第10話
外で何やら話し声がする。
「いよいよ来たわね」
リサは隣にいるレンにそっと声をかけた。
中の警護を担当するのは、二人を含め約五十人だ。最年少はリサとレンで、他は彼らより二回り以上年上の大人ばかりだ。精鋭揃いの無敵の布陣である。
四辺を取り囲むように壁際に立ち、緊張の面持ちで前を見据えている。
「カイアは今頃どうしているのかしら……」
「リサ、警護中はカイアのことは忘れろと言われただろ。終わったら、カイアに今日起こったことを話してあげればいい」
なおカイアを心配するリサを窘める。レンだって本当は、カイアのことで頭がいっぱいだった。でも今は任務に集中しなければいけない。
すると、両開きの高い扉がキィッと音を立てて開かれた。
まず先頭を切ってシュラが入って来る。それと同時に、座っていた要人達が立ち上がった。
シュラに続いて、ガルド、ガルドの従者達の順に入場してくる。
「あれが、第一惑星人……」
思いがけず言葉が口をついて出てしまった。
身体能力だけでなく、精神的にも鍛錬されている強者達でさえ、鉄人間の登場には衝撃を受けた。しかし、それは数瞬のことで、すぐに我に帰り、佇まいを正した。
ビューティフル・アース〜冥王星の少女と水星の王子と8人の惑星王〜 さんすた @201kyds
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