第38話 資金調達
海でのバカンスを終えた二人は、シスト王国のギルドへ顔を出し、クエストの張られている掲示板をリアンがさらりと見た後、クエストを何個かまとめて受け、二人はすぐさま外へ向かう。
ギルド職員が立ち上がり、先程の二人が持っていったクエストの内容を見て大きな声をあげた。
リアン達が持って行ったのは、クラーケン2体の討伐、シーサーペント討伐。
そして、森の奥に住まうリーフドラゴンの討伐の三つである。
どれもAランクの魔物達だ。そんな魔物達をたった二人で受けていった彼女達にギルド内にいた全員が興味を持っていた。
しかし、ものの数時間後に事件は起きる。
なんと、二人が既に帰還しているとの情報がギルド内に入った。
辺りがざわざわと騒ぎ出す中、リアン達は気にせずにクエストの完了報告を済ませる。
「あ、あの、各クエストの討伐対象の素材を見せてもらっても・・・?」
受付嬢がそう聞くと、ローラがカバンからクラーケンの吸盤のついた大きな足、そしてシーサーペントの鱗、リーフドラゴンの頭を受付嬢の机に並べる。
受付嬢は驚いた顔をしながらも、素材のチェックを入念に行う。
鑑定が終わり、無事全てのクエストの討伐を認められ、ローラ達は合計金貨300枚を手にし、ギルドを後にした。
その後、大きな歓声が湧き上がる。ローラ達の雰囲気に押され、ギルド内にいた人達は何も喋れなくなっていた。
しかし、彼らは語り合いたかったのだ。彼女達がどれほどすごいのか議論するために。
ギルド内がその話題で持ちきりになっている中、一人怪しげな人物がいたが誰にも見つかることなく、姿を消してしまう。
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