第1話 草むらからゴブリンがこんにちは
「う〜ん、俺はき○この山よりた○のこ里派だよ…………は!」
勢いよく起き上がると、目の前に広がっていたのは草木がある森の中?だった。
「ちょっと待て、どこだここ」
トラックに轢かれる前に着てた制服で森の中にいるこの状況が呑み込めずどういうことなのか、一生懸命考える。
(俺、トラックに轢かれたよな?ん?どういうことだ?俺はトラックに轢かれたはずなのに、何故か生きている。さらに、よくわからない森の中にいる。ということは?)
そう考えていると、健二はよくある転生系のラノベを思い出す。
「あっ!これ『転生』ってやつじゃねぇか?」
これが転生なら制服のままなのも頷ける。ましてや、よくわからない森の中なのも不思議じゃない。
(てか、女神やらなんやらいねぇのかよ…。)
と思ったが、とりあえず、健二は色んなことを試して見ることにした。
「まぁ、異世界転生なら『ステータス』ってやつあるだろ!』
健二はわくわくしながらラノベで見たセリフ、ステータスオープン!と言った
『ステータスオープン!』
【ステータスを表示することができません】
『ん????』
目の前に文字が宙に浮かんで【ステータスを表示することができません】と表示されている。
『待て、待て!ステータスオープン!』
【ステータスを表示することができません】
『あ…なるほどねぇ…』
その後、何回も試して健二は察した。ステータスを見れないことを…
『そうだよなぁ。ラノベみたく上手くいくわけないよなぁ!あぁ!もう!ラノベの主人公みたいにステータス見たいいぃん!!』
健二は落ち込んだが、すぐ立ち直った。とりあえず、ステータスは見れなくても他のことはできるだろうと思ったからだ。
『じゃあ、魔法はでき…』
他にできることを考えていると、近くの草むらから音がした…
『ん?なんか草むらから音がしたな?』
音がした草むらを見ると、そこには黄緑色の体をして、腰にボロボロの布地を巻き、棍棒を持っているゴブリンが一体いた。
『ギギ…!ギィ!ギヒャア!』
ゴブリンは不気味な声を発しながらこちらを見ている。健二はゴブリンと目を合わせると。
『な…なんだこいつ!?なんで布一枚で棍棒を持ってよだれを垂らしてるんだ!?ほぼ裸じゃねぇか!変態か!?変態なのか!?ん?よく見ると、なんか頭の上にゴブリンって表示されてる…?こいつ知ってるぞ!』
健二は、自分の近くにあった鞄から厚さが薄い教科書を出してそれを丸めて戦闘態勢に入った。
やっていることがおかしい学生が転生しました @kimokimokun
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