して稼げるバイトないかなー」


「そんな世の中甘いことないんちゃう?」


「やっぱりベタに、ファミレスとかがいいのかもね」


「せやん、イケメン大学生とかとの出会いもあるかもしれんしなあ」


「イケメン大学生彼氏は最高だね、551の豚まんぐらい魅力的だよ」


「それやったらちょっと嬉しいぐらいのことやん、ほんでめちゃくちゃ関西人やな」


「そりゃね、2歳のときからお好み焼きひっくり返してるからね」


「英才教育やん、てかちょっと危なそう」


「それはそうと、いいバイトなんかないかな?」

 

「そやなあ、冬場のサーティワンとか、空いてそうやけど」

 

「でも腱鞘炎にはなりたくないしなー」

 

「そんなに心配せんでもええんちゃう、知らんけど」

 

「手首のケガはまずいでしょ、バッティングに影響するからさ」

 

「あんた野球なんかしてへんやろ」


「実は来年ドラフトされることを目標に練習してるんだよね」


「それは楽しみやなあ」

 

「そういえば、アイスの『パルム』の木は腱鞘炎の患部を固定するのにちょうどいいらしいよ」


「アイスで負傷した腱をアイスの棒で固定するわけか、皮肉なもんや」


「あーあ、座ってニコニコしてたらいいだけの仕事とかあればいいんだけど」


「そんなん『Qさま!』の時のさまぁ〜ずだけやろ」


「ギンちゃん、私には散々言ってたけど、かなり失礼だね」


「ヒカリほどではないやろ、多分」


「というかギンちゃんはバイトしてないけど、お金あるの?毎日スタバのコーヒー買ってきてるけど」

 

「おじいちゃんの肩揉んだり、ご飯作ったりしたら貰えるから、3万ぐらい」


「甘すぎる……」

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なぎさ高帰宅部 カワイレナ @theprocess

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