ー神の宿りし身体
「ハハハハハハ!!やはりただの馬鹿であったか!第四界位バーストフレイムをまともに喰らうとは!灼熱で身体は焼け消し炭になる!」
「龍信!!!!おい龍信!返事をしろ!」
辺りに火が散り周りの民家に火が燃え移っている、先程まで龍信が立っていた場所からは火が上がり煙で包まれていた。
ベルモンドと周りの騎士達笑っており、クロスは龍信のいた場所に走り出したが次の瞬間足を止めた。
「いやー……良かったわ、不安要素が消えた。これでこの糞ったれな世界をぶち壊す力がある事が分かった」
「…………は?」
煙の中から声が聞こえてきたかと思うと中の人影が手を振り煙が綺麗に消え去り、服がちょっと焦げただけで特に外傷がない龍信が現れた。
ベルモンドや周りの騎士達から笑みが消え、クロスも含めてその場にいる誰もが驚愕の表情で龍信を見つめる。
「き、貴様……何をした?どんなイカサマを使った?」
「見て分かんねえか?何もしてねえよ、てめえの自慢の魔法が雑魚過ぎただけだろ」
そう言いベルモンドへと歩き出す龍信、周りを固めていた騎士達は龍信が近付いてくると怯えて道を開け、ベルモンドは剣を抜いた。
「まぐれで生き残ったのがそんなに嬉しいか?……調子に乗るなー!!!」
振り下ろされる剣、周りの市民達は目をそらすが龍信は振り下ろされる剣を見て首をそらし肩で剣を受け止めた。
それと同時に剣は粉々にくだけ散り、ベルモンドは驚愕の表情を浮かべる。
「おいコラ、とりあえずお前があの娘にした事倍にして返すぞ?頭地面にこすりつけろ!」
次の瞬間、龍信の蹴りがベルモンドの顔面に向けて放たれる。
蹴りが来る事を悟ったベルモンドは怒りの形相で怒鳴った。
「調子に乗るなと言っている!!第五界位!ミラージュウォール!!!!」
次の瞬間、ベルモンドの周りに見えない壁のような防壁が生まれたが龍信の蹴りがぶつかる寸前一瞬で空間にヒビが入りベルモンドの顔面に蹴りが叩き込まれた。
そのままベルモンドの顔面を地面に叩きつけ、地面が陥没して辺りが一体の地面が砕け散ってしまった。
静まりかえる一体、ベルモンドは口から血を吐き白目を向いてピクリとも動かない。
先程まで醜悪な笑みを浮かべていた周りの騎士達は震えてしまい言葉を発する事が出来ない状態であった。
「で?お前等もやんのか?コラ?」
「ヒッ……引き上げろ……上に全員急げ!!!!」
龍信に睨まれると騎士達全員が後退り、次の瞬間我先に上へと通じる道へ駆け出した。
「このゴミも連れて帰らねえか!!ボケ共が!!」
ピクリとも動かないベルモンドを見捨てて逃げる騎士達にベルモンドを投げつける龍信、ベルモンドを回収すると姿が消えてしまった騎士達。
残ったのは静寂とこの下界と呼ばれる場所に住んでいる多くの人々、全員がただ無言で龍信を見つめている。
ああ、そうだった。ここの住民は報復が恐ろしいのだ、前いた世界とは違う。
俺が感情的になってあの騎士共をぶちのめしたのはこの世界では恐らくありがた迷惑の部類に入るのだろう。
「勝手な事してすまん、すぐここ出てくからさっきの奴等がきたら全部俺のせいにして……」
「すまん兄ちゃん……ありがとう」
龍信が喋り終わる前に一人の中年の男性が肩を掴み頭を下げた。
少々驚いていると頭を下げたまま男は言葉を続ける。
「俺達の為に戦ってくれたのに何も出来ずに情けねえ……あんたは命の恩人だ、こんな所だが好きなだけここにいてくれ。もし次奴等がやってきたら俺達も一緒に戦う……なあ!皆!!」
男が背後の住民達に叫ぶと一世に歓声が上がり次々人が集まってきた。
「すげえよあんた!!上の奴をぶっ倒しちまうなんて!」
「ありがとな!!生まれて初めてあんなスカッとしたもん見れたぜ!」
「次は私達も一緒に戦うからね!」
一気にもみくちゃにされる龍信、そんな龍信を見てクロスは笑いながら座り込むとボソリと呟いた。
「すっげ……詠唱破棄とはいえ第五界位の防護魔法、ハイキックで粉々にするって……神でも宿ってんのかよ」
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