はじめてのクエスト



迷子の捜索か。




迷子っつても世界はひれえしな、、






対象は人間の少女か。




んー。




ベェは何でこれにしたんだ、




先にケムルズの村狩りの盗賊団の方が早そうだな。






場所はそう遠くはないか。




タマス村か。






よし。行こうか。






村までは歩いた。




少ない金で少量の食べ物と飲み物を買い、先へと進んだ。






辺りはあまり土地が良くなく、




作物等は育たなそうな場所だった。






こりゃ国の問題だと思うけどなあ、、




この世界は弱者にはとことん向かない世界らしい。




強くなければ、実力がなければ、人間でなければ、




もう、既に終わった様なモノだった。






モンスターが売られ、奴隷の様に扱われていると、




皆は目を反らし、何とも言えない表情をした。




まあ、そうなるわな、、






ケムルズによると、人間が売られる場所もあるみたいだ。




トンピスが人間を運んでいた様に、逆もしかりなのだ。






「トンピスの主はモンスターか?」




トンピス「はい。元主は、




人間をモンスターの様に扱っています。




そうして、壊れてしまった人間を捨て、




新しい人間を買ったり拐ったりします。」




ケムルズ「旦那だけだ。




こうして、俺らを対等に扱うのは。」




ション「旦那様はいい人間だ。」




ベェ「旦那様はいい人間。」






「んー。でもお前らが、




俺にそうしてもいんだぜ?




場所では逆も普通なんだろ?」




トンピス「ご冗談を、、




そもそも旦那に勝てる訳がありません。」




ケムルズ「まあ、旦那が弱ってたら、




もしかしたら俺は旦那を殺るかもな、、」




トンピス「お前は何て事を!!!」




場の空気が針積めた。






「やめろ。冗談だろ。」




ケムルズ「旦那は、寛大だな。




が、口が過ぎた。






申し訳ない。






そんなことはあり得ない。




モンスターにも一応礼儀や掟がある。




俺等は一生着いて行くが、




モンスターにも良し悪しがある。






皆が皆。こいつらみたいな奴じゃない。




旦那もそれは理解した方がいい。」




ケムルズは頭がキレる。




トンピスも頭が良いが、冷静さに欠ける。






「そうだな、




ションとベェは?」






ション「旦那様はいい人間だから、




困ってたら助けてるだ。」




ベェ「旦那様は家族だ。




だから見捨てたりしないだ。」




「そうか。」






俺にこのブラジャーが無ければ、




この関係性はなり得なかっただろう、、




均等な関係を保つには力がいる。




モンスターは人間に蔑まれている故に、




怒りや憎しみを持つ者も少なくは無いだろう。






もしかしたら俺のやろうとしている事は、




無謀で、無知で、馬鹿げた事なのかも知れない。






だが、それも悪くは無いだろう。






こいつらが幸せなら、




例え、それがこの世界で歪んでいる事であっても。






俺が英雄に成りさえすれば、




モンスターの立場や人間の立場も、




いつかは均等な世界が訪れるかもしれない。






その為にはこいつらをちゃんと育てなきゃな。






いい事も悪い事も沢山一緒に考えて、感じて。




一緒に乗り越えて行けたら、




いつか本当の家族になれるのだろうか、、






トンピス「旦那!!」




一瞬の事だった。






目の前に現れたケムルズの腕は切り落とされた。




ションとベェ「ケムルズ!」




不覚にも不意を突かれた。






この世界は生ぬるくはなかった。




辺りには人間の死体が沢山転がっていた。




トンピス「旦那!怪我は?」




「俺は大丈夫だ。ケムルズは?」




ケムルズ「旦那、、大丈夫でっせ、、




旦那は怪我はありませんか?」




「あぁ、大丈夫だ。






トンピス少し離れてろ。」




トンピス「はっ、、」




「ベェとションは回復魔法使えねえよな。




まあ、、俺が覚えるハズだったんだが、、






どっちか覚えろ!




ケムルズの腕をくっ付けろ。」






ベェ「はい!!」






盗賊「はっはっは、、




まさかの呪文の巻き物をお持ちとは、、」




「俺の仲間によくも手を出してくれたな。」




盗賊「仲間??




冗談を。ただの奴隷だろ??」




「いや。こいつらは家族だ。」




盗賊「はっはっは、はっ、




聞いたかよお前ら。」




崩れた瓦礫や、家から次々と仲間が出てくる。




盗賊「生憎、仲間は沢山居てね、、」




「お前。名前はなんだ。」




盗賊「名前ねぇ、、




ロウソウと。お呼び下さいな笑」




「ロウソウか。覚えておくよ。」




盗賊「かかれ!!」




一斉に盗賊達はジャーブラに突っ込む。




「馬鹿だな、」




ブラジャーを手に持ち、空中で振ると、




空間が歪んだ様に皆が地面に叩き付けられる。




盗賊「ぐはぁ、、、」




一瞬にして大群は地べたに這いつくばった。




盗賊「そりゃ、ズルいんじゃねえか、、」




「そうか??




お前らみたいに人数でしかやれない奴程、




弱い者はねんじゃねえかな??」




盗賊「ケイホウ様!!




ケイホウ様!!どうかお力を!!」




盗賊が騒ぎ出すと、奥から巨大なモンスターが出てきた。




ケイホウ「まあっ、たく、女を食ってるのに、




うっせぇ、奴だなあ、、邪魔した罰を、




きちんと受けさせなきゃな、、」




盗賊「ひぃいぃ、、、」




巨大なモンスターはよだれを滴ながら、




人間の女を口に入れ、大きな包丁の様なモノを持つと、




天高くから振り下げると仲間もろとも吹き飛ばした。




ケイホウ「邪魔するからだ、、、




ん?、、何でお前きかねんだ、、」




「んー。




お前が遅いからじゃねん?」




ケイホウ「お前だと、、




誰に向かって、口を聞いてるんだ、、」




「誰って、、糞ったれに決まってんだろ。」




ケイホウ「んもー、、、、」




ケイホウは容姿を変えると余計に醜い姿となった。




盗賊「やべえって、、、




洒落に、なんねえよ、、」




ケイホウの口から垂れるヨダレは、




盗賊達の遺体を溶かした。




盗賊「ケイホウ様、、お助け、下さいませ、、」




男は溶けだし、みるみる姿を変えた。




「エグいな。」




ケイホウ「お前も溶かしてやる、、」




「くせえし、近寄れねえしどうするかな、、




ベェ。ケムルズの腕はどうだ。」




ベェ「くっつきはじめています、




でもまだ、時間がかかります。」




「トンピス。ションとケムルズを抱えて、




結構離れてくれるか?」




トンピス「了解致しました。




ご武運を、、」




「ああ。」




ケイホウ「ふっ、ふっ、ふ、、




お前は逃がさないもんだ、もん、」




「お前みたいな奴じゃなくて可愛い女がいんだけどな。」




ケイホウ「女はいいだもんだな、、




旨いし、、いいだもんだも、、」




「ちょっと趣味じゃねんだよな。




そうゆうのは、、




まあ、嫌いでもねんだけどさ、、




あくまで、フィクションとして?ならね。」




ケイホウ「お話はおしまいだもんだ、、




死んしまうといいだもんね。」




「じゃあ、俺も行きますか、、」




ブラジャーを顔に付け、軽く地面に拳をつき当てると、




地面は響きながら割れ、ケイホウはあっと言う間に、




地面の割れ目へと落ちて行った。




ケイホウ「そんなの、ズルな、んだ、、ん」




「知るか。




女の扱いも知らねえ奴が、ほざいてんじゃねえよ。」






「大丈夫か?」




ケムルズ「はい。ベェのおかげで、、」




ベェ「旦那様の巻き物のおかげですよ、、」




ション「俺も覚えたかったな、、」




トンピス「まあ、属性の相性があるからな。




それにしてもよくベェが使えると思いましたね。」




「まあ、何となくなんだけどな。




どっちか使えそうだったからさ。」






こうして、盗賊は倒せたものの、




村は崩壊し、誰一人として、生き残った者は居なかった。


































































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転生された異世界で俺は"ヘンユウ"になる。 影神 @kagegami

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