【2010年 実写化映画】女の子だから、男の子だから、を押し付ける映画。

『倉木』


 原作の面白いところを削ったら、原作ファンは嫌うよなぁ。


 映画は尺との戦いでもあるので、物書きが参考にできる部分がそこにもあるね。


 たとえば、どっかの新人賞向けに作品を書こうとする。プロット段階で応募規定枚数をこえるのがわかったり、書ききってからわかったりする。

 その段階で、ストーリーラインの筋を通しつつ、テーマをぶれさせず削る方法が、漫画原作の映画には隠れているのかもしれない。


 もっとも、2010年頃までは反面教師にすべき作品のほうが多そうやけどね。


『郷倉』


 今回、漫画原作の実写映画を立て続けに見ていて思ったのですが、漫画の実写映画って誰をターゲットにして作っているのか、という部分が結構大事に思います。


 昔、倉木さんと僕が通っていた学校でもあった授業で、新聞の記事を読んで、四行くらいにまとめる、っていうのがあったのを覚えています。

 それとまったく同じとは言いませんが、長い物語やエピソードを如何に抽出するか、というのが漫画の実写映画には必要な気がします。


 最近、年表を作る方法論や歴史を如何に語るか、という解説動画みたいなものを見ていて、そこで重要なことは「何を語るかではなくて、何を語らないか」なんだそうです。


 例えば、漫画の歴史を語ろうとする時に、必ず入るだろうビッグネームが年表に入っていない場合、そのビッグネームを外すことで見えてくる漫画の歴史というものを語ろうとしているんだ、という意味を汲み取ることができます。

 だから、「君に届け」は女の子同士の友情やライバル関係に深く踏み込まず、あくまで女の子と男の子のラブストーリーをメインにした作品だと理解することができます。


 なぜ、女の子同士の友情やライバル関係を深く描かなかったのか?

 という問いは愚問で、大前提として、それを描こうとしていない作品なんですよね。

 僕はそういう取捨選択を評価します。


『倉木』


 本日、引っ越しが終わりました。


 ネットが繋がっていないので、レンタルビデオを借りてきたんやけど、かぐやさま借りようとして、やめたところでした。


 コンフィデンスマンJPは、くそおもろいけど、カイジファイナルが、うんこで引っ越しの片付けがはかどってらぁ。


『郷倉』


 お引越し、おめでとうございます!

 奥様のツイッターで、そろそろ引っ越しって言っているなぁ、と思っておりました。笑


 コンフィデンスマンは皆、面白いって言いますよね!

 先週、カイジ2を見て、ギャンブルものと言うより人情ものに寄せていて、うーんとはなっていました。


 お引越し後で、バタバタしている最中だと思いますが、つらつらと僕の2010年の好きな映画について語らせていただきます。


 2010年の僕の推しの映画「大奥〈男女逆転〉」について触れたいと思いますが、少しだけ「君に届け」を含む少女漫画原作の実写映画の話をさせてください。

 少女漫画原作の実写映画のヒロインの両親は時折「女の子なんだから」という台詞を口にします。

 女の子なんだから、××をしちゃだめ。

 女の子なんだから、××したいよね。


 これらは実際の娘を持った親は常々口にする台詞なのかも知れませんが、あえて実写映画でその手の台詞を採用している点には「模範的な女の子の姿」を描こうとしているようにも見えます。

 実際、実写映画版の「君に届け」の爽子は模範的な優等生な生徒であり、親から見ても理想的な娘でもありました。


 女の子であれば、こうでなければならないですよ。

 と暗に押し付けてしまっているような印象があります。

 そして、その女の子は、こうでなければならない、という押し付けは「女の子」にだけ発動するものではありません。


「男の子であれば、こうでなければならないですよ」

 そう暗に押し付けるような物語もあります。

 そして、それが「大奥〈男女逆転〉」です。原作は、「きのう何食べた?」のよしながふみで、副題の〈男女逆転〉とあるように、あるSF設定が定められています。

 ウィキペディアの内容を引用すると以下になります。


 ――江戸時代の日本で、赤面疱瘡(あかづらほうそう)という若い男性だけがかかる架空の疫病によって男性の数が激減したため、社会の運営が女性を中心としたものとなってゆく……という設定で、男女の逆転した江戸時代の社会を大奥を中心に描いている。


 主演は二宮和也です。

 演じている水野祐之進は「武士道を極める一本気な青年」になり、「武士の家だが若い男性が少なくなった現代ではすっかり困窮してしまい、両親と姉のため、そしてお信との叶わぬ恋を断ち切るために大奥に入る」人物です。


 貧乏だけれど武士の魂は忘れず、それを貫くため大奥に蔓延する空気を変えていく、という朝ドラ的な展開が中盤では描かれます。

 本当に理想の男の子とは、こういうことを言うんだな、と頷かせてくれるキャラクターとなっています。

 とくに幼馴染のお信(堀北真希)を一途に思っている部分なんて最高です。


 もっと言えば、ネタバレが含みますが、ラストで水野(二宮和也)が徳川吉宗(柴咲コウ)と夜を共にする時、一つのお願いをします。

 それが、徳川吉宗を幼馴染のお信と呼びながら、夜の行為をしても良いか? というものでした。


 徳川吉宗は徳川八代目将軍で、最初に夜の行為をした男は、将軍を傷つけた(傷ものにした、みたいな表現だったかな?)ということで、罪人として処刑されることが決まっていました。

 つまり、水野は吉宗と行為に及んだ後、死ぬのだと分かっていて、一つのお願いとして吉宗をお信と呼ぶことをお願いします。この時、水野は大奥に入っても、お信のことを忘れられず、一途に思い続けていたんだ、ということが分かります。


 お信は水野がそこまで自分のことを想ってくれている、なんて知ることはありません。この構図は見事なまでに少女漫画的です。ちょっと美しすぎるくらいです。


 そう言えば、堀北真希は「野ブタ。をプロデュース」で演じた役も少女漫画の主人公的な立ち位置でしたね。


 倉木さんは堀北真希がお好きだったと記憶していましたが、どういう部分がお好きなのかは、聞かずに来てしまったような気がします。

 よろしければ、今度教えてください。


『倉木』


 堀北真希に関しては、きちんと意見をまとめてから、いずれどこかで語ります。もっとも、彼女自身が出演している漫画原作映画はこれから先あるんかいな? なかったら、同じ匂いを感じて好きになった女優の浜辺美波と共に話す感じになるかな。

 まとまってない状態でひとこと話すならば、透明なのか黒なのかわからない女優が好きなんですよ。

 堀北真希も浜辺美波も、宣伝で出てきた番組では透明のように感じた。

 透明だからこそ、色んな役を演じ分けられる。だが、そういう風に感じるのは僕の勘違いで、なにものにも染まらない黒のような役者なのかもしれないとも感じるわけで。それがわかるまで見届けたい、応援したいって気持ちがある。


 うーん、やっぱり考えがまとまってねぇな。

 ちなみに、平手友梨奈も透明なのか黒なのかってわからない女優になれるポテンシャルはあるはずなのに。キャスティングがよくないなぁ。意外となんでも出来る気がするよ。さんかく窓の外側は夜で、一部ではまり役みたいに言われているのに気づかぬまま、舞台挨拶みたいなところで、自分と共通点がない役だったという発言をしてるからなぁ。



 さてさて、どうでもいいかもしれんけど「カイジ ファイナルゲーム」見終わった。

 回を重ねるごとに面白くなくなり、同じジャンルとしたら、2010年のライアーゲーム以下やな。ゲームのルールに、穴があってもなくても、つまらんゲームって結論は覆りようがないで。

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