ラップバトル小説ってよう考えたら少なない?

KEIV

間違っても、勝手に陸橋に入らないでね。ましてや、ラップバトルなんてした日にゃ……

「やっぱりここのお団子は美味しいんだよな〜。ま、裏メニュー的に存在してる栗金団の方が実は美味しいんだけどさ」


ホクホク気分でスキップ気味に歩いてる私は、睦月 鏡花。学生をしつつも、作詞家の見習いとして頑張ってるの。学校帰り、いつもの道からちょっと外れたところにある和菓子屋さんで人気の団子を買うと、学校最寄りの駅に向かう。


「次の交差点は歩行者用信号が無いから、歩道橋かな〜」

そう呟きながらその方を見てみる。


ニャツ!?Σ(゚Д゚ υ)


なんか、鉄道用の陸橋の上で歌ってるんだけど!?

しかも、手前の歩道橋には陣取る様にカメラ!?

なんかのMV撮影なのかな……

ちょっと見に行ってみよう!!


いかにもチャラそうなおにーさん2人が立っているのは線路の上。一応側線だから変に動かなきゃ問題無いのね。狭軌道だと幅が1,000mmちょっとしか無いから、あんまり動けない気もするけど……

そこはおいておこうか。


おにーさん1

背は割と高めで全体的に軍人っぽそうな格好してる。背中にはライフル、脚にはハンドガンのモデルガンを付けてる。めっちゃ重そうだなぁ〜。


おにーさん2

中肉中背で、袴姿。なんで? 腰には模造刀が刺さり歌うこと無く斬りに行きそうな雰囲気。ねぇ、なんで?


撮影監督さんらしき人が

「じゃあ行きまーす!! 3・2」

(その後、人差し指を立て1を示す)

と言うと、軽快な音楽が流れ始めた。あぁ!! そっか!! 余計な声や音が入らないようにする為に、カウントの1だけは声を出さないんだっけ。


おにーさん1(以下省略)

「さぁ!! 始まったぜ 俺とお前の勝負!! そして決まってるぜ 俺の勝利!!」


おにーさん2(同上)

「ハァ? ンなワケねぇぜ オレがしてやるぜ オメェを成敗!! 言わせてやるぜ オメェにSayセイ byeバイ


「あ? ナニ抜かしてんだ 成敗? そんなん知るか? 俺がGetゲット byeバイ


「じゃ!! 挨拶はこんぐらいにして始めようか!! 言葉の殴り合い Standbyスタンバイ


「俺が掲げるぜ!! WINNERウィナー flagフラッグ!! 隅っこで食っとけ お前はウインナーを」


「オメェが掲げるのはWhiteホワイト flagフラッグ!! オレがしてやるぜ Getゲット WINNERウイナー flagフラッグ!!」


「『え〜⤵︎⤵︎⤵︎⤵︎ トラックチェンジまだ?』 それまで喰らわずぜ Hellヘル fireファイア


「オメェの嘘なんかすぐわかるぜ!! 蹴っ飛ばしてやろうか? Yourユア liarライアー


────────────────────


そんなこんなで、応酬が続くこと5分。曲としてはそろそろ終わりかな?


────────────────────


おにーさん1

「これがLastラストだ!! Timeタイム isイズ upアップ!!」


おにーさん2

「さぁ!! 勝者を選ぶのはキミたちさ!! あ。 どうも。 お手を拝借 Raiseレイズ yourユア handハンド!!」


「「Year⤴︎⤴」」


最後の一言と共に曲が止まる。


「「この勝負の勝ち負けを決めるのはキミさ!! 投票、待ってるぜ!!」」


2人のその言葉が終わると同時に、背後を高速で列車が駆け抜けた。


監督さんの「カット!!」がかかると同時に、いつの間にやら増えたギャラリーが歓声が上がる。私もついつい「Fooooooo!!!!」と叫んでしまった。


って、あ。ヤバい。次の電車来ちゃってるじゃん。急がなきゃ!!

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