古都里の囀り
古都里
第1話 取り合えず、私の小説が生まれる姿を晒す
小説ってプロットが大事だと言いますよね?
私も絶対、大事だと思うのです。
組み立てていく過程で、沢山書き手は取捨選択のチャンスがある。
このシーンは絶対必要だとか、「このセリフ言わせるためだけに百万文字越え書いたんだ!」とかいう作者の拘りを大切にする為に、プロットを組み、自分と向き合い、小説の魅力を活かすために必要なものを全力吸収し、そして要らない物は捨てる。
取捨選択をきちんと行っている小説は大抵が芸術作品です。
反対に言えば、ノリだけで書いて風呂敷を畳めずに適当に誤魔化すとか、そもそもどう足搔いても続きを書く事が出来なくなり未完のままになるとか、最初と最後では違う話になってしまうだとか、結構あるあるですよね。
ちゃんと頭を捻り、しっかりと組み立てて取捨選択したプロットが存在するなら避けられた悲劇。
うん、プロットは目茶苦茶大事!
そう解っているのです。
多分、きっちりと、命削ってプロット作っている作者様より、私はプロットを尊いものとして考えていると思うのですが。
私もプロット、作るんです。ええ、一応。
一生懸命考えて、必要な知識はパソコン様様、ネット社会万歳と調べて、矛盾だの齟齬だのないように頑張るのです。
が、経典を拝む勢いでプロットの重大性を認識している筈の私の小説は、暴走しなかった試しがないという。
三日位ひたすら勉強して準備万端整えた事もありました。
でも、一瞬で無駄になるのが古都里の創作。
パソコンに向かうまでは頭の中のプロットを大事にして今度こそ! そう思っているのです。
「今度こそ」が示すように今まで一度もプロットを反映させられた事がなかったりしますがね!
何故かパソコンに向かって、キィを叩き始めるといたこになるのが古都里です。
三日三晩必死に勉強した上で作った美しいとさえいえるプロットを大事にしたいと思っていても、気付いたら時間が経過し、原稿に想像もしていなかった物語が打ち込まれている。
これが古都里の創作現場、私の作品の生まれる姿です。
ポリシーはぎりぎり守られるのですが、プロットを守る事が出来ない。
それでも、諦めもせずプロットを作りはするのですが、小説を書く事に喜びを覚えて何年経つか考えるのも阿呆らしい時間、つまり経験を積んでなお、プロットを死守する事が出来ない私です。
何処までもプロットを無視してしまうが故に「作家諦めた! もう好き勝手に目茶苦茶に書く!」という心境に落ち着きましたが、プロになりたいと投稿頑張っていた時代、本当に辛かった。
サイトに何本か載せてますし、カクヨムにもそのうち反映させそうですが、投稿時代の作品少しだけ、レベル低いけど気に入っているしと拾い上げたりしつつ、大半は闇に葬りましたわ。
原稿のコピーも、データも、綺麗に消してしまった沢山の作品。
プロットを反映できない自分の無力さを認める事が出来なかった時代の作品は、いたこ状態で無心に打ち込んだ子を認め切れず、でもなかった事にも出来ずに、結果無理やりにプロットをねじ込んだ歪なそれになってしまったという。
プロットを死守できない自分をどうしても認める事が出来なかったのです。
でも、流石に何年も書いていたら諦めも付きました。
何故かエンドマークにたどり着けるし、ご都合主義万歳な所は今の私は敢えてそのスタイルですので自分の中では問題なし、そしてそのご都合主義を前提でどうしようもない位とんでもなく許し難いとパソコンを破壊してしまいかねない作品ではない物が生まれている現状と、プロットを遵守できないからと書くのを止める潔さを持ち合わせていない自分を見つめ、諦めの境地に(笑)
でも、小説をこれから書くという人には、プロットを大事にと言うと思うのです。
私には出来ないけれど、たどり着けない境地だけれど、丁寧に練られたプロットから成る作品は本当の本当に美しいから。
いたこ状態で無我夢中で書く私ですが、いつか完璧なプロットを作り上げて遵守の上で作品を完成させるのは夢です。
諦めずに毎度プロットと格闘し、でもいたこになる私ですが。
死ぬまでに、パーフェクトな、いたこ状態で生むより何百倍も素晴らしいのでいたこになりようがないプロットを組むのが夢です。
何が悔しいって下手すれば構想だけなら数年、十数年とか、そんな作品ですらいたこになって打ち込んだ奴の方が自分の好みの姿をしている事ですかね。
本当、何となく後四十年生きるとか言ってる私ですが、四十年でパーフェクトなプロットが浮かばずに黄泉路を辿ってしまったら、地獄でも書き続けるでしょうね。
天国に行けるなんて欠片も思いませんが、地獄にパソコンがあるといいなぁ。
せめて、紙とペン、筆記用具があの世にないなら、死を受け入れるのは無理です(笑)
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