第2話 ただいま現在の無駄としか思えぬポリシー
完全に需要のないなぁと思うこの文章、紐解いて下さった優しい神、もしくは女神のような慈悲深いあなた様に感謝します。
取り合えず自分の中のあれこれを駄々洩れで書くだけ書こうと決めて書き始めたので、誰が知りたいと思うんだそんな事、と思いつつ、自分のポリシーを取り上げてみます。
未来永劫掲げる心算なんて欠片も無いポリシーですが、今書いている『エスメラルダ』にエンドマークを打つまでは死守する心算のポリシーについて語らせて下さい。
私の今現在のポリシーはこの三点です。
作品に『テーマ』を敢えて持たせない。
文章の中に無駄と贅肉をこんもりと盛り込む。
ご都合主義最高!
この三点を見れば「は?」となる方も多いでしょう。
Twitterで絡んで下さっている方はご存じかも知れない私のポリシー。
一応全部理由がありますが、どんな理由があれども、この三点は世の中の『創作論』と真逆のそれだと思います。
私が「神に出会えた!」と心から感動を覚える作品は、少なくとも、真逆です。
読むなら絶対根底にしっかりとしたテーマが存在し、無駄のない、というより過不足のない黄金律を感じる美しい文章で描かれ、きっちりとした作りこみによりご都合主義の立ち入る隙のない小説が良い! と『読者』としての私は思うのです。
だから、自分で書く上で何故心から賞賛するものの真逆を意図して選んで書き記すか、理由は山盛りてんこ盛りですが、人様には『既に世の中には素晴らしい作品が溢れている。ならば私は真逆の方向で書いてみたい』と言っていました。
自分でもそれが本音だと思い込んでいましたが、最近、いやいやそんな格好の良いものではないなと気が付いてしまいました。
多分『トラウマ』なのです。
公募にひたすら小説を応募し続けた過去があります。
あの時は「今回の作品のテーマはこれで行くか」というのがありました。
枚数無制限の公募が検索しても引っかからずに、一番多い枚数で350枚、無駄な文章をガリガリ削りました。贅肉どころか、あの時の原稿は拒食症患者のように必要な文章すら削れるだけ削り切っていたと思うのです。
作品的に生まれるのは必須と思われるご都合主義は目をつぶっても、出来る限り排除に勤しみ書いた原稿。
ぶっちゃけ何作送り続けたのか記憶にありません。
サイトなどに拾い上げた物もありますが、『美しい小説』『評価される小説』『世の創作論を守った小説』というものに疲れ始め、今のポリシーに近くなってからのそれだけです。
案外、必死に己を縛り上げてあるべき姿とはこれか、と書いた物は、読み返すとくだらなさ過ぎてデータを消したりコピーした原稿を廃棄したり……もう己の黒歴史としか言えません(笑)
黒歴史をひたすら書いていた、そんなある日、ふと私は喚き散らしたくなりました。
書く事は幸せな事の筈なのに、テーマを貫くのも、一生懸命に書いた言葉を無理やり削るのも、ガチガチにご都合主義を排除するのも、そんな縛りを書きたいものより優先して書いている今、全然楽しくない! つまらない!
そもそも、これは私の文章か!?
サイトに拾い上げた原稿と並行しながら、『でもやはり守るべき形式がある』と形に囚われての原稿を書いていたのですが、もう嫌だと思ったのです。
その時、公募に出すのではない原稿として『エスメラルダ』他数作を書いていました。
純粋に楽しみのための文章。
『公募にはもう出さない』『プロになる夢は捨てる。売れる物、受ける物を書かなければいけないプロではなくアマチュアでいる事を決めたのだから、アマチュアだからこそ許される物をひたすら書きたい』
全力の逃げから始まったのです。
そして、もう純粋に自分が書いていて楽しいものを追求し貫く、そう決めて、でも書いているうちに自分のスタンスがブレまくるのは嫌だし、読んで下さっている方々に申し訳ないとも思いました。
そして、自分の楽しみの為だけに書いていた文章を見直して最低限の縛りを設けた結果が今のポリシーとなったのだと思います。
まぁいつの間にか、「自分が尊ぶものの真逆を追求したい」とかいう思いは確実に生まれていたので人様にしていた言い訳も嘘ではないのですがね。
尊いものの真逆でも、読み返したらこれはこれでありじゃないか? そう思えるものを書こう……なーんて思っていました。
とはいえ『エスメラルダ』にエンドマークを打ったら、自分の方向性をまた変えるかもしれません。
アマチュア万歳と思ってアマチュアを全力で楽しむ、そう決めたのだから延々と一つの縛りに拘る必要も、囚われる必要もない……そんな当たり前のことに最近気が付いて。
ご都合主義万歳! に関しては、日本の歴史も他国の歴史も紐解けば「うーん、全力でご都合主義ですな!」としか思えない無茶ぶりが溢れかえっていて、案外それこそが実際の姿、というか、人間という弱い精神しか持たぬ生き物の当たり前の姿かもしれないなぁと思ったというのもあります。
でも、やはり読む時に選ぶのも、讃えるのも、夢中になるのもご都合主義に走らない作品なのですがね。
小説という、ある意味作り物だからこそ、確固としたテーマと無駄や贅肉のない美しい文章とご都合主義を許さないスタンス、それらが叶うのかもしれない。
最近そう思うのです。
私の書くものも作り物ですし、現実に即さないものです。
けれど自作と真逆の私が惹かれ夢中になる完成された作品というのも【小説だからこそ】、なのかもしれない。
世の中理想通りにいかない事だらけ、綺麗だと言えない事だらけ、ですから。
取り合えず今、エスメラルダという作品を書きあげるまでのポリシーは神作品の真逆ですが、エンドマークを打った後自分のスタンスがどう変わろうとも一つだけ、これだけは守り抜く『絶対』があります。
書いている間、その間が間違いなく幸せである事。
これだけ守ればどんなふうに自分が書くものに対してのポリシー、約束事を変えても新たに設けても、どんな信念を掲げても、私はただただ書く事を喜びとして生きて行けます(笑)
古都里の囀り 古都里 @kotori_utakago
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