Ⅸ:home
「えっと…おはよう」
きょとんとする
珍しく戸惑う
しかし、
「とりあえずあがってく?」
と言ってきた。
「え」
今度は僕がきょとんとした。
<
「どうぞ」
招かれるままにリビングに通された。
『ようこそ。お客様』
と、
「座って。今お茶だすから」
「あ、ありがとう」
示された椅子に座りすっくりと室内を見回す。
ひと家族が過ごすには充分な広さだ。玄関へと通じる廊下に階段があったが、
知り合う前なら、ハードカバーの少し堅苦しい小説が並ぶ本棚が目に付くいかにも文学系の部屋が浮かぶところだけど、ある程度、
そんな掴みどころのない個性を、
「お待たせ」
そこに、
気付くと同時に、温かい紅茶のいい香りが鼻孔を刺激する。
「ごめんね。お茶菓子とかは切らしてて」
「充分だよ。ありがとう」
向かいに座った
しかし、ほどなくして、室内に漂う妙な沈黙に気づく。
…と、頭の中ばかりが急いてしまい、まず言うべき第一声も口から出てこなかった。動揺が隠し切れなくなってきたところ…。
『♪~』
突然の
室内に精神的な不調が見て取れる者がいた際に、
「ふふっ」
と、
自分の動揺をばらされたようなものだった。恨めし気に
「急に家まで来といて今さら緊張してるの?」
「いや、それは…」
その通りだが、思わずごまかした。我ながら見苦しい様だ。
「どう説明したものか困って…」
ようやくまともな言葉が出てきた。
「
「うん。あ、後付けた訳じゃないぞ」
怪しい弁明になってしまったが。
「分かってる。だからなおさら不思議なのよ」
そんな
その際に、夢を書き留めたノートも広げていた。
勢いとはいえ、
"セカイ"ヲ傍受した少女 Aruji-no @Aruji-no
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