第43話 予感とエリンシア姫

ある夜・・巨人族の王はエリンシアを抱きながら


「白の王族は長寿であまり歳をとらぬという・・確かにそなたは昔と変わらず

変わらず美しい」しみじみとエリンシアの白い肌に触れながら巨人族の王は言う


早く 朝にならないか・・明日の朝はアーサーの待つ屋敷に戻れる日

ただアーサーの事を想い ひたすら耐えた


ある時 エリンシアは 自分の体調の不調に気が付く

まもなく 少し吐血した・・


エリンシアは その事を誰にも言わず 黙っていた


数日後

アーサーにこう言った


一枚の紙を手渡す


アーサー 私の貴方 お願いがあるの・・と書かれてる


「何だい エリンシア」 

子供をあやしながら アーサーは文章を読んで聞く


続けて紙に文章を書く


もし・・私の身に何かあったら 私の小箱 この中の金の髪飾りと 

アムネジア様から頂いた 三人の絵・・あの黒の王の描かれた小さな絵を

アムネジア様 テインタル王女様に差し上げてください


残りの絵と手紙は私と一緒に葬ってくださいませ


今の黒の王とは 王女の異母兄妹

黒の国では仲が良かったとか


「なんでそんなことを? 

体調がよくないのか?」心配そうにアーサーは問う


問われて 紙に文字を書く


いえ‥何でもありません 大丈夫ですわ・・ただ ちょっと気になっただけです

エリンシアは微笑んだ


それから間もなくの事であった

エリンシアは 突然 倒れ まもなく息耐えた


アーサーと残された子供達は泣いた


そしてアムネジアも


エリンシアが望んだとおり金の髪飾りと黒の王が描かれた小さな絵は

アムネジア・・テインタル王女に渡された


アムネジアも涙を流して それを受け取った

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