第39話 少女とお婆さん

二人がシストに来てから数日が経ち、彼女達の活躍が国中で噂され外に出てれば、皆が注目するヒーロー的存在になっていた。

二人がいつものように街に遊びに出ていると、一人の獣人の少女がローラの元へ駆け寄ってくる。

その少女はローラの脚に抱きつくと、ローラを見上げ口を開く。


「お姉ちゃん達にお願いがあるの!!」

「どんなお願いなの?」

「あのね、私のおばあちゃんが病気で動けなくなっちゃって、おばあちゃん苦しそうなの・・・だから、助けてあげて!」


ローラはリアンの方をチラリとみると、OKサインが見えたので、少女の目線に合わせるようにしゃがむと


「じゃあ、私達をおばあちゃんのところに案内してくれる?」

「うん!!!」


少女は元気な声で返事をすると、ローラの手を引っ張り、走って行ってしまった。

リアンも慌てて二人を追いかける。

数分後、町のはずれに一軒の家が建っており、そこで少女は立ち止まった。


「ここが私おうちだよ!」

「じゃあ、お邪魔するわね」


扉を開けると、ベッドの上で横たわっているお婆さんが目に飛び込んでくる。

リアンに病気の症状と、原因を調べてもらう。

原因はどうやら、風邪らしいのだが、高齢なこともあり拗らせてしまっているらしい。

なので、ローラはカバンからハイポーションを取り出し、お婆さんの口に注ぎ入れる。

すると、おばあさんは目を覚まし、ベッドから起き上がった。


「あぁ、お二人ともありがとうございます。あなた達は命の恩人です・・・!」

「いえいえ、そんな」

「お礼に私にできることならなんでもいたしますよ!」

「それでは、この国について何かあれば教えて欲しいのですが」

「特にはないけど・・・昔、海のどこかに神殿があったっていうことくらいしか」

「それって」

「あの時の!!!」

「どうやら心当たりがあるようですね。そこには昔使われていたものが眠っているとかなんとか・・・これくらいしか出来なくてすいませんねぇ」

「いいえ、充分ですわ!ローラちゃん、すぐに行くわよ!」

「うん!じゃあ、またね〜」

「お姉ちゃんありがとう!!!またね!」


二人は家を出るとすぐさまこの前に行った海へ行く準備を進める。

目指すは深海の神殿。そこには何が待ち構えているのか・・・

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甦りし伝説、壊します。 〜そして私達は結婚する〜 月宮 凜 @Tsukimiyarin

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