第5話「ゴールデンウィークの秘密兵器 1」
ゴールデンウィークそれは、入学や進学、就職などを経て疲れ切った癒やす俺が最もと言っていいほど好きな日である。
ゴールデンウィークは課題などもでず、何からも邪魔をされず惰眠を貪れる素敵な日なはずなのだ。
しかし、なんでだ……なんでお前がここにいる⁉︎
授業も終わり、帰りのHRも早々に俺はいつもの通り生徒会室に来ていた。
生徒会室には皐月の姿はなく、友稀は何やら楽しそうにスマホをいじっている。
かく言う俺も特にやることも無かったので、ウマ娘のアプリを開きトウカイテイオーの育成に励んでいた。
2期を観た後のテイオーの育成のしたさといったらもうヤバい、もう語彙力死んじゃうレベル。
ほんとテイオーとマックイーンの関係性と言ったらもうエモエモのエモ……また語彙力が死んでいたようだ。
そんなバカな事を考えていると横に友稀が立っていた。
「ねぇ、それ面白いの〜?」
「ああ、最強だ。誰が見ても泣けるし、全米が泣いたなんてキャッチコピーのついた映画より100倍泣ける」
「あ、そうなんだ」
あれ、なんかちょっとだけ引かれたんだけど長年一緒にいるであろう彼女にまで引かれるとは、かなりキモかったのだろうか。
やっぱりオタクが自分の好きな事語る時は気をつけたほうがいいようだ。
オタク達よ、お前らは自分が想像する2倍はキモいから言動には気をつけた方がいい。
よしこれで世のオタクのいくらかは、助かるだろうか? 現実を見ないと先には進めないからな。
俺は、二次元だけで良いからと言っているやつ、考えろここ三次元だから真実に目を向けようぜ。
俺はもう真実と向き合ったぜ、まだ認めてないけど。
それにしても急に話しかけてきてどうしたのだろうか? 何か用があったのに俺のキモさで忘れてしまったのかもしれないし、一応聞いてみよう。
「それで、急に話しかけてきてどうしたんだ」
「そうだった、危ない危ない、真叶のキモさでわすれちゃうとこだったよ」
「おい、ハッキリ言うなよ、気にしてんだから」
ほんとハッキリ言いやがった、俺がキモい=世のオタク皆んなキモいだからな。
世のオタクよお前らを馬鹿にしてる訳じゃないんだ、俺のキモさは、皆んなのもんだが、皆んなのキモさも俺のもんだ。
ジャイヤンも涙目の考え方だ。
「ごめんごめん」
「別に良いよ、それで何を言おうとしてたんだ」
「そう、私明日から勉強合宿に行ってくるからご飯とかつくってあげられないんだよ」
合宿? ああ、あの3年の進学組が参加させられると言うあれか、たしか友稀も進学組だったな。
「そうか、まぁ勉強頑張ってこいよ」
「うん、頑張ってくるよ‼︎ それでね私が留守にしている間、真叶はきっと、だらしない日々を過ごすと思うんだ」
「おい、決めつけは良くないと思うんだが」
「え〜、じゃあ早寝早起き朝ごはん、できる?」
「…………」
「でしょ〜、だから、秘密兵器を用意したの」
「秘密兵器? なんだよそれ」
「それは、ヒミツ」
またか、コイツの秘密はどうやら俺との相性最悪犬と猿も驚きの相性の悪さだ。
まぁ、秘密と言われてはどうにもできない、だから俺はただ何も起こらないようにと願うことしかできない。
学校一の美少女は、いつの間にか俺に懐いていました。〜ちょと、近すぎじゃないかな⁉︎ 草野カズヲ @miura0817
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