第8話
金色の巨大な船が空を飛んでいる。
箱舟のような形をした底に、太い三本のマストがそびえ立ち、立派な帆が上がっている。客室はいくつもあって、非常に立派だ。大海原を悠然と泳いでいそうだが、この船が泳ぐのは宇宙だ。それに、全てが鉄で出来ている。帆やロープ、何から何まで鉄。これが、第一惑星の惑星王が乗る宇宙船だ。
初めて見る異質な巨大物体に、皆驚いていた。
昨日訓練場にいた若者達に加え、鍛え抜かれた大人や老人まで、多くの人が外を警護していた。しかし、鉄船が姿を現すと、口をあんぐりと開けて言葉を失ってしまった。
対談が行われる集会場の横で動きを止めると、ゆっくり下降してきた。冷たい大地に降り立つ。
すると、鉄の舳先が階段状に変化した。
船から一人の男、その後ろに数十人の第一惑星人が降りてくる。第一惑星の惑星王とその従者だ。
異星人がついにやって来た。歴史的瞬間であった。
二度目の驚愕がすぐにやってきた。第一惑星人の姿だ。
惑星王であろう、先頭にいる男は全身が銀色だ。船と同じく鉄でできている。唯一、鉄ではないところが目だ。白目に濃い緑色の瞳。しかし、その眼差しは強烈に険しい。王たる風格と荘厳な存在感を放っている。
その後ろにいる従者達は、身体の一部が鉄になっている。顔の半分や片腕片脚、歯に首など様々だ。鉄になっていない肌の色は、ペールオレンジ。惑星王には毛髪はないが、他の者にはある。
全身メタリックな惑星王だけ飛び抜けて異彩を放っていた。
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