最終話 子が親を想う心
「……お母さん?」
「こんな時間にどうしたのリュウセイ。寒いから早くこっちに来なさい」
「うん」
「暖かい?」
「うん」
「……」
「……あのね、お母さんは、お母さんのお父さんに会いたいんでしょ?」
「……誰から聞いたの?」
「えっとね、お母さんがいつも痛そうにしてるから、お父さんに聞いたら、タコやきのお姉さんのところに一緒に聞きに行こうかって」
「それでね、ぼくもお母さんと同じだから。ぼくのからだを、お母さんのお父さんにあげてもいいよ?」
「そ、そんなこと言うんじゃありません」
「ぼくもお母さんのことが大好きだから」
「ぼくがお母さんのお父さんといっしょになっても、お母さんのことを大好きな気持ちは消えないって、タコやきのお姉さんが言ってたから」
「ぼくはお母さんのことを、ずっとずっと大好きだから」
「だからお母さん、もう痛くならないで」
「……」
「お母さんだいじょうぶ? 痛いの?」
「ううん。痛くないの。痛くないの……」
アル中転生 ~アルコール中心の異世界攻略 ヤグチマサノブ @yaguchi-masanobu
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます