弟「殺し屋ジョニー!?」兄「いや、耳かき屋ジョニーだ」ジョニー「コー、ホー」

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その名はジョニー!

弟「Heyブラザー! 交通事故に遭ったって聞いたけど無事だったのかい!?」


兄「Ohブラザー! 三途の川に肩まで浸かったりもしたけど、御覧の通りばっちりだぜ!」


弟「よく生還できたなそこから!? まあなんにしても、無事で何よりだぜ! ……ところでよブラザー。ベッドの端に立っている、おっかねえ雰囲気と形相をしたそちらのお方は誰だい?」


兄「ああ、紹介が遅れちまったな! こいつはジョニーってんだ! 三途の川で出会ってから意気投合してよ、まあ腐れ縁って奴さ」


ジョニー「コー、ホー」


弟「おっかなさ極まってるぜブラザー! え!? じゃあ何、幽霊なのジョニー!?」


兄「そうとも言えるし、そうじゃないとも言える。それに、例えジョニーがどんな存在だったとしても、俺のベストフレンドに変わりはねえぜ!」


弟「そ、そうか……。まあブラザーがそれでいいなら、俺もいいけどよ……」


弟(ん? ジョニー? 待てよ、そういやこの前のニュースで、その道では有名な殺し屋がなぜか身投げして、水死体として発見されたって報道されてたよな。その殺し屋の名前ってのが確か――)


弟(――ジョニー)


弟(え!? いやそんなわけないない! この幽鬼のような恐ろしさ全開の幽霊が、まさかあの殺し屋ジョニーなわけ……ありまくるわ)


弟「な、なあブラザー。ひょっとしてだけど……ジョニーに何か異名とか通り名ってあったりする?」


兄「お! 流石に気付いたか。まあ、ジョニーの奴はその道ではかなり有名だからなー」


弟「ま、マジかよ……。やっぱり、ジョニーの二つ名って……」


兄「ああ、ジョニーの二つ名はな……」


弟「殺し屋ジョニー!!」

兄「耳かき屋ジョニー!!」


弟「……へ? 耳かき屋?」


兄「HAHAHA! 冗談きついぜブラザー! どっからどう見ても、こいつは耳かき屋ジョニーじゃないか!」


ジョニー「オレ、耳カキ、スル。オマエ、シツレイ」


弟「嘘だろ!? そのなりで!? けたたましい叫び声上げながらチェーンソーぶん回してそうなのに!?」


兄「おいおい、ジョニーがそんな凶暴なわけないだろ。見ろよこの英知と博愛に満ちた顔立ちを」


ジョニー「ケケケ」


弟「狂気と悪意しか感じられねえんだけど!? どこに目つけてんだブラザー!?」


兄「おい。いくらブラザーとはいえ、俺のベストフレンドを貶したら許さんぞ。ジョニーに謝れ!」


弟「あ、うん、ごめん……。確かに、顔つきや雰囲気で判断するのは良くなかったな」


兄「わかればいいんだ。それに、ジョニーは虫すら殺せないほど気の小さい男なんだぜ? ましてや人殺しなんて、逆立ちしたって出来やしねえよ」


弟「そ、そうなのか……」


ジョニー「虫ハ、イイ。勝手二、処分シテクレル」


弟「やっぱ殺し屋ジョニーだよこいつ! 虫も殺せないんじゃなくて虫を殺さないだけだよ! バリバリ人殺しまくってるよ!!」


兄「そんなわけないって。ジョニーからも何か言ってやれよ」


ジョニー「ケケケ」


兄「ほら、ジョニーだってこう言ってるだろ?」


弟「不気味に笑っただけなんだけど!?」


ジョニー「オマエ、マダ疑ッテル。ナラ、耳カキシテヤル。耳、差シ出セ」


弟「え!?」


兄「お、ジョニーに耳かきしてもらえるなんて、ついてるなブラザー! ジョニーは気分屋だから、頼んだってなかなかしてくれないんだぜ」


ジョニー「サア、横二ナレ。耳、差シ出セ」


弟「そ、そんなの嫌に……うわ、か、身体が勝手に!? 何がどうなってんの!?」


兄「ジョニー、ピッカピカつっるつるにしてやってくれよ!」


ジョニー「了解。研磨、研磨スル」


弟「研磨!? 今研磨って言った!? 耳かきだよね!? 耳かきなんだよね!?」


ジョニー「大丈夫。スグ楽二ナル」


弟「それはなっちゃダメな方では!? あ、アァーーッ!!!」







弟「めっちゃ耳の聞こえが良くなった!」


ジョニー「当然」


終わり

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